愛とパワーとノリと勢いな『宮本から君へ』

2019年公開映画162本中40位。

これはいい映画だった。
恋人を犯された男の復讐話ではあるんだけど、
とにかく池松壮亮の演じる主人公が最高すぎる。

もうね、愛とパワーとノリと勢いなんだよ。
生き方が。
高校生じゃあるまいしって思うんだけど、
そのキャラクターがね、すごく好き。
復讐映画だけど、青春映画っぽい雰囲気があるんだ。

とにかく想いの丈を叫びまくって、
やかましさ全開なのに、
まったく嫌な感じがせず、
むしろ微笑ましく感じるのは、
宮本のまっすぐで純粋なキャラと、
池松壮亮の演技のよさがあるからだろうなあ。

彼は妻を犯したラガーマンに挑むも、
体格が違いすぎて何度も返り討ちに遭うんだ。
それでも、諦めずに何度も立ち向かっていく姿は、
かっこいいというよりもかわいさがあって、
とても応援したくなる。

池松壮亮の全力の演技が清々しいよ。
ツバは飛ぶし、鼻水は垂らすし、
口の中のごはんも飛び散るし、
汚いんだけど、清々しい。

そんな宮本だからこそ、ラストのセリフが感動的なんだよなあ。
あそこまで体を張れるから、ものすごく説得力あるんだ。

もちろん、池松壮亮だけじゃなくて、
蒼井優の演技も相変わらずうますぎ。
この2人の演技だけで、観る価値大アリ。

今回、屈強なラガーマンがレイプ犯で、
それを一ノ瀬ワタルが演じているんだけど、
またあの憎たらしい顔がね、いい味出してるよ。
正直、イラっとしかしないんだけどさwww

ただ、ラガーマンといえばね、つい最近も『ノーサイド・ゲーム 』
という素晴らしいドラマがあったけれども、
あそこで描かれているような好印象さはまったくなく、
むしろマイナスでしかないので、
ものすごくギャップがあってビビる(笑)

まあ、僕もラガーマンといえば、
『ノーサイド・ゲーム』よりもこの映画の方がイメージ近かったけど(笑)

さらに、その父親役としてピエール瀧、
そのラグビー部時代の後輩?として、佐藤二朗が出てるんだけど、
どちらも昭和のラグビー部ノリでマジで嫌気しか刺さない。

佐藤二朗なんかコメディキャラのイメージが強いから、
今回はけっこう真面目な役で、そのギャップも新鮮だったなあ。

話としては少し重い設定はありつつも、
宮本の持つ愛とパワーでプラスに転換できてる
清々しい映画でオススメです。

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