ポーカーの怖さを知る『モリーズ・ゲーム』

ポーカーの怖さを知る『モリーズ・ゲーム』

ポーカーの怖さ、
ひいてはギャンブルの怖さ、
そしてその裏で動く大金の怖さを痛感した映画。

モーグルのオリンピック出場をかけた大会で
不運にも怪我をして選手生命を断たれてしまった
実在の人物モリーズ・ブルームが、
違法ポーカーの運営に携わり、FBIに捕まってから、
判決が出るまでを描いた実話ベースのお話。

そう、実話なんですよ、これ。

五輪並みのスポーツの実力があり、
親が鬼畜なぐらい厳しく、
それが主人公の人格に影響を与えているところが、
『アイ、トーニャ』と似ている。
さらに、モリーズ・ブルームは大学も首席で卒業し、
ロースクールのスコアも高いという才女だから、
非の打ち所がない。
家庭環境の子供に与える影響の大きさを感じざるを得ないね。

そんな彼女がモーグルをなくし、
普通に働きに出た先で、人との出会いを通じて、
あれよあれよという間にポーカー運営に携わるようになるのだけど、
動く金が日本円にして億超えてて、
そんなのがひっそりとホテルの一室で行われているのがやべえ。

そして、そんな金額をひょいと個人で払える顧客も頭おかしいけど、
実際はレオナルド・ディカプリオやベン・アフレックなどの
ハリウッドスターやスポーツ選手が顧客リストに入っていたとか。

なぜそんな怪しい商売をはじめたのか。
作中ではお金に困っている様子もなければ、
もともとギャンブルが好きという描写もない。
でも彼女は、顧客を増やし、大金を手にしていく。

彼女がそうなった要因については、
物語終盤で彼の父親であるケビン・コスナーが語っているのだけれど、
劇中では、そんなそぶりはなかったから、
言われてもいまいちピンとこなかったな。

毅然とした態度で顧客を増やし、
大金を手にしていくモリーズ・ブルームの姿は
日本の映画ではあまり見ない女性像だけど、
やっぱり本当に怖いなって思ったのが、
それだけデカイ額が動くと、
どこからともなく怖い人もやってきて、
命の危険にさらされるということ。

金儲けと身の安全が天秤にかけられるスリルを見て、
俺、絶対こんなことやりたくないわと思った。
思い出しただけでも背筋が凍る。

でも予告でもあったこのセリフだけは、一番かっこよかった。

「負けを克服する方法?勝つことよ」

しびれます。

ちなみに、僕自身はポーカーのルールを全然知らないので、
ポーカーのシーンだけはよくわからなかったし、
「ポーカーの部分わからなかった」
と帰りがけに言ってるお客さんもいたから、
日本においては世界ほどポーカーは一般的ではないのかもしれない。

だから、ポーカーやったことある人はもう少し楽しめるんじゃないかな。
とはいえ、ポーカーの勝敗はあんまり重要じゃないんだけどね。
主人公はあくまでもオーナーで、自分は勝負しないから。

ちなみに、モリーズ・ブルームの弁護人役だったのが、
今絶賛公開中の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で、
ビフレストの番人ヘイムダルを演じたイドリス・エルバだったから、
アベンジャーズの面々が他の映画でも活躍していて、
ファンとしてはうれしい限りです(笑)

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