寒くないように

恋人が誕生日プレゼントをくれた。僕の誕生日は10月の上旬なのでおよそ一か月遅れの誕生日プレゼントである。お互い「記念日」的な物にほとんど関心がない。僕自身は忙しいと自分の誕生日を忘れているので、プレゼントが無くても特に気にしない。とりあえず、相手の誕生日には遅れずに物を用意するけれど、でも、お互い30歳前後、それほどプレゼントに一喜一憂する年頃でもないかな。

恋人からもらうプレゼントは、僕からするとちょっとピント外れなものが多い。今年はやたらモコモコするジャケットを貰った。過去にはオイル式カイロ、真っ赤なジャケットなど、「頑張って使ってみます」と思うものが多い。まぁ、恋人が「何を買えばいいか分からないから、一緒に選びに行こう」というのを、僕が「ねだって買ってもらうのは好きじゃないから、何でもいいよ」というのだから、当然なのだけれど。

北海道で働いてる時に段ボールで「仕送り」のように誕生日プレゼントを送ってくれたことがある。初めて北海道で冬を迎える時だった。中身はたくさんのUNIQLOのヒートテック、大量の使い捨てカイロ、フリース生地のポンチョ?など、防寒具と地元のお菓子だった。あぁ、「寒くないように」ということなんだろうな。

いつも「寒くないように」と思ってくれているようだ。北海道へ行くから、カナダへワーホリに行くからと、僕の誕生日を迎える秋の頃、いつも防寒具をくれる。

「親かよ」と内心思うこともあるけれど、「寒くないように」と考えてくれる、その気持ちだけでうれしかったりするんだよね。