_ホーム2016

私家版・プロ野球ユニフォーム史 2004-2020 Vol.21

【ヤクルトスワローズ→東京ヤクルトスワローズ①】

・ホーム(2000〜2005・2006〜2008・2009〜2012・2013〜2015・2016〜)

①ホーム2000

 スワローズのホームユニフォームは白地に赤と青の差し色が歴代の特徴となっている。2005年まで着用していたモデルは襟や袖口にラインがなく、赤のピンストライプだけが入るもっともシンプルな部類のデザイン。このユニフォームで2001年には日本一を勝ち取る。

①ホーム2006

※実際に着用されたのは前開きのボタンタイプ。

 球団名が「東京ヤクルトスワローズ」となった2006年からは、神宮球場からほど近い渋谷に本社を構える人気セレクトショップ・ビームスがデザインを担当。ピンストライプが消えて白を強調し、さらに燕尾をイメージしたラインが肩に入った。

①ホーム2009

 2009年は差し色の場所や色合いの入れ替えに加えて肩からタテに伸びるグレーのラインが入り、背番号のフォントも独創的なデザインに変更。さらにスマートさが増すデザインとなった。一番上のボタンだけが赤という細かい点も見逃せない。この赤ボタンは2020年現在までホームユニフォームに受け継がれている。

①ホーム2013

 2013年からのデザインには赤いピンストライプが復活。山田哲人の台頭はこのユニフォームとともにあり、2015年には久々のリーグ優勝を果たす。

①ホーム2016

 2016年になるとサプライヤーをマジェスティックへ変更。赤のピンストライプはそのままで、襟と袖口には赤・白・青のトリコロールラインが入った。

 時代ごとに細かな変更を加えられているホームユニフォームにあって、象徴となっているのはなんといっても胸に入るSwallowsのロゴ。1950年に創設された国鉄スワローズで登場して以来、名称がアトムズとなったシーズン以外は一貫して同じ書体が使い続けられている。ツバメは帰巣本能が強いといわれるが、ここが変わらないホームなのだと教えるように同じロゴを使い続けているのかもしれない。いかにもファミリー球団と呼ばれるスワローズらしいではないか。


・ビジター(2000〜2005・2006〜2008・2009〜2012・2013〜2015・2016〜)

②ビジター2000

②ビジター2006

※実際に着用されたのは前開きのボタンタイプ。

 スワローズのビジターユニフォームは、比較的地味なデザインの歴史が長らく続く。2005年まで使用されていたユニフォームは紺色の地に白いラケットライン、赤いYakultのロゴ。2006年からはラケットラインが外れ、赤いラインが肩に入る。

②ビジター2009

 2009年からのデザインは、ホームユニフォームもまったく同じで地が薄いクリーム色。たしかにロゴはSwallowsではなくYakultだが、一見すると白地のホームユニフォームではないかと見間違えてしまうほど。前回までのデザインがホームとの違いを明確にしていただけに不思議でならなかった。ビームスの意向だったのだろうか。

画像10

 2013年になると濃い青に変更され、2006年のデザインに近いイメージとなった。肩の燕尾のラインは赤と白。

②ビジター2016

 2016年、多くの球団のユニフォームを手がける大岩Larry正志氏の手により真新しいデザインが登場。紺色の地は変わらないがYakultのロゴは緑色の筆記体となり、襟と袖口にも緑色と白のラインが入った。後述のTOKYO燕パワーユニフォームなどで使われてきた緑色を正式に通常時のデザインに採用したというわけだ。

 アクや押しの強さといった面はマスコットのつば九郎に一任されているようで、チームカラーを象徴するようにビジターユニフォームもさほど強調された部分の多くないイメージがあった。それを覆したのが2016年からのデザインだ。このユニフォームを通じて、ホームだけでなくビジターでも力を誇張するチームになっていく可能性を十分に秘めている。

【ヤクルトスワローズ→東京ヤクルトスワローズ②へつづく】


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