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毛布#14 『空はついに晴れ渡って』

今週から毛布は週1更新。週1ということで、ちょっと薄手の毛布になります。

※ 水害被害に遭われている方に心からお見舞い申し上げます。記事を書いた後も各地で水位が上昇していたりと心配です。どうかご無事で安全に過ごせますようにと願っています。

“Rainbow”

昨夜、Kacey Musgraves の“Rainbow”という曲の歌詞を和訳し、シンガーソングライターの大和田慧ちゃんのインスタライブでコラボを行った。

観てくださった方、本当にありがとうございました!
生身の人間としてライブなことをするのはまだまだなかなか慣れてなくて、今これを書いている間も若干怯えているけれど、どうだったかな。(生身といいつつ、紙と声の参加だったけど…)

楽しんでいただけていたら嬉しい。

大和田慧ちゃんとは長い付き合いで、これまでも歌詞を共作したり、彼女の“Missing Piece”という曲のMV(通称「犬のビデオ」)を制作したり、プライベートでもよく相談したりという、信頼して心を許せる稀有な友人でもある。

土曜日の夕方に、慧ちゃんがインスタのストーリーで、“Rainbow”を歌う姿をあげていた。
メロディがすごく好きで惹かれて、歌詞を調べてみたらものすごく良くて、彼女に連絡したら、日曜日のインスタライブで歌おうと思っているんだよねと返ってきた。

それだったら、以前、Bill Withers の“Lean on me”をコラボした時のように、また和訳で参加できないかな? と連絡したら、二つ返事で、いいね!と返信。
そこから期日前投票に行って、帰ってきて和訳をして、紙に試作して、練習して、次の日の夜のインスタライブ本番、という流れだった。

4月末の“Lean on me”のコラボの時は、慧ちゃんから、「今の時期この歌がぴったりだから、歌詞があった方がきっと伝わると思うんだよね」ということで誘ってもらった。その時の毛布はこちら↓

今回も同じように、インスタライブ配信のゲスト参加機能を使い、紙に手書きで書いた歌詞の和訳をスマートフォンの外カメラで映すという、デジタルかつ原始的な方法でやってみた。

↓動画アーカイブはこちら↓

https://www.instagram.com/tv/CCQ2Vy-pmpC/?igshid=m63gxtykobeo

(コラボパートは27分くらいからなのだけど、その前も歌詞共作したDoor on the bright side will openも歌ってくれてます。ぜひ全編聴いてみてください!)

「あなたはまだ過去の嵐の中にいる」

何が響いたかというと、この歌詞。

空はついに晴れ渡って
雨も風も止んだのに
あなたはまだ過去の嵐の中にいる
ぎゅっと傘を握りしめたままで

前回の毛布にも書いたのだけど、先週まさに「過去の嵐の中」にいる感じだったから、まるで自分のことのように曲がすごく響いたのだった。

そして、曲を聴いて歌詞を聴きながら、例によって例のごとく、きっとこの曲は私だけじゃなくて、響く人が多いんじゃないかなと思ったのだった。

過去の嵐の中にいるけれど、空はもう晴れ渡っていて、雨も風も止んで、頭上にはずっと虹がかかっている。
その鮮やかさが感じられて好きだし、そういうことはあるなと思う。
国際線の飛行機の中で、窓を締め切った暗い機内でナイトフライトを満喫していたら、窓を開けてみたら完全に外は眩しいくらいの朝や昼になってたりする。

自分一人じゃ気づかなくて、でもこうして誰かが共有してくれるもので気づけたりする。

ほんの少しのきっかけで、生きてる世界は丸ごと変わる。
過去は過去で、今はもう全然違うんだってことを、夢から覚めるみたいに思い出すだけなのだ。

「傘を手放す」こと

私は多分結構感情を大事にしながら生きてて、毛布もどうしてもそんな感じになるけど、一方で結構ドライでもある。
だから、もうとっくに終わっているのなら、生身の人間としては早くそれに気づいて、楽しく穏やかに日々を生きていきたいと普通に思うし、「傘を手放す」ということに感動する。

そして、傘を手放すその過程で割り切れないもの、傘を手放す前に、それでも大事にしていたことが、結晶になって言葉や絵になるのかなとも思う。

アーティストとして生きていると(生きていると!)、喜怒哀楽に失意や過去に囚われていたりすることは、いつかは全部画材のようになって、作品に繋がる。だけど、画材だけでは絵は描けない。筆をふるう人間は生身の人間だから、生身の人間は、泣いたり笑ったり、悲喜こもごもで、引っ越しに追われていたりする(今週引っ越しで、アワアワやっています。)。どんな状態であれ、その日常の中で生きてないと、筆はふるえない。

繊細なのか体当たり型なのかわからないが、どんなタッチでも筆はしっかり握っていられたらと思う。

別にアーティストに限らずとも、そうした感情はやっぱり生きている間しか味わえない美しいものだと思うから、過去の嵐にとらわれていたとしても、それをフルに感じて、その上で雨がもう上がってることに気がついたりして、生身の人間としてまた日々を生きていくのがいいんじゃないかと思う。

「わたしが見ているこの世界」

この曲で、密かに気に入ってるのはこの歌詞。

私が見ているこの世界をあなたも見れたら
その色の多さに目が眩んでしまうでしょう
黄色、赤、オレンジ、緑
そしてあと少なくとも百万の色

めっちゃ多いやんと思ったことと、その一瞬で視界が百万色の世界に広がるような展開の鮮やかさが好きだ。

そして、確かに今、自分にも世界はそんな風に鮮やかに見えているなと思い至った。それは良いことだと思い、思いがけずなんだか幸せな気持ちになった。

誰にでも、特に誰にも言ったりしないけど、実はその人の目には、色鮮やかに世界が見えている部分があると思うと、なんだか安心する。

「幸せ」とはそういうものなのじゃないかと思う。
誰を呼ぶわけでもない庭に、花や草が茂って咲いているようなこと。
どんな状態であれ、その人に見えている世界に色があってほしい、と願うし、身近な人たちや出会った人たちを見て、この人の目には今世界はどんな風にみえているんだろう、ということをずっと思いながら生きていけたら素敵だなと思う。

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\お知らせ/(前回更新から間もないので、今週も載せています)

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以前よりお店にいきたいと思っていたので、とても嬉しいです。
https://mayaruka.stores.jp/

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こちらからぜひご覧ください!
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https://instagram.com/pennennolde   (ペンネンノルデ)

https://instagram.com/benbecanoecoffee (ベンベコーヒー)

●安達茉莉子ウェブサイトはこちらからどうぞ
http://mariobooks.com







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