電話が嫌いな本当の理由とその対処法

最近、携帯電話を解約しました。

携帯電話があるのが当たり前の時代に育ったわたしたちの世代。
中学生になると、クラスの半分はケータイを持っていました。

そんな周りの流れと一緒に、わたしも中学生になり、
親を説得し、ケータイをゲット。
学生時代は、メールを1日に何十通も送る生活を楽しんでいました。

それから14年、計6台のケータイと一緒に育ってきましたが、
この春、一端、ケータイを卒業することにしました。

電話を携帯している。
いつでも電話がかかってくる。
その状況が、わたしにストレスを与えていることに気がついたからです。

ケータイを手放したいま、こころの重荷がひとつとれて、
気分も晴れやかになりました。

ケータイを持つことが当たり前だと思っていました。
ケータイがあるのが当たり前の社会だと思っていました。
でもほんの30年前、ケータイなんてなくても平気な世の中でした。
だったら、手放しても生活していけるはず。
それなりの処置を考えれば、大きな問題はないはず。
そう思って今、ケータイしない生活にチャレンジしています。

そもそも、こどもの頃から電話が怖かったんだ。

よくよく思い出してみれば、
電話はこどもの頃から得意ではありませんでした。
ケータイもそんなに普及はしていなくて、
まだまだ家の電話がメインだった頃。
家族の誰宛に、誰から電話がかかってくるのか、わからなかった頃。

ひとりでお留守番するとき。
お母さんが家事で手を離せないとき。
わたしがいつも願っていたことがあります。

「どうか、電話がかかってきませんように!」

無事に電話がないと、すごくホッとしたし、
電話が鳴っちゃうと、すごく緊張しました。

電話のベルがなり始める時の、一瞬の間。
「あ!くる!」となぜか敏感に感じては、心臓がバクバクするのです。

お留守番をしているときに電話がかかってきて、居留守をつかったり、
「なんで出らんかったと?」と聞かれて、
「トイレに行っとった。」と嘘をついてみたり。
なんとか電話にでなくて済むように、と試行錯誤する日々はつづき。

おとなになって、さて、どうしたものか。と考える中で、
原因と対策がすこしだけ見えてきました。

あれ、ハンズフリーなら、だいじょうぶだ...!

そのひとつが、ハンズフリーです。

iPhoneを使うようになってから、たまに使うようになった
“ハンズフリー機能”
内蔵のスピーカーとマイクで、手を使うことなく電話できる機能です。

ハンズフリーという名前の通り、
車の運転などの作業をしていて、手を使えないときに、
“手”なしでつかえる機能として一般的だと思います。

が、わたしにとってこの機能は、
“耳に当てなくていい”
という画期的な機能だということに気がついたのです。

そうです。
電話が怖かった理由のひとつは、
“耳もとで電子音をきく”ということにありました。
“片耳だけから音が聞こえる”という状況に対する気持ち悪さと一緒に。

普段の生活の中で、
ひとから“耳元”で話されることはそうそうありません。
“片耳”だけで処理しなければいけない音もそうそうありません。
しかも相手は、苦手な電子音です。
不快じゃないはずがなかったのです。

ハンズフリー機能をつかうと、
電話のスピーカーから適度な距離で、両耳で、音を聞くことができます。
このことによって、電話の不快感が激減し、
電話に対する緊張感がずいぶん緩まったように思います。

ビデオ電話なら、会話が成立するじゃん!

そして、もうひとつがビデオ電話。
skypeが普及しだしてしばらくたちますが、skypeを利用することが増えるようになって、電話に対するひとつの恐怖心が減りました。

それは「沈黙しちゃいけない」という脅迫概念です。

会話とは、「言葉のキャッチボール」だと言われています。
つまり相互のやりとりによって成立するものです。
これが、聴覚での情報処理が不得意なわたしたちアスパーガールにとって、「耳だけの情報」に頼らざるを得ない電話は、とても不安なものでした。

・相手の言っていること
・声色の表す意図(だいたいの営業声はつくられた声色で怖い)
・情報の優先順位
が、なかなかつかめないのです。

しかも電話では、「間」が嫌われるため、「早く」答えを出すことが求められます。切迫した気分になって、さらにパニックに陥ります。
アスパーガールがパニックになることは、よくメルトダウンすると言われますが、わたしの場合「思考停止」状態に近いものになります。
なにをどう処理すればいいのかわからなくなって、言葉がでなくなるのです。
電話だとこれがますます緊張感を増長します。

電話にでる。

音だけの情報なので、相手の言っていることがうまく理解できない。

パニックになる。

どうしたんですか?と聞かれる。

更にパニックになる。

メルトダウン(思考停止)して言葉がでなくなる。

会話不成立...。

この怖さがビデオ電話だと解消されるのです。

電話にでる。

相手の顔が見えるので、相手の言っていることが比較的理解しやすい。
両耳で離れた距離で音を聞くことができるので、耳のストレスも少ない。

パニックにならない。

考え込んで、沈黙しても、その表情が相手にも伝わるので待ってくれる。

パニックにならない。

会話が成立する...!

Skypeさまさまです。

「会って話す」に近い環境をつくれば◎だった!

ベルさんが電話を特許発明して、140年あまり。
遠くにいる人とも即時に連絡がとれるコミュニケーションツールとして発展してきました。

そして21世紀になって、ビデオ電話も普及して、
遠くにいる人とも即座に「会っているかのように」話ができる世界になりました。

おかげで、アスパーガールの電話に対する恐怖心だったり苦手意識はずいぶん軽くなっているように感じます。

苦手なコミュニケーションツールは、だれにでもあると思います。
ストレスを抱え込むのなら、無理に苦手なコミュニケーションツールを使わなくても理解しあえる環境になればいいなあと。

わたし、電話苦手なんで、メールください。とか、
わたし、メール苦手なんで、電話でいいですか?とか、
わたし、LINEのタイムライン追えないんで、パソコンにメールしてください。とか。

それぞれが、「出来ること」「苦手なこと」を表明しやすい社会になって、
それを譲歩しあえる社会になれればいいなあと思います。

だって、目が不自由なひとにはメールしないで電話するし、
耳が不自由なひとには電話しないで、メールするもん。

同じにしちゃいけないのかもしれないけれど、程度の差はあれ、おなじことだと思うんです。感覚は、くっきりじゃなくて、グラデーションだもの。

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1989年生まれ女子。25歳でアスペルガーの診断をうける。「女の子のアスペルガー」の笑いと涙のエッセイ集。