システム設計までできるITリテラシーの高いマーケティングや営業担当者を育成しよう

先日とある大企業で事業部横断のマーケティングをしているマーケターさんとモーニングしてきたのですが、雑談している中で「マーケティングや営業とITをつなぐ人材の必要性」について盛り上がりました。

大きな企業になるほど仕事のサイロ化が進んでいきますので、SFAやCRMなどのマーケティングの基盤となるシステムの管理は情報システム部やIT部門が管轄しているという企業は多いのではないでしょうか。

ただ「システムを保守すること」と「ビジネスにシステムを利用すること」は大きく違います。
情報システムの人が営業やマーケティングの実務を理解できていないため簡単な変更にもやたらに時間がかかる、トンチンカンな仕様になる、まるで提案をしてこないといったビジネスサイドからするとフラストレーションが溜まる状況はよくあります。反対にITリテラシーの高いマーケティング担当者や営業担当者もまだ決して多くはない状況です。

「ビジネスでこういう利用をするために、この指標を定期的にモニタリングする必要があって、そのためにはこのデータをこのように取得する必要があるから、運用はこういうように設計して、こういうようにシステムには実装しよう」とビジネスで利用するというゴールからさかのぼってシステム設計にまで落とし込むことができる人材はまだまだ希少であるというのが実情でしょう。
ましてや部門横断で会社全体の運用からシステムに至るまで、ビジネスアーキテクチャーを設計できるという能力があれば市場から引っ張りダコです。

最近では部門間の連携性を高め、収益プロセスを最大化するためのCRO(Chief Revenue Officer)と呼ばれるポジションが注目を集めていますが、CROにシステム関連まで任せるのはなかなか重荷でしょう。(SaaS Tech系のCROはシステムにも明るい人が多いですが)

CDO(Chief Digital Officer or Chief Data Officer)というポジションも同じく注目されてきていますが、前者は全社のDXを任されているようなイメージですし、後者は個人情報管理が重要になる中で会社資産のデータを守るというようなイメージなのでこれまたどちらも違う気がします。

CROとCDOを合わせたような存在が、これらのデータドリブンな営業・マーケティングには必要になってくるのではないでしょうか。
ビジネス・アーキテクト(BA)という名前がありますが、CXOにならないので、名前を付けるとしたら何でしょうね?

このようなビジネスとテクノロジーをつなぐことができる人材を育成していくためには、営業やマーケティングを経て情報システムに進む人材を育成するか、営業やマーケティング担当者のITリテラシーを高めるかのどちらかでしょう。
情シスから移籍したマーケターの方も知っていますが、情シスとマーケティングってやはり素質や本人の進路希望も違いますし、どちらかといえば後者のマーケターのITリテラシーを高める方に投資することの方が個人的には良いように思います。
デジタルマーケティングを主戦場にしてきた者にとっては「いまどき営業やマーケティング担当者もITリテラシーは必要!」の一言に尽きますので。

業界は違えど、いろいろな会社のマーケターの方と話していると様々な気づきが毎回あります。
引き続き、いろんな方とお話させていただきながら、インプットしたものをアウトプットしていく所存です。

それではまた!

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