【手法公開】ポジションサイジング

はじめに

ポジションサイジングのことがあまり知られていないため、解説します。
「資金管理」と同じような意味合いで使われているかもしれません。
私が言うポジションサイジングとは、個々のトレードにおいてどれくらいの量を買うか・売るかを決めることです。
量の最小は各マーケットの最低数量(株であれば通常100株)になり、最大は軍資金全額です。
この最小〜最大までのうち、どれくらいにするかをしっかり考えなければ、素晴らしい分析力をもっていても、確実に破産します。
トレードで成功するには、ポジションサイジングは必要不可欠です。

トレードに唯一の正解はありません。しかし、複数の誤りはあります。
ポジションサイジングも同じことで、いくつかの手法が考えられ、また、避けるべき誤りがあります。
まずは誤ったポジションサイジングを避けましょう。
なお、この記事では、ポジションサイジングに説明を特化するため、勝ちトレードと負けトレードの割合は50%ずつと仮定します。

誤ったポジションサイジング

1.軍資金全額投入

まずは分かりやすい例を示します。
軍資金が100万円しかないのに、1トレードに100万円を投入してはいけません。
初心者のうちは、早く稼ぎたいがために、軍資金全額、つまり「買えるだけ買う」ということをしがちです。
しかし、トレードに損切りは付きものです。何事も損切りを前提に考えなければいけません。

少し脱線して、数学的な説明をします。
軍資金全額、つまり100万円を投入した場合、-10%で損切りをすると90万円になります。
次のトレードで+10%稼いだとしても、90万円は99万円にしかなりません。
トレードの資金は「率・割合(パーセント)」で変動するため、同じ大きさの率でプラスとマイナスを繰り返すと、逓減していきます。
試しに×1.1(=+10%)と×0.9(=-10%)を、特定の数値に繰り返してかけてみてください。それぞれを同じ回数かければ、元の数値から減ります。掛け算なので、当然順番は関係ありません。
そしてこれを繰り返すほどに小さくなっていきます。
この数学的事実を知らない人が多いからこそ、トレードから脱落する人が多いのです。

仮に軍資金の50%、つまり50万円でトレードした場合、-10%の損切りで45万円になります。
残りの軍資金から5万円を補充して、次のトレードでは再度50万円でトライできます。
このトレードで+10%になれば、55万円となり、軍資金総額は100万円になります。
軍資金全額を投入することは、誤りだと理解していただけたのではないでしょうか。

また、単純に、他にもっと素晴らしいチャート(エントリーしたいチャート)を見つけたとき、全額投入していては諦めるか、今のポジションを切るしかありません。
切るにしても、今のポジションには何らかのエントリー根拠があるはずで、損切りor利確ラインでもないのにイグジットすると、手数料分確実に損をします。コロコロと目移りしては勝てません。

2.最小単位購入

それならば、一度のトレードの投入資金を最小にすればよいではないか、と思うかもしれません。
しかし、今度は資金効率が悪いです。トレードで稼ぐまでに無駄に時間がかかりすぎます。
※時間がかかるのは当然ですが、無駄な遠回りです。
エッジのあるチャートというのはそんなに頻繁に現れるものではありません。

さらに、最小単位というのは、株であれば株価によって異なります。
株価3000円100株=30万円の株で-10%の損切りをした後に、株価800円100株=8万円の株で+20%の利益を得ても、トータルで-1.4万円です。
ただでさえ不確実なトレードに、この手法を組み合わせると、ギャンブル要素が高いです。

3.軍資金の25%買う

1トレードあたり軍資金の25%程度になるようにし、総保有は、4種類の対象にするものです。
リスク分散の観点からは、上記1・2の手法よりマシだと思います。
しかし、1トレード当たりの損失額は各トレードで異なるため、軍資金の推移が安定しません。
ブレーキのない緊急停車機能だけが搭載された電車のようなものです。

私の手法

冒頭のとおり、唯一の正解はないと思いますが、私の手法を公開します。
まず次の2点を計算します。

ここから先は

1,474字

レッドレーベル

¥880 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?