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見なかった花火とラムネ

夏と言えば花火が1番に思い浮かぶ。あとは、スイカに海にプールに素麺。そして生ビール!!笑。今年は花火大会が中止のところばかりで寂しい。

数年前にマンションを買ったのだけど、その時の売り文句に「こちらのマンションからは、花火大会の花火が綺麗に見えますよ~」なんて営業された記憶が蘇った。実際に親や友達を呼んで集まって見るくらい綺麗に見えるし、暑い中花火大会の会場まで歩かなくていいし家は涼しいし最高!とは思っている。今年も見たかったなぁ…花火。

花火大会と言えば、私は当時仲が良かった男の子と、どうしても花火大会に行きたくて仕方なかった事がある。今思えば、2人で共有出来る思い出が何か欲しかったんだと思う。電車で行ける限りの都内の花火大会をネットを駆使して探して、「行きたい。」と言ったら「いいよ。」と言われて嬉しかった。笑。

さて、花火大会当日。彼は1時間遅刻してきた。その時点で何となく嫌な予感はしたけども、まぁ待ち合わせ時間は昼間だったので、花火が始まる時間に余裕はまだある。気を取り直して合流し、浴衣姿を褒めてもらえてとても嬉しかった。気合い入れた甲斐があった。笑。私の機嫌の取り方なんて単純。

花火大会の会場の駅について、「とりあえずお腹空かない?何か食べようよ。」と彼が言うから、お好み焼き屋さんに入った。その時に飲んだキンキンに冷えたビールがまた美味しくてたまらなかったな。夕方になり駅前に浴衣姿の人が増えてきて、そろそろ会場に移動しようかなんて言いながら歩いてる時に手を繋がれて、ちょっと照れたけど嬉しかった。

まだ人もまばらな会場について屋台のビールを飲んで河原で喋ってたら「そろそろ帰ろうか。」と言われた。え?花火まだだよ??え?え?どういうこと?私の頭の中は混乱した。なぜか笑ってしまった。よくよく聞くと、これから仕事があると言う。お、ま、え、なぁ~!!仕事があるのに何で花火大会行くなんて言ったんだよぉぉぉ!!!花火大会に行って花火見ない選択なんて今までの私の人生にはないんだよっっ!心の中で叫んだけど、仕事と言われたら仕方ない…。泣く泣く来た道をUターンしようとしたら、土地勘がなくて今度は迷子になった。笑。

これから花火大会に行くであろう地元っぽい親子連れに駅までの道を聞き、「帰るんですか?これから花火ですよ?」と言われ「分かってます…」と答える惨めさ。花火が見たかったとブツブツ言う私の隣で彼が「はいこれ。」と差し出したのは1本のラムネ。ラムネが飲み辛くて何度もビー玉を舌で押し上げてたら「お前、ラムネの飲み方知ってるか?」と言われ、その時に初めてラムネに飲み方がある事を知った。どうやら瓶の窪みにビー玉を引っ掛けて飲むらしい。皆さん、知ってましたか?私は知らなかった。笑。

ラムネの飲み方を知って、初めてこの人に何かを教えてもらったなぁなんて思いながら帰路につく電車の中で花火が見えた。


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