📗【文書版】✅レバノンでのポケベル爆破事件についても少し語ります。📗礼拝メッセージ『愛する子よ、元気を出しなさい』　2024年9月22日

📗昨日の礼拝メッセージのテキスト版もここに掲載いたします⬇️
✅レバノンでのポケベル爆破事件についても少し語ります。
📗礼拝メッセージ『愛する子よ、元気を出しなさい』　2024年9月22日

新約聖書　マタイの福音書第9章1～8節

1イエスは舟に乗って湖を渡り、自分の町に帰られた。
2すると見よ。人々が中風の人を床に寝かせたまま、みもとに運んで来た。イエスは彼らの信仰を見て、中風の人に「子よ、しっかりしなさい。あなたの罪は赦された」と言われた。
3すると、律法学者たちが何人かそこにいて、心の中で「この人は神を冒瀆している」と言った。
4イエスは彼らの思いを知って言われた。「なぜ心の中で悪いことを考えているのか。
5『あなたの罪は赦された』と言うのと、『起きて歩け』と言うのと、どちらが易しいか。
6しかし、人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを、あなたがたが知るために──。」そう言って、それから中風の人に「起きて寝床を担ぎ、家に帰りなさい」と言われた。
7すると彼は起き上がり、家に帰った。
8群衆はそれを見て恐ろしくなり、このような権威を人にお与えになった神をあがめた。

　主の恵みと平安が皆さんの上に豊かにありますように。この日も皆さんとご一緒に主の日の礼拝にあずかれますことを心から感謝いたします。

　皆さん、お元気でしょうか？と言ったら、突然どうしたんですか？と思われるかもしれませんけれども、私はですね、ここ数か月、元気をどこか無くしている部分があったと思うんですね。ひどいことがいっぱい起こるからですね。
　最近は、つい先日、石川県能登では、線状降水帯のせいだそうですが、12の河川が氾濫して大変なことになっている。これまでの震災への対応に比べても驚くほど無策な、もっと言えば復興の邪魔をしている面もあるような政府の対応がありますね。さらに台風まで能登の方に行くかもしれない。
　そういうこともありますけれども、この前はレバノンで大事件がありました。ポケベルやトランシーバーのような通信機器が爆破されるという事件があったんですね。
　それで約3400人もの人が負傷、37名が死亡、死者の中には子ども、医師、その他民間人がいる、ということですね。ヒズボラの工作員を狙ったものと報道されていますが、ほとんどの爆発は民間地域で起こったそうですね。
　その爆発したポケベルを製造したとされるハンガリー企業は、イスラエルのフロント企業だったと、ニューヨークタイムズが報じているんです。
　まぁニューヨークタイムズと言ったら、親イスラエルの報道機関ですから、イスラエル寄りのイスラエルをかばう報道をしがちなメディアなんですけれども、そのメディアでさえも、イスラエルのフロント企業だと言っているということは、―イスラエルは否定も肯定もしていないものの―イスラエルの関与は、間違いないだろうと思います。
　葬儀の中ででも爆発が起こったということで、本当に痛ましいことなんですけれども、さらにイスラエルはレバノンに一昨日空爆していますね。
　もう本当に見境がなくなっていると思うんですけれども、私たちクリスチャンはですね、あるバイアスー偏りーがある、ということに自覚しておくことが大事だと思うんですね。それは、聖書に「イスラエル」という単語が、頻繁に出て来るからです。その「イスラエル」と同じ名前の国家が、20世紀なかばに、あの聖書ゆかりの地に建国されたと聞けば、よく検証することをしないで、それは奇跡的なことか、素晴らしいことか、何らかの神様の意志が働いていることなんじゃないかと思いたくなる気持ちが起こるということなんですね。
　そういう気持ちを無意識にでも持っている状態でですね、現在のイスラエルの国家と、終末やイエス様の再臨とが、さも関係あるかのような言説がクリスチャンの中でもささやかれますとですね、―まぁその解釈は聖書解釈学上の大きな穴がある解釈なんですけれども、それでも―何だかそうなのかな、というふうに引っ張られてしまいそうになるかも知れないんですけれども、よくよく近現代史などを調べて行くと、聖書のイスラエルと、現代の国家としてのイスラエルは、宗教的にも、血統的にも、全く繋がりが無い。関係がないものだということが、よく分かって来るんですね。
　そういうわけで、クリスチャンには、濃淡はありますけれども、イスラエルという国に親しみを覚えて、イスラエルを「そんな酷いことをしているはずがないだろう」と無意識下で、かばいたくなる気持ちがあるかもしれないんですけれども―かくいう私も以前は少しありました―でもそういうバイアスがあることを自覚してですね、意識化して、それを外してできるだけフラットに冷静に見る、そうすると聖書が繰り返し言う、公正、とか、公平、ということに近づけると思います。
　しかし、世界は、だんだんだんだん酷くなっているようで、私もこの三年間で鬱から回復はしたんですけれども、また何か軽く再発しそうな気さえしてですね、まぁ元気は無くなるわけです。
　
　それでどうして、元気が無くなるとか、そういう話をしたかと申しますと、今日のイエス様のみことばが、この元気を無くしてしまう私たちに、光を与えてくれるからです。

　今日のイエス様のみことばを、そのまま素直にアシュラム方式で、自分に語られた神さまからのことばとして聴きました時に、「子よ、しっかりしなさい」ということばが一番響いて来たんですね。
　それで、メッセージの準備の時に、この新改訳2017だけではなくて、別の翻訳でもみことばを読みます。そこで、もっと心に響いた翻訳は、新共同訳なんですね。新共同訳では、「子よ、元気を出しなさい」となっているんです。
　この翻訳の方が、素朴に、心に訴えて来ますね。神さまが、私たちに、元気を出すように語りかけられている。あなたは元気を出すことができるんだ。という神さまからの呼びかけですね。
　まぁそういう国内のことや世界情勢のことではないかもしれないんですけれども何か元気を無くす、押しつぶされそうになる　その重い心をみことばの前に運んできている方もいらっしゃると思います。
　この「しっかりしなさい」「元気を出しなさい」と訳されていることばは、確信を持ちなさい、勇気を出しなさい、そういうニュアンスもあることばで、その意味を丁寧に訳出すれば「人生はあなたにとって不確かなものではない。しっかりとした地盤があるのだということをはっきいりわきまえたらよい」という意味のことばだそうです。
　
　それでそのことばがどういう文脈でどういう場面で語られたかというと、あの異邦人の土地、ガダラ人の地での悪霊追い出しの件ですね。豚がドドドドドーって海になだれをうっておぼれ死んだという、あのたった二人の人を癒すために、イエス様は命がけとも言えそうな嵐の海を弟子たちと一緒に舟に乗って渡られた、そして舟でご自分の町、つまり滞在されていたカペナウムのことですね。そこへまた戻って来られたわけです。
　そのカペナウムの町に中風の人、というのが登場します。中風ということばは、私の生まれ育った春野町の仁ノという地域では、私が幼稚園か小学校の頃からよく聞いたことばでしたね。それはそこがとても田舎だったからなのかもしれません。私にとっては耳馴染みのあることばなんですが、今では聖書以外でなかなか聞くことのない言葉になっているそうですね。中風とは、脳出血などによって、手足がマヒして動かなくなってしまう病気ですね。
その中風の人を人々が床(とこ)に、―床(とこ)というのはタンカのような簡易ベッドくらいに考えていただいていいんですけれども―それに友人か家族が中風の人を乗せてイエス様のもとに運んでくるわけです。
　そこで、皆さんもしかしたら、頭の中に映像か絵が浮かんでいるかもしれません。それはおそらく、イエス様がおられた家の中は群衆でいっぱいになっていて、タンカに載せて運び入れようにも隙間もないくらいになっている。そこで一計を案じた4人の人が、屋根に登ります。そして当時は簡単に剥がせる作りになっていた屋根を、バリバリバリ！っと剥がして、パラパラパラっとその屋根のクズが落ちて来る。なんだなんだと人々が天上を見上げてみれば、屋根から四隅を四人の人がそれぞれ持って、イエス様のところにすうっと降ろしてくる。そういうシーンを思い浮かべていらっしゃるかもしれません。
　まぁ教会学校の紙芝居なんかでもそういうのがよくありますけれども、そういうシーンは、マタイの福音書には書いていないんですね。そういうシーンは、マルコの福音書やルカの福音書に書いてあります。
　そうするとどういうことになるでしょうか？だいたいこういう劇的なできごとというのは、新聞記者なら、絶対に省かずに書き記すはずです。マタイという人は、それを省くなんて、マタイは話の面白さが分からんやつだ、ということではもちろんなくて、興味を引くような描写を、わざわざ省略してあるということは、そこに注目してほしくないと、マタイが強調したいことは、別のところにある、ということですね。
　それでマルコもルカも書いていなくて、マタイだけが書いているのが、「しっかりしなさい」「元気を出しなさい」というイエス様のことばなんですね。このことばを、読者よ、あなたに今生ける神さまが、生けるイエス様が、語りかけておられるのだ、ということですね。

元気を失うことの多い私たちです。その私たちに、「子よ、わが子よ、元気を出しなさい。あなたは元気になれるんだ。なぜかというと、あなたの罪はゆるされたからだ。」
そうイエス様は言ってくださっているのです。
　
　ここで私たちは、もしかしたら「アレっ？」と思う場合があるかもしれません。元気を出すために、罪のゆるしが必要なんだろうか？むしろかえって、ライブ・コンサート、スポーツ、旅行、グルメ、その他盛り上がるイベント、他にも色々あるように思えますが、一見その方が元気が出るような気さえするかもしれません。けれども、そういう激しい元気の出方をするものを聖書が勧めていないことは、皆さんご存じのことだと思います。そしてそういった類のものは、―私が東京なんかで体験したことですけれども―確かに楽しいけれども、それはカンフル剤を打つような楽しさであって、内側の中心は満たされずに、かえってその楽しいイベントが終わると、寂しさと虚しさが増幅されてかえって押し寄せてくるようなものであるのではないでしょうか。
　そして罪のゆるし、私のような元気の無くしかたをしている方もいらっしゃるかもしれません。それは世界情勢や日本の惨状を見て失望してがっくりしている場合もあるかもしれませんし、仕事や家庭や人間関係や子育てや、あるいは経済的困窮や、あるいは体の麻痺でなくても何らかの健康状態の悪化、その他色んなことで、失望落胆して、元気を無くしている場合もあるのかもしれません。
　そうすると、いや？この元気を無くしているのに、私の罪は関係ないんじゃないんですか？と思ってしまうかもしれません。
　けれども、あなたの罪はゆるされたんだ、と主は今お語りになります。それは一つは、先進国の生活をしているだけで、―日本の防衛省はイスラエル製の自爆ドローンを購入すると言っていますけれども、そういった―資本や税金の流れなどでどこかで加担しているんだ、そういうことを止められていない、ということ、そういうことで、敏感な人は罪意識に心痛むというのがありますけれども、でもそれが簡単にゆるされてしまうという安易なことではいけない、というのもあるかもしれません。なぜなら上の方で悪が行なわれていても見て見ぬふりをすることにつながるかもしれないからですね。
　でもここで言われている罪というのは、そういうことも含まれるけれども、本質的には少し違うんではないかということですね。この罪とは、的はずれ、神である方から的が外れている。この愛の根源である神さまとの距離が離れているので、さみしくて、不安で、恐れていて、内側が満たされなくて、元気が無くなっている。そういう状態のことだということですね。
　だからこの中風の人が、隠れた罪があったとか、それを現代に適用して、体の病にせよ心の病にせよ病気は罪の結果だから、あなたは罪の悔い改めが必要だ、そうすれば癒される、などと人に対して言うことは間違いであって、体が病気であろうがなかろうが、そういう神さまとの距離の離れ、から来る、心の落ち込み、元気のなさ、しっかりしていない状態、そういうものを、根本のところからイエス様は癒してくださるのです。

ある牧師先生が、今日のみことばをめぐって、こういう内容のことを語って下さっていました。

【私が神学校を卒業して、すぐに赴任した教会に、それこそ中風というべき教会員の方がおられました。
私が赴任する少し前に、脳梗塞になり、からだが不自由になりました。最初に会った頃は、私のような者が訪ねて行っても、力をふりしぼって起き出して、正座をして、私の語ることばに耳を傾けてくださいました。
けれどもやがてそういうこともできなくなり、最後は5年間寝たきりになりました。
独身の息子さんと二人暮らしで、その息子さんというのは会社の役員のようなことをなさっていましたから、ほとんど一日中、一人で寝ておられました。
訪ねるたびに死にたいと、言われました。
「先生、早く殺してください」と、泣きそうな顔で言われた時に、返すことばがなくて黙り込んでしまった。
当時27歳の私は、はたから見ても大変たよりない伝道者であったと思います。「いや、お前なんか言えよ」と15年前の自分に言ってやりたい思いがいたします。
けれどもこの人と同じ病気の人が、聖書の中に出て来ることに気付きました。子どもの頃から　覚えてしまった中風という病気が、こういうことなのかということを　改めて知りました。
子よ、元気を出しなさいと主イエスが言われたのは、この人のためでもあったのだと思いました。
それで私は、もう一度本気になって、この人に語るべきことばを語ろうと決めました。
教会の仲間と一緒に　この人を訪ねて　この聖書の記事を説教しました。
「子よ、元気を出しなさい。」そんなこと言ってあげたくても、とても言えないようなことばを、ようやく、口にすることができました。「子よ」
そのひとことを読んだ時に、【この、わが子よという、主イエスのことばが、それ自体ですでに、罪のゆるしの福音そのものであることに気付きました。】
あなたは、わたしの子だ。
聖書の語る罪とは、あれやこれやの悪いことをすることではありません。根本的に神から断ち切られているということです。そのことに私どもはなかなか気づきません。
病気になったら「神よこの病気を治してくださいと必死に祈るでしょう。病気が治らなかったら、死にたい死にたいと言うこともあるでしょう。
けれどもそのような病気がもしも奇跡的に治った時に、まぁ今のところは、何の悩みもないし、信仰とか教会とか、今の所、用はないかな、とうそぶくこともあるのです。
それは誤解を恐れず申しますが、私共が、根本的に神から断ち切られた罪人である、ひとつのしるしなのだと思います。
けれども大事なことはそのような私共に　神の方から、手をさしのべてくださる、ことばをかけてくださるということです。
「子よ、元気を出しなさい。あなたはわたしの子だ、わたしはあなたを離したくないんだ。」
それが、あなたの罪はゆるされるという主イエスのことばの意味です。その神の圧倒的な思いがあふれて、主イエスはここで中風の人を癒してくださったし、同じ神の思いがあふれ出て、【今この教会もこのように存在しているのです。】
あなたの罪はゆるされる、けれどもその前に条件がある、悔い改めなさい、反省しなさいという話ではないことは、この聖書の記事を読めば誰だって分かることです。無条件にゆるされたのです、なぜかというと、他になんの理由もない。神がこの人を、ご自分の子となさりたかったからです。その神の願い以外になんの理由もありません。
ルカによる福音書第15章の伝える、放蕩息子のたとえ話を読んだことがあるならば、その情景を思い起こしてもいいと思います。とぼとぼと歩いて帰ってくる、弟息子を無条件でゆるし、その息子を、ご自分の子と呼んでくださいました。
【子よ、元気を出しなさい　あなたの罪はゆるされる、そのような神の思いを
もう一度申します。私ども教会にもゆだねてくださったのです。】

　ここで、あなたの罪はゆるされる、そのような神の思いを【教会にゆだねてくださった】とその牧師先生は語っておられましたけれども、なぜかというとその理由は、今日の8節の、群衆がこの中風の人の癒しの奇跡を目にした時のみことばにあるのです。

8群衆はそれを見て恐ろしくなり、このような権威を人にお与えになった神をあがめた。
　
　となっています。このような権威を神が人にお与えになった。この人というのは誰でしょうか？まず初めにすぐ思うのは、人となられた神イエス・キリストですね。
　このイエス様に与えられた、罪をゆるす権威はどこに根拠があるのでしょうか？それは十字架です。やがてイエス様が、自らの命を十字架で投げ打たれる。私たちの罪を負ってくださって。その十字架のゆえに、父なる神が与えてくださった権威です。
　
　これが一つのことであって、確かなことです。
　けれどもここでもう注目すべきことが一つありまして、この「人」っていうことばが複数形なんですよね(新改訳では欄外註に「あるいは人々」と書いてある)。
　そしてそもそもこの8節の「このような権威を人にお与えになった」ということばが出て来るのはマタイの福音書だけなんですね。マルコとルカは別の書き方をしています。
　ということはここにマタイが集中して語りたいことがあって、それは、この権威は、イエス様だけに与えられたものではない、とマタイは言いたいわけですね。
　それはたとえば同じマタイの第10章1節ではこう語られています。

1イエスは十二弟子を呼んで、汚れた霊どもを制する権威をお授けになった。霊どもを追い出し、あらゆる病気、あらゆるわずらいを癒すためであった。

　こういうふうに12弟子に権威が与えられて町々村々に遣わされるんですね。これが教会の姿なんです。12弟子の12というのはイスラエル12部族になぞらえていまして、それが新しいイスラエルである教会、という意味になるわけですね。
　そういうわけで、この第9章8節でも、その弟子の群れである教会に罪をゆるしを宣言する権威をお与えになった、マタイはそうやって、教会の姿をここにも記すのです。
　
　まだ新型コロナが出て来ていない頃の話ですが、カトリックの晴佐久昌英神父様がですね、病院をよく訪ねていらっしゃったんでしょうけれども、そこである病人の方に、罪のゆるしの宣言をした、と。そして説教の中で問いかけるんですね。「でもこれって、神父だけの仕事でしょうか？」って。
　「信徒にも罪のゆるしを宣言する権威が与えられているんですよ」って言うんです。これ意外に思われるかもしれませんけれども、神学的に正しいことだと思います。散らされた教会、という言葉があって、日曜日に礼拝で弟子たちの群れである教会は集まっている。祝祷という祝福と派遣を受けたら、祝福を携えてこの世界に派遣されるんですね。イエス様の権威をいただいて派遣されるわけですから、罪責感に苦しんでいる人に「あなたの罪はゆるされました」って宣言していいんです。恐れ多いと思われるかもしれませんし、言われた相手の方は、いぶかるかもしれません。「あなたがなんでそんなこと言えるんですか？」「あなたはそんなことが言えるくらい偉いんですか？」「何の根拠があってそんなこと言っているんですか？」色んな質問が来るかもしれませんけれども、「私は偉いわけでもなんでもないです。私は何にもしていないんです。根拠は十字架です。イエス様が十字架にかかって身代わりの罰を受けてくださったから、あなたはゆるされたんですよ」こういうふうに語ることばが、あるいは、罪とかゆるしとかあえて言わずに、「あなたも神様の愛する子なんですよ。元気出して」こういうふうに言うのが、すでに福音の宣言であるということ、そこに今日私たちは目が開かれたわけですけれども、そういうことばが、クリスチャン一人一人に、ゆだねられている、託されている、任されている、ということですね。
　もし、それでも、言葉で語ることばが難しいならば、公にはっきりみことばが、罪の赦しと永遠のいのちの福音のことばが、語られる礼拝にお連れすればいい。そうやって愛する人を運んできたように、愛する人をイエス様のもとに運んでくる、そういう教会の姿が、ここに描かれているのです。

お祈りいたします。
恵みとあわれみに富みたもう、私たちの主イエス・キリストの父なる御神
あなた様は、「子よ、元気を出しなさい。あなたの罪はゆるされた」と、あなたのおんひとり子主イエス・キリストを通して、お語りくださいました。私たちはそのことばによって、本当に、元気を出すことができます。内から無理して絞り出すのでもなく、何か楽しいことをして元気になるのでもなくて、あなたからの距離という、根源的な罪がゆるされて、「愛する子よ」と呼ばれていること自体が、すでにゆるしのことばであるということに気付かせてくださいました。このゆるされてほっとする、そのような確かな慰めとそこから来る平和を、届けるために、私たちを祝福して世に遣わしてください。主イエス・キリストの御名によって祈り願います。アーメン。