トレーダー用ダウ理論

ダウ理論とは

今は21世紀ですが、19世紀に作られた理論がこのダウ理論になります。考案者はダウ平均株価でお馴染みのダウさんです。
このダウ理論がテクニカル分析の前提の1つになります。
この前提を信じないのであれば、テクニカル分析をしても自分の分析結果を信じぬくことはできないでしょう。
ダウ理論は6つの柱で出来ていますが、トレーダーに必要な点を4つだけ抜粋します。4つ目は参考程度です。

1.価格はすべてを織り込んでいる

人々は、様々な情報から「買い」なのか「売り」なのか、いくらなら適正なのかといった、需要と供給を生み出します。
そもそも、価格というものは世界中の様々な情報が複雑に絡み合って形成しているものです。
たった1つの「〇〇だから」という理由で価格は決まりません。つまり、理由を探す意味はありません。何故なら本当にその理由が影響した結果なのか分からないし、他に理由がないのかも分からないからです。
これは、株でも為替でも仮想通貨でも同様です。
誰かが買い、誰かが売るから、取引が成立し、価格が決定されます。
ここにあるのは人々の需要と供給で、人々の買いたいという気持ちと売りたいという気持ちなのです。
何が人々の気持ちをそうさせるかは、重要ではありません。
この需要と供給を予測する方法がテクニカル分析になります。
価格は全ての情報を織り込んでいるからこそ、テクニカル分析が有効なのです。
逆に、世界中の人が予想もできないことが起こると、その出来事を価格がまだ織り込んでいなければ、急激な織り込みが進みます。
決算発表の翌日に株価が窓を空けたり、予想外のCPIが発表されたとき為替の動きなどです。

2.出来高でトレンドを確認する

出来高は、トレンドの方向に沿って増加します。
上昇相場なら、株価が上がって、出来高は増加していきます。
下落相場なら、株価が下がって、出来高は増加していきます。
ローソク足数十本くらいの距離で見て、出来高にもトレンドラインを引き、概ね増加しているのであれば、今の方向がメジャートレンドかもしれません。

3.トレンドは明確な反転シグナルが出るまで継続すると仮定する

形成されたトレンドは、反転する確率よりも持続する確率の方が高く、つまり反転シグナルが出るまでは継続すると仮定すべきです。
これを承知していない人は、「上がりすぎたから利確する」「安すぎるから買う」といった、感覚トレードを行っています(それで通算勝っているなら問題ありませんが、負けているなら止めるべきです)。
また、利確も、順張りであれば、トレンドの反転シグナルが出たタイミングが利確時です。買っているなら、下がってから利確になります。
天井を取りたいという欲望から、中途半端なところで利確していると、その後に上昇し、いつまで損小利大を目指せません。

4.トレンドの3つの局面(参考)

①アキュミュレーション

最も優秀な投資家が情報に基づいて買い集めをしている局面です。機関投資家が買っている時だと思っていただければよいと思います。機関投資家は、我々とは異なった情報源を持っており、一般人では不可能なファンダメンタルズ分析が可能です。
コンテナ船の運賃を毎日海外の港から仕入れるなんて、一般人では不可能です。
人工衛星の映像から、ある工場のトラックの出入り数をカウントするなんて、一般人では不可能です。

②パティシペーション局面

トレンドフォローをするテクニカルトレーダーが参加し始める局面です。
すなわち、長めの時間軸でテクニカル分析をしているトレーダーが、アキュミュレーションを察知して、参加してきます。
長期投資をしている方はここを目指すべきです。

③ディストリビューション

ニュース等が強気になり、経済統計が改善して、一般投資家の参加が増える局面です。
アキュミュレーションで買い集めていた優秀な投資家が売り始めます。
勝てない投資家がこれを買うわけです。もう買い手は残されていないので、価格は上がりません。

まとめ

ダウ理論は基本中の基本となりますが、私の考え方も含めて、トレードに役立つものに絞って御紹介しました。
これに反するトレードは絶対に禁止とは言いませんが、何故反するのかをよく考え、合理的か?、反した結果通算で勝ってきたのか?、という点を踏まえて、感覚トレードから脱出しましょう。


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