ジブリな雰囲気が漂う『羊と鋼の森』

なーんか全体的にジブリっぽいなと感じたけど、
音楽が久石譲だった(笑)

さて、ピアノの調律師の話である。
映画としては、正直そこまで面白いわけでもないな。
調律師を目指した少年が、調律学校を卒業し、
地元の楽器店に就職し、苦難を乗り越えつつも、
調律の道を歩んでいくっていう王道。

ただ、このピアノの調律師って職業に、
ものすごく興味が湧くんだわ。
ピアノってけっこう身近な楽器だと思うんだよね。
小さい頃習った人も多いだろうし、
幼稚園や学校の音楽の時間でもよく目にするし。

でも普通は、「弾けば音が出る」ぐらいしかわからないと思う。
そのピアノがね、あんなに複雑な構造をしていて、
さらにその調律となると、ものすごくきめ細やかな作業になるって、
この映画を見て初めて知ったんだ。
それだけで満足(笑)

音楽的才能がまったくない僕は、
音の違いや、客の言う「もっと明るい音に」とか、
「もっと伸びやかに」ってのがまったくわからなかった。
でも調律師はそれを聞き分ける。
聞き分けた上で、自分の目と耳と手で調整していく。
機械が自動でやるわけじゃない。
もう職人だよね。

あとは、これは芸術に従事した人なら、
誰でも通る道かもしれないけど、
趣味で終わらせるか、進路にするかっていう話。
世の中には、ものすごい技術を持っていながら、
全然別の道に進んでしまう人もいるから、
辞めてしまう人と、プロとして食っていこうとする人、
この差って何なんだろうと。
何かを極めた人じゃないとわからない感覚かなあ。

この映画を見て、僕はやっぱりピアノの音色が、
あらゆる楽器(全部聞いたわけじゃないけどw)の中で、
一番好きだなと思った。
時に優しく、時に力強く、
その緩急が一番わかりやすいから、好き。

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