_ホーム2015

私家版・プロ野球ユニフォーム史 2004-2020 Vol.19

【読売ジャイアンツ①】

・ホーム(1993〜2005・2006〜2013・2014・2015〜)

 ジャイアンツのユニフォームは長いことデザインが変わっていないように感じられるかもしれない。ところが調べてみると細かい変更点がいくつかある。様々な世代が頭に思い浮かべるジャイアンツのユニフォームは、すべて同じようで微妙に異なるのではないだろうか。

①ホーム1993

 1993年の第二次長嶋茂雄監督時代のスタートから2005年まで使用していたホームユニフォームは、V9時代から袖に入っていたオレンジ色と黒の2本のラインが1本になり、1951年以来となるラケットラインが採用された。

①ホーム2006

 2006年、デサントからアディダスへサプライヤーを変更。先代とほとんど変わらないデザインで、胸に入るGIANTSの角ばったロゴが特徴となった。当時、東京ドームのグッズショップの前で名物となっていた原辰徳監督の人形はこのユニフォームを着用していた。あの握り拳と眼差しの力強さは、忘れたくても忘れられない。2007年からと2012年からの2回にわたるリーグ3連覇を達成し、2009年と2012年には日本一も勝ち取った。

ホーム2014

 2014年になると球団創設80周年を記念してGIANTSのロゴが早稲田書体に戻された。ラケットラインのカーブの仕方にも小さな変更が加えられている。

①ホーム2015

 2015年、サプライヤーをアンダーアーマーに変更。ラケットラインと胸番号がなくなり、襟にオレンジ色と黒のラインが入る。歴代のデザインの中でもシンプルな部類といえる。レプリカユニフォームの質が一気に向上し、高級感あふれる手触りが心地よくショップで何度も試着品に触れていたものである。

 近年、ジャイアンツとアンダーアーマーは非常に密なコラボを展開しており、外国人観光客向けやタウンユースを意識したアパレルに力が入っている。その中にあって伝統的な根幹を大きな変更なく大切にしている姿勢も伝わってくる。あらゆる世代に「ジャイアンツがここにいる」という安心感・安定感を与えているのがホームユニフォームなのだと思わされる。


・ビジター(2002〜2004・2005・2006〜2008途・2008途〜2009・2010・2011〜2013・2014・2015〜2016・2017〜)

②ビジター2002

※実際に着用されたのは前開きのボタンタイプ。

 ホーム以上に、ビジターのデザインはかなり出入りが激しい。1993年から使用されていたグレー地でオレンジ色のラケットラインが入ったデザインは胸のロゴがTOKYOだったが、2002年に球団運営がよみうり東京巨人軍から読売巨人軍へ移行したための措置としてYOMIURIに変更された。東京の名をユニフォームから外したことに対する疑問の声もあった。

②ビジター2005

※実際に着用されたのは前開きのボタンタイプ。

 2005年になると今度はYOMIURIからYGのロゴに変更。帽子についているおなじみのマークも、ユニフォームに入ると印象が変わって見える。

②ビジター2006

 2006年からは大きくイメージが変わり、黒が基調に。2年前まで使用していたセカンドビジターユニフォームの色合いを継承している。GIANTSのロゴがホームと同じく角ばったデザインになった。背番号は銀色で、非常に引き締まったシルエットにまとまっている。

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2008年からは交流戦に使用された新しいデザインが登場。白に近いライトグレーで、脇に黒の差し色が入る。のちに正式採用され、シーズン途中から起用される珍しいユニフォームとなった。

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 2010年には差し色が消えてダークグレーに、2011年は2008年と2010年の間くらいといった明るさのライトグレーにと、この時期はめまぐるしく変化していった。

②ビジター2014

 さらに2014年には1992年まで使用されていた水色(ブルーグレー)が登場。V9時代から使用されてきたこの色合いのビジターユニフォームに思い入れのある往年のファンも多い。

②ビジター2015

 2015年になるとホームと同様にラケットラインと胸番号がなくなり、襟にオレンジ色と黒のラインが入る。また胸のロゴは、早稲田書体のTOKYOが久々に復活した。

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 2017年からは再びライトグレーに戻り、1953年に使用していたデザインに近づけられた。(実際のユニフォームには左袖にYOMIURIのロゴが入っています)

 通常時に使用するビジターユニフォームがこれだけ変更されたのだから、追いかけるファンも大変である。ジャイアンツ愛が試されているのかもしれない。なかなかいないと思うが、すべて買い揃えて、ビジター球場へも参戦している方には敬意を表したい。

【読売ジャイアンツ②につづく】


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