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邦画史上最大級の面白さ!世界よ、これが日本のスーパーヒーローだと思える『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:4/66
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:-
  製作年:2023年
  製作国:日本
   配給:東宝
 上映時間:128分
 ジャンル:パニック、ヒューマンドラマ
元ネタなど:テレビドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021)

【あらすじ】

【TOKYO MER】――オペ室を搭載した大型車両=ERカーで事故や災害現場に駆け付け、自らの危険を顧みず患者のために戦う、都知事直轄の救命医療チームである。彼らの使命はただ一つ…『死者を一人も出さないこと』。

横浜・ランドマークタワーで爆発事故が発生。数千人が逃げ惑う前代未聞の緊急事態に。「待っているだけじゃ、救えない命がある」チーフドクター・喜多見(鈴木亮平)は、いち早く現場に向かうべきと主張するが、厚生労働大臣が新設した冷徹なエリート集団【YOKOHAMA MER】の鴨居チーフ(杏)は「安全な場所で待っていなくては、救える命も救えなくなる」と真逆の信念を激突させる。

地上70階、取り残された193名。爆発は次々と連鎖し、人々に炎が迫る!混乱の中、重傷者が続出するが、炎と煙で救助ヘリは近づけない。まさに絶体絶命の危機…。

さらに、喜多見と再婚した千晶(仲里依紗)もビルに取り残されていることが判明。千晶は妊娠後期で、切迫早産のリスクを抱えていた…。

絶望的な状況の中、喜多見の脳裏に最愛の妹・涼香(佐藤栞里)を亡くしたかつての悲劇がよぎる――。もう誰も、死なせはしない。

【感想】

2021年にTBS系列で放映していたテレビドラマの映画版。まさかこんなに面白いなんて思いませんでした、、、!!いや、メッチャ泣いたし。。。現代を舞台にした邦画でこんなに面白いって感じたの久しぶりかもしれません。

【面白かった理由①:テンポのよさ】

もともとテレビドラマ版がすごく好きだったんですよ。で、今回の映画も話はテレビドラマ版の続きなので、正直"ドラマありき"ではあります。でも、それを差し引いても楽しめるんじゃないかなーと思いました。

理由は大きく2つあると思っているんですが、まずはテンポのよさです。映画のしょっぱなから飛行機事故が発生して緊迫感全開。それが一息ついたと思ったら、割とすぐに今回のメインである横浜のランドマークタワーの爆発事故に移っていきます。ジャンルとしてはいわゆるパニック映画で、大事故に巻き込まれて逃げ惑う人々と、そんな人たちの救出に向かう医療チームっていう構図ですね。この手の映画では、『海猿』シリーズや『コード・ブルー』シリーズなんかが有名だと思いますが、今回は横浜というポピュラーかつ多くの人が出入りする街を舞台に、大量のエキストラを起用してのスケールの大きな事故が舞台となっているという点では、邦画にしては珍しいんじゃないかなと思いました。

しかも、爆発による火災の範囲が徐々に広がり、負傷者もどんどん増えていきます。次から次へとトラブルが降ってきて、これでもかってぐらい主人公の喜多見チーフをピンチに陥れる無理ゲーの連続なんですよ。息つく暇もないほどテンポよく話が進んでいくので、まったく飽きずに最後まで観れるのがこの映画の最大のポイントだと思います。

【面白かった理由②:キャラクターの魅力】

今回の映画が面白かったもうひとつの理由はは、テレビドラマ版から引き継がれる魅力的なキャラクターです。特に、喜多見チーフはやっぱり最高ですよね!大胆な行動力と適格な判断力、そして迅速な決断力。どれもリーダーとして必要な力だと思います。でも、それだけじゃないんですよ。今回、横浜MERという敵対勢力もいるんですが、そういう嫌な人たちがいても常にポジティブにコミュニケーションを取ろうとする器の大きさ。これが喜多見チーフの最大の魅力なんじゃないかなと思います。こういうまっすぐで誠実な人柄を目の当たりにすると、本当に上司や先輩にいてくれたらなと思うほどです。むしろ、彼こそが日本のスーパーヒーローなんじゃないかと思いますよ!

かねてより、死者ゼロを理想とする喜多見チーフですが、実は最愛の妹である涼香を亡くしてしまう悲劇に見舞われているんですよね。ここが唯一”死者1”となってしまったところで、テレビドラマ版でも一番泣けるエピソードでした。そんな過去があったからこそ、今回も大切な家族を守るために危険を顧みない彼の姿は、テレビドラマ版を観ているとより一層感動的に映ります。妹を亡くした過去を踏まえて、もう二度と誰も失いたくないという想いが強く伝わってきますから。

そして、それは喜多見チーフだけではありません。まわりのメンバーも喜多見チーフのその事情を知っているから、彼が命懸けで家族を救おうとすることを全力でサポートします。中でも、音羽先生(賀来賢人)は一番注目すべき方ですね。彼、すごくいいキャラクターなんですよ。不愛想かつ合理主義者ではあるんですが、実は日本の医療の未来を真剣に考えている人で、そのギャップがたまらんです。それに彼はね、、、テレビドラマ版で涼香に心臓マッサージを続ける喜多見チーフの手を「もうこれ以上は……」と言って止めてしまうシーンがあるんですよ。もちろん、もう手の施しようがなかったので、音羽先生の判断は間違ってはいません。とはいえ、音羽先生自身も涼香を特別な人だと思っていたので、きっとあのとき喜多見チーフの手を止めてしまったことがずっと引っかかっていたんでしょうね。今回の映画ではそれを受けてか、「あのときは止めてしまったけど、もはや自分には止める権利はないのかもしれないし、何よりも喜多見チーフにあのときと同じ想いはしてほしくない」、そんなことを考えているんじゃないかなと思わせるシーンがあってすごくよかったです。ネタバレになるので詳細は割愛しますが、ぜひここはみなさんの目で観ていただきたいところです。

<そんなわけで>

個人的には今年一番ぶっ刺さった邦画でした。ハリウッド映画っぽいテンポのよさとスケールの大きさにドハマりしました!テレビドラマ版を観てからの方が、より感動と興奮を味わえるので、可能であればそうしていただくことをオススメしたいですが、、、映画だけでも面白いんじゃないかなと思います!


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