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失敗した!当社の外国人雇用事例集

外国人を雇用する上で、思わぬ失敗が待っています。日本人採用でも失敗はありますが、それに比べて、そこですか!と言いたくなるような事もあり、出来ればこのような失敗は避けたいものです。失敗を重ねた当社の事例を紹介します。

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複数人雇っておけば良かった

将来の海外人材の育成を考えて、その国籍の人を1人だけ日本で雇った事がありました。彼は非常にヘッドワークがよく、雇った当時はなかなかの評判でした。半年経過したころ『辞めたい』と言い始めました。なかなか理由を話さなかったのですが、表面上日本人社員とうまくやっているように見えていたのに、やはり母国語で奥深く相談する相手がいない状態で、寂しさを感じ、限界点まで心理状態が追い詰められたようです。

これに対して、インドネシア人を採用した時に長年何も問題はなく楽しく仕事をしており、日本人とのコミュニケーションも至って良好です。精神的には前者の彼より相当弱かったのですが、この時期にインドネシア人を4名雇い、各部署に配属していたので、彼らは彼らなりに悩みや問題の共有、精神的な面で支えになる同国の仲間がいました。こういった時期を経て成長した彼らは、1人で他の事業所へ行っても寂しさを感じることなく、活き活きと活躍してくれています。

反対の立場で考えればわかりますが、ある国に赴任していきなり周囲に日本人がおらず、その国の人ばかりだったらいかがでしょうか?相当な精神力を持つ人物ではなければ恐らく持たないと思います。

また、幹部人材の登用については保険的な考えが必要だと思います。もし一人を育てて、何年か後に辞めてしまったら水の泡です。当社は中国に進出を決めた際に3人の中国人を雇いましたが、唯一残った当時の人材が現地社長を勤めてくれています。1人しか雇っていなければどうなっていたものかと今考えるとこの選択は正解でした。

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彼がいなければ、蘇州のマンションプロジェクトの成功はなかった可能性が・・・


小さないざこざが退職に

以前、優秀なイギリス人を雇用したのですが、文化の違いを痛感させられた事例です。当時当社では、オフィスの清掃を従業員全員で始業前に5分間行う習慣がありました。このイギリス人は『清掃は清掃の専門の人がやるべきだから俺はしない』というスタンス。これに対して日本人社員から『ここは日本だからお前もやれ』的な口論に発展し、人事が仲介に入りました。彼の母国ではホワイトカラーが掃除をするのはプライドが傷つく重要な事で、我々日本人にとっては理解しがたい価値観があり、私自身も『郷に入れば郷に従え』的な説得をしてしまいましたが『お前は人事部長のくせにバカだな』と言われる始末。

この一連の事が発端となり、そのフロアでは険悪モードが続き、遂には仕事内容まで対立する事が常習化することになりました。気づいた時にはもう手遅れで、彼は『社長は理解あるが、こんなバカな連中が揃った会社にはいられない』と転職していきました。今、彼は東京に行き外資系不動産会社のエグゼクティブマネージャーとして2000万クラスの収入を得ているそうです。

この件の反省点ですが、人事がその国の価値観をもう少し彫り下げて知り、社内に周知させる努力が必要だったと思います。だいぶ当社にもグローバル感覚が身についてきた現在であれば、こんな事は起こらなかったと今は思います。優秀な人材を小さな事で失った事例です。

現地に帰った際の給与を言っていなかった

これも非常に失敗したことですが、海外進出しているどこの企業にも当てはまります。当社では中国事業の本格化に合わせて、中国人の新卒技術者を日本で育てる事で、採用しました。その際に、日本での雇用条件だけを伝えて、中国に帰った際の条件は全く伝えていませんでした。数年が経過し、いよいよ中国の現場で活躍してもらう時がやって来て中国での条件を伝えた時に『そんな話は入社時に聞いていません。私は日本採用のまま中国へ行くのかと思っていましたし、その条件しか人事の人は言いませんした。』と非常に揉めました。結局彼は日本採用のまま、日本での給与のまま(中国でのマネージャークラス条件)今も活躍してくれていますが、まだまだマネージャーとしての力量はないため、実質は現地のマネージャーと条件では逆転現象が起こってしまっています。私はこれを反省して、その後の外国人採用については現地に戻した際におおよその給与や条件面を入社の時に伝えるようにしています。

これもよく、マリモさんはどうしているのと聞かれますが、失敗して初めて気づいた事です。
このように色々な失敗を経て外国人の採用を行ってきましたので、出来るだけ企業の皆さんには同じ轍を踏んでほしくないと感じております。

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大成功の中国PJの裏側には人事としての失敗も経験しています。


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