実行レーン通りにはやらない

前回、実行レーンの大まかな作り方を説明しました。簡単にまとめると次のようになります。

【実行レーンの作り方】
「スケジュールをベースに時間を区切る」
「タスクをどのセクションでやるかを分けて並べる」
「セクションの終わりに休憩を入れる(昼休みと定時の前を除く)」

ここまで作っておくと一日の流れだけでなく、各セクションで行うことも明確になります。また、メモに書いたやることもやること倉庫で仕分けしながら追記したり書き直したりしているので、それぞれのタスクのイメージもしっかり持っています。

2つの管理で実行を支援する

こうすることで、「ベルトコンベア」のようなものを作ることを意識しています。
『「倉庫」にある「部品(やること)」を生産計画に応じて【仕分け管理】し、当日に必要な部品を「ベルトコンベア」に載せる。ベルトコンベアでは動かしてはいけない「重要部品(スケジュール)」をベースに「メンテナンス(休憩)」を組み込み細かすぎる管理にならないように「適度な時間範囲(セクション)」の【進捗管理】を行いつつ、順番に部品を組み付けて組み立てる。』という2つの管理を行っている形になります。

台本を見ていてはリズムが崩れる

実行レーンは「台本」のようなものでもあります。
どのタイミングで何をやるのか、必要なものは何か、どこに移動するのか、どのようなやり方で行うのか、「どんなふうに過ごしたい」というイメージを詳細に至るまで把握して理解し対応するために必要なものだと思っています。

そして本番では「台本」は見ずに実行していきます。
いちいち台本を見ていたらリズムが崩れてしまうからです。

事前に想定した通りに行ったからといって成果が出るとは限りません。さらに想定外の出来事などたくさんあります。電話やメールの他にも、誰かに話しかけられ相談を持ちかけられたり、以前提出した報告書について上司から質問があったりなどなど…。それだけではなく、タスクを行なっていて想定外の結果となった時というものもあります。

もちろん厳格なルールのように流れを守り、外乱となるようなノイズは極力排除し、想定外の結果は再検討課題として新たなタスクとして新規登録し、粛々と当初描いた成果を残していくというやり方もあると思います。

しかし自分はあえてそうはせず、「台本」という位置付けで扱い、想定外のことにはアドリブを入れつつ対応していってます。

「想定外」を受け入れる「余白」を作る

もちろん自分の職位というか与えられた裁量によっても変わってくると思います。裁量が少ない時はいかに指示されたものを作り出すかということが必要になってくるでしょう。そしてそれらの指示されたものに溢れてしまうときがあるからこそ「進捗管理」が必要にもなります。
ただ、複数人の組織で仕事をしている以上、突然の問い合わせなどは避けられません。また、環境や状況の変化というのは一人で仕事している人でも当てはまりますので、これらにどう対応するかはどんな時でも課題になります。

突発の電話の対応で時間とられてしまって間に合わない。上司の無駄話のせいで会議資料ができなかった。とか想定外のことで迷惑を被ったことはあると思います。
一方で、当初描いた結果ではないことから新たな発見をする。相談受けたことから思いも寄らない縁ができた。なども想定外から起きた面白さです。
ただ、何も準備しないために起きる「想定外」と綿密に準備した上で起きる「想定外」は全く違います。想定外は、事前に準備し想定を行なったからこそ生まれるもので、何も準備せずに起きたことは想定外ではなく準備不足です。準備不足にならないようにするには、やはり仕組みが有効です。

膨大なやることを整理し、把握できるようにフォーカスする範囲を決め、さらに綿密な流れを意識した台本を作り、そしてそれをあえて見ない。
「想定外」はどちらに転ぶか分かりません。無駄にも面白くもなります。だからこそそれを受け入れる「余白」を作りたいと思っています。そして「余白」はしっかりした台本があるからこそ作り出せるものだとも思っています。


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