裁量による「やること」の受入の違い

先日、ゲストで参加させてもらったPodcastで裁量によって入口の管理が違うということを話しました。これは職位とか与えられた裁量によって「やること」の受入や発生点が異なるということです。

自分の経験上ではありますが、それぞれどんな違いがありそうかを書いてみたいとおもいます。

若手社員の時

若手社員に求められることは、「与えられた業務を確実にこなすこと」です。
まだ裁量の範囲は狭く、業務の多くは、先輩や上司からの指示で与えられます。
ただ新人社員とは異なり、主体的に業務を行っていく必要があります。
また、関連部門との業務の繋がりの理解はまだ部分的なため、業務の改善も効率化による業務スピードの改善が主なものになります。

結果として、「やること」の受入としては、依頼されたことを漏れなく受入して、確実にこなしていくことになります。「やること」は必然的に溢れかえりますが、どのようにそれらをこなしていくのか工夫をしながら、業務を行っていきます。要は戦闘技術を高めていくということです。
一方で自身の抱える業務量を把握し、助けたり助けられたりできるようにしておくことも必要です。また、戦闘力を高めるために訓練したり休息する時間も必要です。
そのための役割として「やること」の在庫管理が機能します。

中堅社員の時

中堅社員に求められることは、「主体的にプロジェクトを動かし成果をあげること」です。
業務遂行能力が上がり、関連部門との業務の関わりの理解が深まってくるとそれなりに裁量が与えられます。
それに伴って上司からある程度まとまった業務を与えられることが多くなります。

目標の成果を上げるためにどのようなことをすればいいのか?関連部門とどのように連携していくのか?共に仕事をする後輩がいる場合、どのように協力して仕事を進めるのか?など、自発的な「やること」が発生します。
一方で今まで同様、与えられる業務というのもあります。

この場合、まとまった業務毎に成果を上げるためにプロジェクト管理を行い、どのようなことをするのか、結果としてどうだったのか、やり方を変えるのかなどを管理していくことが必要になってきます。

そして、「やること」の受入としては、与えられた「やること」だけでなく、プロジェクトから発生する様々な「やること」を受入することが必要になります。依然として「やること」は膨大にありますが、関連部門との交渉や状況に合わせてプロジェクトで発生した「やること」の見直しなどを行って業務を進めていきます。要は、戦術を駆使して戦闘していくということです。

仕分けした「やること」の実行タイミングや要否を状況に合わせて定期的に仕分けしていく「やること」の鮮度管理が機能します。

管理職の時

管理職(課長職)に求められることは、「成果を定義し目標を設定して成果を上げること」です。
管理職は、ヒト、モノ、カネといったリソースを与えられます。定義した成果を上げるために、組織化し、進捗を管理し、判断を行っていきます。
一方で、プレイヤーとしての一面も求められることが多分にあります。

そうなるとプロジェクトそのものをどうするかということも含めてやるべきことが広がり、判断も増えます。「やること」の管理も当然必要ですが、プロジェクト管理の重要性が増すといったところでしょうか。 成果そのものの定義や方向性を決めるという点では、作戦を練り状況に合わせて指揮していきつつ必要な兵站を準備し、時には戦術を持って戦闘していく感じですかね。

プロジェクト管理に比重を置きつつも、「やること」倉庫の鮮度管理、在庫管理をおこなう感じでしょうか。そして常に余白を残しつつ対応できるように努めたいものです。

そんなこんなで

それぞれの段階で注力する違いを書きましたが、それぞれ裁量や職位も段階的に変化するというよりも徐々に変わっていくことが多いのかなぁと思っています。
いずれにしても「やること」を把握しておくのはどの段階でも必要なわけで、どのように時間や手間をかけずに把握するかと余白をきちんと確保できるかが重要なんだと思います。

世にいうタスク管理がどの部分を示しているとかよくわかりませんが、より柔軟に活用していけるといいのではと思いますし、手間をかけ過ぎるものでもないのかなぁと思います。

※といいつつ、自分も試行錯誤で至らないところばかりなので、書いた事柄もまた変化するかと思います。

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