音楽業界の奇跡のような話『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:7/10
感動😭:★★★☆☆
笑い😂:★★☆☆☆
 歌🎤:★★★★☆

いやー、まさか漁師の歌でこんなに盛り上がるとはね。
まさに音楽業界の奇跡ような映画でした。
イギリスでヒットして、すでに続編も決定してるとのこと。

【どんな映画?】

小さな港町で働く漁師たちのレコード契約を取り付けるために奮闘する音楽マネージャーの話です。
彼の名はダニー(ダニエル・メイズ)。友達の独身最後の旅行で訪れた小さな港町で、偶然漁師たちの歌を耳にした彼は、男同士の悪ノリ感満載の無茶振りで契約を取ってくるように言われます。で、ダニーが漁師たちのところに行ってる間にみんなは車で帰宅してしまい、彼ひとり港町に残るハメに(笑)
まわりは冗談のつもりだったけど、ダニーは漁師たちの歌に魅せられ、レーベル契約を結ぼうとするっていう流れです。

【感想】

この映画の何がいいかって、実話ベースなんですよ。
漁師たちの歌のうまさと、ダニーの行動力、そして、それらがきちんと結果に結びつくのが圧巻なんですが、実際にこんなことあったのか!っていう驚きが大きいですね。

しかも、本当にみんな歌がうまいんです。
地味なジジイがメインで華やかさの欠片もないのだけど、あの声量と低く渋い声によるアカペラは、聴いたことない歌でも圧倒されてしまいました。漁歌っていうんですかね。日本にもあるかはわからないですが、島では何世代も語り継がれてきた歌らしく、島民ならみんなが歌えるという歴史ある歌です。

でも、見どころは歌だけではなく、ダニーの苦難も物語を盛り上げる要素として欠かせません。
島の未亡人アルウィン(タペンス・ミドルトン)との恋模様や、仕事の仲間との対立、漁師たちとの仲違いなど、ぶち当たる壁も多い中、それらをひとつひとつ乗り越えていく流れは、オーソドックスでありながらもわかりやすいし、ラストに向かう中でのいいスパイスになっていると思いました。

それらがあるからこそ、ラストでダニーが漢を見せるシーンは、これまでの苦難をすべてチャラにするぐらいの破壊力を感じることができたんだと思います。

漁師の歌って時点で新鮮ですが、楽しめる要素も多く、非常にいい映画だったと思います。監督も僕のひとつ年下でまだ若いのに、こんな素晴らしい作品が作れるなんて、その才能がうらやましい限りです。


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