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他人からのアドバイスが受け取れなくなった話

私がうつ病を患ったとき、「〜しなよ」「〜した方がいいよ」という他人からのアドバイスを受け付けられなくなりました。

そういう言葉を聞くと不快感でいっぱいになったのです。

なぜ自分がそんな気持ちになるのか、なぜ相手のアドバイスを上手く受けとれないのかが全く分からず、相手の言葉を受け取れない自分を責めるばかりでした。


他人軸な自分


うつ病になる前の私は自分の気持ちや考えを他人に伝えることが苦手でした。

そもそも自分でも自分が何を考えているのか、どう感じているのかよくわかっていませんでした。

いつも他人の意見や価値観に合わせることが多かったように思います。

そんな性格なので、仕事で上司からミスをちょっと指摘されると”自分が悪いんだ”と思い込んで自分のことを責めまくり、同僚や周りの人から「〜した方がいいよ」と言われると”言われた通りにしなきゃ!”と思ってしまい、たびたび自分の心が苦しくなることがありました。

そんな考え方をしていたらそりゃ苦しくもなるよ。。。と思うでしょう。

しかし自分の癖ってなかなか気づきにくいものです。


そんな私はうつ病になって初めて自分の考え方と向き合うこととなり、以下のような偏った思考(思い込み)が強くあることに気づきました。


○白黒思考

「良い」or「悪い」、「正しい」or「間違い」、「上」or「下」、「敵」or「味方」など、極端な判断をしがちな考え方

○〜すべき思考

「〜しなきゃ」、「〜すべき」、「〜ねばらならい」という言葉で自分を追い込んだり、縛ったりする考え方

○他人軸な考え方

他人の言うことが全て「正しい」と思ってしまい、自分のことは必然的に「間違っている」と思ってしまう考え方


このような考え方で物事を捉えていたらそりゃ苦しくなってうつ病になってしまうのも無理ないですよね;;

アドバイスをされて不快感を感じるのは、「そういう考え方が苦しいよ〜」という体からのメッセージだということに気がづきました。


そのアドバイスは本当に「自分のため」なのか?


うつを患うまで私は他人の言うことは「正しい」と思っていたため、他人がくれるアドバイスに積極的に従ってきました。

しかし、うつ病を患って初めて「そのアドバイスはその人にとってのもので相手のことを考えたアドバイスではないこともある」ということに気付きました。

以下は私がうつ病を患った時に周りの人がかけてくれた言葉です。

私がどういう状況なのか全員に詳しくは伝えてはいません。

ただ、うつ病になってしまい落ち込んでいてしばらく休むことが必要とだけ伝えました。


母「買い物とか行って気分転換しなよ」


元同僚1「家にこもってないで仕事した方がいいよ」


元同僚2「出来るだけ外に出てたくさんの人と会った方がいいよ」


友達「ゆっくり休んでね。まりものペースでいいんだよ」



私が自然と受け取れたのは”友達”の言葉でした。

自分のことを想ってくれているように感じ心が温かくなりました。

他のアドバイスはその人にとっての「正しさ」というか”自分はこう思う”の押し付けのように感じました。

それに気づいてから他人のアドバイスを”私のためを想ってかけてくれた言葉”なのかそれとも”相手にとっての言葉”なのか冷静に考えるようになりました。

アドバイスを”受け取らない”こともできることを知り、相手の言葉で苦しむことがかなり減りました。


おわりに


うつ病やその他の精神疾患を患うとどうしていいか分からず、何が正しくて何が間違っているのか、どこに進めばいいのか、一層迷ってしまいがちのように思います。  

また他人だけでなく、テレビや雑誌、ネット上に流れるさまざまな意見に左右されがちです。

他人のアドバイスを聞くのが苦じゃない方(その方が気持ち的に楽な方)は周りの人たちの言葉に耳を傾けてみたら良いと思いますし、私のように他人からのアドバイスに不快を感じやすい方は、周りの意見ではなく自分の気持ちや考え方とじっくり向き合ってみると新たな発見があるのではと思います。

自分と向き合って超絶他人軸だったことに気づきショックを受けた私ですが、時間をかけながらゆっくりと自分の軸を築いています。

アドバイスを受けた時に感じた不快感は”苦しい考え方をしているよ”という体からのメッセージだったんだなとしみじみ思います。

今は自分も他人もどちらが正しいということも判断せず、他人は他人の意見として、自分は自分の意見としてただフラットに見るように心がけています。なかなか難しいですがコツコツやっています。

偏った思考で苦しめてしまった分、ゆっくりと時間をかけながら自分を癒していきたいです。

お読みいただきありがとうございました。


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