『コンサル一年目が学ぶこと』大石哲之 2
おはようございます。本日は、前回紹介しました大石哲之さんの『コンサル一年目が学ぶこと』の続きになります。
前回、仕事の手順について書きましたが、問題解決をスムーズに行えるようにするために、ロジックツリーを使った方法というものがあります。
ロジックツリーとは、問題の原因解明や解決策立案のために、問題を論理的に関連した要素ごとにツリー上にMECEに分析していく方法です。
ロジックツリーを使いこなす4つの意義
①一生使える(繰り返し役に立ち、応用することができる)
②全体が俯瞰できるようになる(それぞれの話が、全体の中でどういう位置づけなのかが頭の中で視覚化)
③捨てる能力が身につく(ロジックツリーを使い、全体像を描き、幹の部分と枝葉の部分を区別できるようになる)
④意志決定のスピードが上がる
大きくて複雑な問題でも、ロジックツリーを使って小さな問題に分解することで、それぞれの論点について議論ができる。それぞれの論点を分析することで、全体の答えを出すことができるようになります。
ロジックツリーによる問題解決の基本
①論点を整理・分析する②各論点について数値分析をする③項目の重みづけをする④アクションに落とし込む
良いロジックツリーをつくるためにはフィードバックが必要で、そのためには適切な指導者をみつけましょう。その方から客観的な目線で見てもらうことで、ロジックツリーの質が上がるようになります。さらに、事実・解釈・アクションをきちんと区別し、「だから何?」「どうしてそうなの?」への答えを明確にすることも必要となってきます。
また、自分がやらなければいけない事項に見出しを設定することで、頭の中がスッキリ構造化されるため、チェックリストとしても機能します。
ロジックツリーを考えるのに、役立つ本をおすすめします。
~仮説思考~
はじめに予想できる範囲で、ストーリーラインを描いてからリサーチをします。あらかじめ仮説を立てておくことで、調べるべきポイントを絞り込めていれば、効率的なリサーチをすることができます。
☆仮説→検証→フィードバックのサイクルを高速で回す
検証によって仮説を否定するデータが出てきたら、素直に修正し、新しい仮説を立てます。
仮説思考の意志決定
仮説を立て、あらかじめ結論をもった状態であれば、何かことが起こっても仮説にそって対応することができます。
ビジネス能力を向上させるのは、情報量ではなく、考えることです。考えるとは、自分の意見を持つということになります。
自分の意見を持つ方法としては、答えを出す前に一分だけ自分で考える時間をつくることです。
「自分の考えを持つ」ということは、間違っていることに気づいたり、他人と考えが違ったりすることを認識するためです。
情報を集めるだけでは考えたことにならないので、その先にある「本質」を提示することができてはじめて、価値は生まれます。
本質を追究することは、次の本からヒントが得られます。
3章
3章は、デスクワーク術のことが書かれています。ここでは、議事録の書き方、パワーポイントの使い方、コンサル流読書術についてみていきます。
議事録には、発言の記録ではなく、後日の証拠となるよう決定事項を簡潔に書きます。決まったことを紙に証拠として残すのが議事録ですが、①決定事項、確認事項を書き、関係者に確認し、決定するためのもの②決定事項を書いて、後日のための証拠に残せるものにすることが重要です。
議事録に盛り込むこと
日時・場所・参加者・本日のアジェンダ(論点・議題)
決まったこと・決まらなかったこと(次に持ち越されたこと)
確認が必要なこと、次回に向けてのTODO(誰がいつまでに)
補足事項として、キーパーソンの意見や簡単な経緯をまとめる
次にパワーポイントです。
パワーポイントは、シンプルイズベストが基本です。ワンスライド・ワンメッセージの原則(一枚のプライドに、多くのものを詰め込み過ぎないこと)を守って下さい。根拠となる数字や事実+自分の解釈や主張をまとめるようにします。
次は読書術です。
読書をするときは読書の目的を絞ります。WEBを検索するように目次ベースで該当箇所を拾っていき、重要な部分だけよむようにします。なるべく多くの文献を広く浅くあたるようにします。大事なことにフォーカスして、ディープに掘り下げる、それ以外のことは切り捨てるようにします。
4章
ここでは、ビジネスマインドについてみていきます。
仕事の価値を決めるのは自分ではなくあくまでも相手(自分がやりたいことではなく、相手が求めていることをする)クライアントが「価値がある」と思わなければ、あなたがどんなに時間を費やしてもそれは単なる自己満足にすぎない。
試行錯誤を重ねるうちは、失敗はつきものです。スキルがないなりにプロフェッショナルとして最大限の努力をしてください。時間をかけて完璧なものを目指すよりも、多少汚くても構わないので、とにかく早く作ることを心がけましょう。
自分の担当分野でプロとして責任をもって仕事に取り組むようにします。プロフェッショナルのチームワークとは、全員が違う分野で価値を発揮することに他ならないです。まず、はいま自分にできることを起点に考えて、チームに貢献できる分野をさがすことが大事です。
この本は、コンサルティングの方でなくても新入社員であったり、今の仕事をより効率的に行いたいと思っているビジネスマンの方にも読める本となっています。とても読みやすい内容となっているので、一度読んでみると参考になると思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?