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高校の先生の進路指導について言いたいことがある

先日、高校2年生の息子をもつ友人からこんな話を聞いた。

「息子が高校1年生のときに、学校の先生になりたいから〇〇大学に行きたいと言ったら、お前じゃそんなところは無理だ、と頭ごなしに否定されたんだよね」と。

怒りが沸いた。
あなたに2年後の未来がわかるんですか?
それとも、現状の成績から上げられる手腕が自分にないからそんなことを言っちゃうんですか?

当時高校1年生だった彼は、担任の先生からこう言われて大学への道を諦めて専門学校に行こうと考えているらしく、ちょうど興味を持っていた専門学校に勤めている私に相談がきたのだ。

そもそも専門学校で学ぶ内容は高校の延長とは異なるので、誰もがゼロベースから始まるとは言え、専門知識をこれでもか!というほど詰め込まれる。
だから、何かの夢を諦めた逃げ道として考えているのならそれは止めたほうがいいと伝えた。
途中で目的をなくし、学校を去っていく学生たちを何人見送ったことか。

高校の先生たちはこの現状を知っているのだろうか。
大学のことは正直わからないけれど、私が勤める専門学校においては、目的や目標を喪失して学校を去る者、そして、金銭的な理由で学校を去る者が多くいることを。

高校の先生たちのほとんどは高校卒業後の進路として、大学を含む進学を勧めていないだろうか。
その結果何が起こっているかって、学費が払えずバイトに明け暮れ、授業に来なくなり退学する。

そうやって指導するのが正解なのか自分たちに問うてみてほしい。
学業のことだけでなく、家庭の金銭事情まで考慮してアドバイスをしているのか。一旦社会に出た後でも大学に入ることはできると示せているかと。

恐らくほとんどの「先生」と呼ばれる人たちは、学校という枠組みから出たことがないだろう。
社会は、世界はもっと広い。
自分が通ってきた道、知っている世界の中だけでの進路指導は本当に止めてもらいたい。

そんな私は高校時代、「イルカの調教師になりたい」と担任に相談したら、「そんなケースは出会ったことがなくて私じゃわからんから自分でどうにかして」と匙を投げられた。
水族館に自分で電話をかけ、バックヤードを見せてもらったり、どうやってこの仕事に就いたのかなどインタビューをしたりして夢に向かって行動していたわけだが、水が苦手だということに高3の夏に気が付き、方向転換してスポーツの道(専門学校)に進んだ。

そこそこに成績の良かった私は、1年次の担任からは卒業式の日に「もったいない」と言われた。
けれど私は卒業時の担任の先生にはとても感謝している。
先生が得意とする方向に持っていこうとしなかったことを。

専門学校卒業後はスポーツの世界でアスリートをサポートしていたが、もっと体を強く大きくするには、と考えた際に食事の重要性に気づき、27歳で大学に入り管理栄養士の資格を、数年後にスポーツ栄養士の資格を取得した。

進んだ道で、置かれた環境で、出会った人で自分の考えや行動は変わる。
だからこそ、子どもたちの未来を暗くするような、道を閉ざすような言葉はかけないでほしいと、全ての大人に対して願っている。

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