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ファストクリエイティブとはなんぞや

6月になった。

緊急事態宣言は解除され、外に出れば人がいる。当たり前なんだけど、当たり前じゃない。どっちが本当の姿なのか、どっちが正しい形なのか、もう分からない。

5月は実は忙しかった。バイトもしていたし(地味に繁忙期だった)、休みの日にはオンラインドラマの制作に時間を費やしていた。そして1ヶ月で3本完成させた。

どうぞご覧ください。

第一弾「オンライン宗教」

第二弾「オンライン同窓会」

第三弾「オンライン会議」


第一弾、第二弾の制作過程については、過去のnoteに記してある。

とにかくこのオンラインドラマ制作にあたって、一番重要視していたのは

ファストクリエイティブ

である。

よーいドンから完成まで、どれだけスピーディに持って行けるか。第一弾は10日。そして第二弾も10日。自分でいうものなんだが、そこそこ早いと思う。

まず脚本。この企画に沿ったプロットを10個ほど考えた。次にキャスティング。顔見知りの役者、芸人、タレントから役柄に合う面々をピックアップし、事務所のマネージャー(プロデューサー)にオファーをしてもらう。声をかけたメンバーはほぼ快諾してくれた。脚本とキャスティングは当て書きの要素が強いので同時進行に近く、キャストが決まればプロットを膨らませ、正式な台本にした。

本番3日前くらいにキャストに台本を渡し、打ち合わせと撮影日の調整をする。打ち合わせはZoomの動作確認が主で、撮影の流れの説明、物語のニュアンスを伝えるだけで30分ほどで終了した。

そして撮影日。いきなり本番。全体撮影は2~3回。その後メインキャストが抜きのシーンを追加で数回撮影し、オールアップまで所要時間は約2時間。(第二弾は回線の問題があり2日かかったけど)

そこから編集。自分で書いて撮影しているので、どこが使えるのか把握できているため、手こずることがあまりない。難しいのはどうやってうまく繋ぐか。スピーカービューとギャラリービューをうまく使えば、繋ぎがうまくいくことが判明した。また音声データのみを保存することができると分かったので、声を映像に当てる作業も後半は取り入れた。

編集作業は楽しかった。パソコンに長時間向かうので身体的な疲労はあったが、思いもよらないナイスショットの発見や神がかった繋ぎが出来たときはひとり歓喜していた。完成までの間に別のことをしたくなかったので、撮影後ほぼノンストップで作業し、あらかた仕上げていた。つまり撮影から完成までは1~2日。

ファストクリエイティブが実現した。

その理由としては、

・同じ事務所に所属するタレントを使えることで
    キャスティングとスケジュール調整がスムーズ
・稽古やリハをしないことをオンライン特性として生かす
 →セリフは覚えなくてもカンペを見れるし、編集である程度補填可能)
・脚本~編集までを一人が担当することで意見が割れない

・・・あと、あまり言いたくないけど、完璧を追い求めない

自分の中での充足感や経験値アップの手ごたえがあった。ありはしたが世の中もどんどん動いている。変化していく。

そんな中での、第三弾。

オンラインドラマというものが定着してきて、各放送局やYouTubeでもたくさん制作・放送されるようになった。しかも高クオリティ。さらに、5月下旬から徐々に緊急事態宣言が解除されはじめ、なんとなく焦りというか、「今やらないとダメなやつ!」感が心の中で増殖してきていた。実際、既に書いていた脚本の内容もそうだし、そもそもキャストのスケジュールを合わせるのが難しくなってくる。

ショートストーリーではあるが3本立てにチャレンジした。撮影は1日で行い、それぞれ2時間おきに時間を設定。わたしが出演しない回は、打ち合わせと読み合わせだけ参加し、他のメンバーに撮影を任せる。送ってもらった映像をつなぎ合わせて編集。自分が撮影を確認できていない分「あー、このショットほしかった」という思いは過去作よりもあったが、そこをどう繋げていくかが腕の見せ所。一番編集に時間がかかったが、やりがいも十分だった。

あとは見て下さった方が楽しんで頂けたらいい。

それに尽きる。

それが、ファストでもスローでも。

誰に急かされたわけでもないのに、ファストクリエイティブを念頭に置いてドラマを作った。これだけ時間を意識してなにかを作ったのは、締め切り間近のコンクールに出す脚本を書いた時と、夏休みの終わりにごまかしごまかしで自由研究をやった時くらいである。時間をかければよりよい作品を作ることが出来る、可能性は上がるかもしれない。だが、必ずしもそうとも限らない。やりこんで見せた作品の良さ、ドキュメンタリーに近い生の感じに近い作品の面白さ、それぞれあるからだ。学ぶことが多かった。

今いる環境だから出来る。それはありがたい環境である。出演者のみんなも、マネージャーも、見て下さった方々も。

状況は刻一刻と変わる。

次は何をつくろうか。
今度は”ファスト”じゃない、なにかを”クリエイティブ”する。

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