プロレスラー一家の夢と苦悩がきれいにまとまっている『ファイティング・ファミリー』

2019年公開映画198本中44位。

これは面白い。
夢を追いかける人にはぜひ観て欲しいし、
プロレスを観たことない人には特にオススメしたい。
なんせ、僕自身もプロレスまったく見たことないのに、
この映画にとても感銘を受けたからね。

これは、アメリカで爆発的な人気を誇るプロレス団体WWEにおいて、
史上最年少でディーヴァズの王座を獲得した
女性プロレスラーの伝記的映画です。

プロレスラー一家で育ったサラヤ(フローレンス・ピュー)が、
地元のプロレス団体で活躍しつつ、WWEに挑戦していく流れなんだけど、
もともとは兄妹でタッグを組んでて。

で、WWEの下部組織であるNXTにまずは入ろうとするも、
兄は試験に落ちてしまい、妹だけが単身フロリダに渡ることに。

そこで様々な壁にぶつかり、一度は諦めようとするんだけど、
家族と本音でぶつかり合うことで、
再び歩み出すという王道ストーリーを笑いあり涙ありでまとめていて、
いい映画だなーと思いました。

まあ、こういう障害を乗り越えて夢を叶える映画なんて、
世の中にいっぱいあるけれど、
プロレスが題材だったのが新鮮だった。
特にプロレスを見たことない僕からしたら、
いろいろ勉強になるんだよね。

まず、トレーニングの過酷さに驚き。
日本のプロレスラーが日々どんなトレーニングしてるのかは知らないけど、
作中ではジム内での練習に加えて、
ビーチで重りを担いでのダッシュや
トラックのタイヤを3回裏返すようなメニューが毎日続いていて、
想像以上に筋肉を傷めつけるメニューが多いように感じた。

そして、女性プロレスラーは
元モデルやチア出身の人がいるってのにも驚いた。
てっきり、ガチムチの女性しか入らないのかと思ってたから、
こんな細い人もプロレスやるんだって。

しかも、メチャクチャセクシーなもんだから、
最初は彼女らばかり人気が出て、
サラヤも自分のスタイルに自信が持てなくなるんだよね。
サラヤはプロレス経験がある分、
そのセクシーねーちゃんたちを見下し気味だったから
余計に辛かったと思う。

そんなんだから、まわりとの仲も悪くなっていって、
孤立してしまい、誰も頼る人がいないから、
精神的にもどんどん追い込まれていく過程が、
過去の僕自身の経験と似たところもあって、とても共感できた。

あと、意外だったのかマイクパフォーマンス。
多くのファンを獲得するには、リング上での戦いだけではダメで、
マイクパフォーマンスも練習しなくてはならず、
ここは自分の言葉でセンスあることを言わなくちゃいけないんだよね。

身近なところで言うと、
「なんか面白いこと言ってみろ」みたいなもんかなーと思ったから、
ある意味フィジカルな戦い以上に大変なんじゃなかろうか。。。

また、この映画は妹のサラヤだけではなく、
兄のザックにも焦点が当たっているのがポイント。

彼は彼で自分だけが落ちたことにふてくされて
八つ当たりするようになるし。
もちろん、妹に対する嫉妬でしかないのだけど、
自分がなりたかったものになれなくて、
身近な誰かがそれになったときは、
自己否定されたような気持ちになるから、
そこも僕としては共感ポイントが高かったな。。。
(同じような経験している人はたくさんいると思うけど)

結局、兄はトレーナーとしてその後も活躍し続けるのだけど、
2017年に観た『キセキ -あの日のソビト-』で、
弟の方がアーティストとしての才能があり、
兄はプロデュース業に移ったというエピソードと似ているなと思った。

あと、個人的にツボだったのが、ドウェイン・ジョンソンが
ザ・ロック本人役として出演していたこと。
彼のまだ髪がある頃のプロレスラーとしての映像も
少し観れたのでよかった!

笑いあり涙ありで、ぜひ観て欲しい映画ではあるのだけれど、
都内だと上映してるところが割と限られているので注意!

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