デジモン

すべてのデジモン世代の人たちに捧ぐ『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:3/36
感動😭:★★★★★★★★★★
興奮🤩:★★★★★
⠀ 絆🤝:★★★★★★★★★★

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これはもう、、、涙なしには観れない映画です。。。
泣きすぎてマスクがびちゃびちゃになってしまいました。。。

【どんな映画?】

『tri.』シリーズの後の話です。
太一たちも大学生になり、就職活動真っただ中というときに、世界中で選ばれし子供たちがこん睡状態に陥るという事件が発生します。
太一たちの前には、デジモンを専門に研究しているという学者・メノアと井村がやってきて、”エオスモン”と呼ばれるデジモンが原因だと語り、助力を求めてきます。
しかし、そのエオスモンとの戦いの中でデジモンたちに異変が起こり、衝撃の事実が明かされることに。それは、選ばれし子供たちが大人になると、パートナーデジモンが消えてしまうというもの。
みんなを助けるには戦うしかないけれど、そうするとデジモンたちとの別れが早まってしまいます。。。
仲間を助けるか、デジモンと別れるか、究極の選択を迫られます。

【感想】

ネタバレも少し入ってしまいますが、気持ちが溢れまくっているので書いちゃいますね。

今回の作品は、別れという辛い設定と、現実にも感じていることをまざまざと見せつけられるメッセージ性が強烈でした。

まず、パートナーデジモンの消失。
小さい頃からずっといっしょだった存在が消えてしまうというのは本当に辛いです。僕も30代後半に差し掛かると、祖父母の死別なども経験するので、デジモンたちが消えてしまう辛さは容易に想像がつきました。ただ、彼らがいなくなるのは死とはまた違う概念だと思います。どこかにいるかもしれない。でもわからない、そんなもどかしい状態。

そして、もうひとつが歳を取ることの寂しさです。
選ばれし子どもたちは、可能性と成長の掛け合わせでパートナーデジモンたちといっしょにいられたのですが、大人になると小さい頃よりも可能性は狭まり、成長の伸びしろがなくなります。そうなってくるとデジモンたちとの関係を築くだけのパワーがなくなるというのです。
大人になるにつれて、小さい頃にはあった何かがなくなっていくというのは物語ではよく使われる設定ではありますが、それがデジモンなのかって。
この歳になると、嫌でも痛感しますよ。昔よりも可能性や成長の伸びしろが減っていることに。でも、大好きだったデジモンの世界で、それをデジモンの消失という形で突き付けられるのがたまらなく寂しいし、辛かったです。

僕自身も、ここまで感情移入してしまうのは驚きだったのですが、それが単にこのシリーズが好きだったという理由だけなのかはずっと自問していました。そして、それに加えて別の理由もあるんじゃないかと思ったのが、時系列が進んで主人公たちも歳を取っているということです。

初代の『デジモンアドベンチャー』では太一たちは小学生、『tri.』で高校生になり、今回は大学生です。僕は初代のときに中学三年生だったのですが、太一たちは小6だったので、そこまで歳が離れているわけではないんですね(小学生と中学生の違いは大きいですが、年齢にしたら3歳差ぐらいなので)。さすがに、『tri.』と今回の年齢設定は、今の僕からは離れていますが、それでも、若いときに観たアニメの主人公たちも成長していると、同じ時間を過ごしてきたような気がして、感情移入しやすくなるんだと思います。

アグモンが、「太一、大きくなったね」って言うシーンがあるのですが、そこがもう、、、なんか、、、本当に長い間いっしょにいったんだなって思って、、、ぶわあああああって涙出ました。。。

さらに、今回は作品のテーマも非常に共感しやすかったのがいいなと思いました。
まさに、「現実逃避は救済となりえるか」ということです。

メノアは、かつて自分もパートナーデジモンを失ったことにショックを受け、その喪失感を埋めるために、楽しかった思い出の世界に引きこもることを提案します。要は自分が気持ちいいだけの世界に留まるということです。

でも、太一たちはそれを偽りの救済だとして、何も変わらないことを憂い、辛くても前に進んで、その先で明るい未来を築くことを主張し、真っ向から抗います。

この2つの葛藤を自分の人生において考えたことがある人もいるんじゃないでしょうか。辛い現実を前にして、楽しかったときにすがり続けるのか、Gんばって前を向くのか、もちろんどちらが正解ということはないと思いますが、それをデジモンでやって、テレビアニメを観ていたかつての子供たちに向けたメッセージかなと思いました。

演出に『カメラを止めるな!』の上田慎一郎さんがいらっしゃるんですよね。彼は僕と同い年のようなので、同世代として刺さるような要素を入れ込んだのかもしれません。

また、今回で劇場版は最後ということなので、記念に舞台挨拶のイベントにも行ったんですよ。キャストのみなさんがわちゃわちゃ仲良さそうにしていて、ファンとしてはうれしい限りだったのですが、そこで花江夏樹さんが「この作品は、かつてテレビアニメを観ていた人たちのことも考えて作られています」みたいなことをおっしゃっていて、まさにその通りだなと思ったので、『デジモンアドベンチャー』を観て育った世代は絶対に映画館で観ていただきたいです!

やっぱり、日本のアニメはいいですね。「明日もまたがんばって生きよう」と思わせてくれる魅力があると思います。ストーリーはもちろんのこと、映像もすごくいい。ハリウッドだとこれを実写でやってきますが、日本もアニメなら十分に対抗できると思います。

むしろ、実写の邦画よりも、ストーリーの濃厚さとメッセージがしっかりしているので、アニメを観た方がためになるかもしれません(笑)


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