見出し画像

私家版・プロ野球ユニフォーム史 2004-2020 Vol.15

前回の記事はこちら

【オリックス・バファローズ③】

・復刻(2010・2011・2012・2013・2014・2015・2016・2017・2018・2019)

⑥復刻2010

 この球団で復刻がテーマとなると、どこから手をつけていいのかわからなくなることが多い。まずオリックス・ブルーウェーブのホームユニフォームは、これまで5回にわたり復刻企画で使用されている。2010年、2013年(LEGEND OF Bsとパ・リーグ共同のレジェンドシリーズの2回)、2015年(「がんばろう神戸」20周年)、そして2019年(ありがとう平成シリーズ)。特に2019年は仰木彬氏の生誕の日に選手全員が背番号72をつけて試合に臨んだ。試合はすべて神戸で開催されており、2020年も「がんばろう神戸」25周年として神戸での試合で着用が予定されている。

画像11

 2011年からは復刻シリーズ 「LEGEND OF Bs」が始まる。この年のユニフォームは阪急ブレーブスが1977年から使用していたモデル。丸みのある太字の球団ロゴと背番号が特徴。

⑥復刻2011近鉄

 同年、今度は近鉄バファローズが1976年から使用したモデルが登場。袖の猛牛マークは炎と合体したデザイン。このユニフォームには背ネームが入っていなかった。

⑥復刻2011BW

 2011年3つ目の復刻はブルーウェーブが1991年から使用していたビジターユニフォーム。襟と袖口の黄色い二重ラインが特色。当時の監督・岡田彰布は、16年ぶりにこのユニフォームに袖を通すこととなった。

⑥復刻2012阪急

 2012年のLEGEND OF Bsでは阪急ブレーブスの1984年からのモデルを復刻。前回と異なり角ばった球団ロゴが入り、当時のマスコット・ブレービーのワッペンもつけられた。

⑥復刻2012近鉄

 同年の近鉄バファローズの復刻は1978年のモデル。岡本太郎の手による猛牛ロゴが入った三色ユニフォーム、三色ヘルメットが揃えられた。2013年からは大阪にルーツを持つホークスとの共同企画「OSAKA CLASSIC」がスタートし、前年と同じく近鉄バファローズの1978年モデルを着用。同年には、大阪近鉄バファローズが大阪ドーム移転後の1997年から使用したホームユニフォームも復刻。2001年にリーグ優勝を果たしたデザインとして名高い。(※画像は大阪近鉄バファローズの項を参照)

画像10

 2014年のOSAKA CLASSICでは近鉄バファローズの1966年からのモデルを着用。真っ白なユニフォームにBuffaloesのロゴだけが入る、非常にシンプルなデザインだった。2015年のOSAKA CLASSICには、大阪近鉄バファローズが1999年から使用したビジターユニフォームが登場。小谷野栄一が誰よりも似合っていたことで話題となった。

⑥復刻2016

 2016年には歴史の狭間とでもいうべきオリックス・ブレーブスのユニフォームを復刻。1984年モデルの阪急ブレーブスのデザインそのままにカラーリングだけ変更されたことがよくわかる。

⑥復刻2011阪急

 2017年にはホークスとの共同企画が復活し、「KANSAI CLASSIC」と改称。この年からふたつのユニフォームを復刻することになる。まず、近鉄バファローズの1978年モデルが3度目の登板となり、さらに阪急ブレーブスが1980年から使用していたモデルも復刻。2011年に復刻したプルオーバーの1977年モデルと同じデザインだが、こちらはボタン式だった。

⑥復刻2018近鉄

 2018年のKANSAI CLASSICでは近鉄バファローズが1978年から使用したビジターユニフォームを復刻。グレー地にKINTETSUのロゴといえば、ラルフ・ブライアントがホームラン4発でライオンズ投手陣を粉砕した1989年・西武球場でのダブルヘッダーの記憶がよみがえるデザインだ。

⑥復刻2018阪急

 同年には阪急ブレーブスが1985年から使用していたビジターユニフォームも復刻。水色の地に赤いHankyuのロゴとくれば、こちらは三冠王のブーマー・ウェルズの大きなおなかを思い出す。ロベルト・バルボン氏とともにイベントにも登場していた。

画像14

 2019年のKANSAI CLASSICでは、まずは大阪近鉄バファローズが使用していたレッドユニフォームを復刻。1997年からのデザインは胸のロゴがKintetsuだったが、復刻されたのはロゴがOsakaに変わった1999年からのデザインだった。本来は1997年からこちらの赤がビジターユニフォームとして使われる予定だったが、同年に紺色のデザインが登場したのちは曜日別で併用されることになった。

画像12

画像13

 もうひとつは阪急ブレーブスが1970年から使用したモデル。クリーム色地にオレンジ色のラインと黒のストライプが入る、渋味のあるデザインだ。2020年には「西本幸雄メモリアルゲーム」として阪急ブレーブス初優勝の1967年モデルのユニフォームを着用予定。全員が背番号50をつけることも決まっている。

 複雑な経緯で成り立ってきた球団だけあって、復刻企画にもファンの様々な感情が垣間見える。球団側としても過去の遺産を食い潰すのではなく、あくまでも先人たちへの尊敬の念を忘れないよう腐心している様子が見て取れる。


・ファーム(2000~2008)

※こちらのユニフォームは球団公式サイトに画像が残されていませんでした。

 1999年、オリックス・ブルーウェーブのファーム本拠地はグリーンスタジアム神戸のサブ球場から、北神戸のあじさいスタジアムへ移転することが決まる。その際、将来的に独立採算制を確立するために穴吹工務店をスポンサーに迎え、チーム名もサーパス神戸と呼称した。2006年からはサーパスに名称変更。

 ユニフォームもファーム独自のもので、ホームは白地、ビジターは紺色で、それぞれ水色のラインとSURPASSのロゴが入っていた。当時の詳しい状況は不明だが、おそらくホームのレプリカユニフォームは販売されていたであろうと言われている。やはり流通数は少ないと見られ、入手するのはかなり困難。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?