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多品種少量ワーク識別の自動化

 こんにちは。先日の段替えの自動化に続き、多品種少量生産の自動化に関してまとめます。今回は、多品種のワークを識別する方法をまとめました。本当の意味での多品種少量生産を自動化するためには、メカ的な段替えの自動化の他、多品種のワークを識別することやそれぞれのプログラミングの自動化も必要になります。今回はそれらを簡単にまとめてみたいと思います。私はどちらかというとまだメカの方が詳しいので、ソフトはまだまだ勉強中です。

識別の自動化
 本当の意味で多品種のワークを同一ラインや機械で流す際、今どのワークなのかを識別する必要があります。そのことにより、治具やプログラミングとの正合成も確認でき、ぽかよけにもなります。さらにワークそれぞれに情報を持たせて、常に状況を把握するトレーサビリティ管理にも役立ちます。

1. カメラで識別
 前回にも出てきましたが、これらは今非常に技術改良が進んでいる分野になります。カメラでワーク種を確認することで、次にどのワークがくるか、機械側のプログラミングと合っているかを判別します。
 ワーク種の判別の用途の場合、始めにマスタデータ(正しい形状の記録)を取らなければいけない場合も多いです。まだ実際にカメラで初めてみた形状を把握し、それをロボットや機械で自動プログラミングするまでには至っていません。(3Dピッキングのみ)
 ただしMUJINのソフトの場合、ワークのCAD図とワーク保持姿勢を入れ込めば、干渉を踏まえたロボットの動作等を自動でプログラミングしてくれます。ロボットメーカーごとのティーチングも不要となります。ここは次回のプログラミングの自動化でより詳しく書こうと思います。


カメラメーカー:キーエンス、コグネックス、オムロン、他
 キーエンスの下記記事で画像での判別に関してわかりやすく説明されていました。



2. バーコード・QRコード、シリアルNo.で識別
 ワークに刻印・添付されたバーコード、QRコードを読み取り、ワーク種を識別します。ワークそれぞれに明確な情報があるため、識別ミスがありません。ただワークにコードが打たれていなければならないです。
 トレーサビリティ管理にも使われます。工程毎に読み取ったワーク毎に加工後の情報を加えていき、いつでもコードを入力するとどこにあるのか、どのような条件でいつ加工されたか等がわかります。トレーサビリティ管理の面からも実施している企業が増えています。
バーコードリーダーメーカー:キーエンス、コグネックス、ウェルコムデザイン、IDEC、パナソニック、等多数。

カメラでシリアルNo.を読み取る事例




3. センサやプローブによる機内での識別
 センサやプローブにより機内でどのワークかを識別する方法です。主にマシンングセンタや旋盤のプログラムと治具が実物のワークと合っているかの確認に使われます。非接触センサにしても、接触式のプローブにしてもワークごとに何か判別できる違いが必要です。この方法は簡易的で、工夫次第で様々なワーク識別ができると思いますが、マスタデータが必要です。(ここでいうマスタデータとは、センサでみてその部分に何かあればAという機種、なければ機種違いといった識別する判断に使う情報です。)
センサメーカー:キーエンス、オムロン、ロックウェル、パナソニック、他多数
プローブメーカー:レニショー、ハイデンハイン、メトロール、他多数

少しイメージと違う部分もありますが、事例が多数のっていました。


 今回は、多品種のワークを自動で識別する方法を簡単にまとめました。これらの分野でのキーエンスの強さが目立ちました。調べていてもすぐ引っ掛かり、詳細な事例もすぐに見ることができます。さらに実際の現場でも圧倒的に使用されている数が多いです。ここでも顧客のニーズを拾って商品化する力、売る力の強さを感じました。
 次回はプログラミング・ティーチングの自動化に関して調べたいと思います。カメラ同様、今日に日に技術革新が進んでおり、多品種の自動化にも必須の分野となるので、勉強するのが楽しみです。
 今回も最後までお読み頂きありがとうございました。

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