２７.「令和の白拍子」withコロナ〜舞台観劇へ《八月花形歌舞伎》

2020年9月14日 13:34

「令和の白拍子」こと、花柳まり草（はなやぎまりくさ）こと、まりちゃんです。

前回の記事からだいぶ間があいてしまいました！楽しみに読んで下さっている皆様には、大変申し訳なく思っております。

あっという間に暦は九月。

皆様はお元気でお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

お陰様で、まりちゃんはとっても元気です！食欲もあり過ぎて困っている位です！

「withコロナ」と呼ばれる新しい生活様式の中、最近は止まっていた時計がようやく動き出したような感覚です。
ありがたい事に、少々慌ただしく毎日を過ごしております。そして、そのことがとても嬉しく、感謝しながら日々過ごしております。

コロナ禍の中、どこかで自分を表現したいと書き始めたこのコラム。
これからもたまに更新が不定期になってしまうかも知れませんが、継続して書いていきたいと思っておりますので、どうぞ引き続き宜しくお願い申し上げます。

さて。

宝塚音楽学校に無事に入学したところで終わっております「まりちゃんエピソード本編」ですが、今日も寄り道を致しまして「番外編」のお話をさせて頂こうと思います。

8月は久しぶりにお舞台で踊らせて頂きましたが、これまた久しぶりに、お客さんとしても劇場へ足を運ばせて頂きました。

久しぶりに足を踏み入れた客席は、ソーシャルディスタンスが確保され、静まりかえっておりました。分かっていた事とはいえ、そうした変化には、正直戸惑いを感じました。

しかし、何はともあれ久しぶりの生のお舞台・・・もちろん大変感激致しました。

コロナのせいで諦めなくてはならなかったこと。しかし、コロナ禍があったからこそ気づかされたこと。

１０年経っても２０年経ってもこの時期のことを忘れないために、少しですが書き留めておきたいと思います。

それでは、参ります！お付き合いくださいませ！

■八月花形歌舞伎

そう、愛してやまない歌舞伎座へ行って参りました。

今回の公演は第一部「連獅子」、第二部「棒しばり」、第三部「吉野山」、第四部「与話情浮名横櫛ー源氏店」と、大変有名で楽しい作品が目白押しでした。まりちゃんは二日間に分けて、全ての演目を拝見させて頂きました。

歌舞伎座さんのコロナ対策は万全で、客席のソーシャルディスタンスはバッチリ確保され、桟敷席は閉鎖、大向こうはなし。退場の時も「密」にならない様に客席係の方の誘導がありました。しかも、一演目上演されるごとに客席を総入れ替えして換気と消毒作業をなさっていました。

そんな丁寧な対策の甲斐があって、一人の感染者を出すこともなく、公演は無事に千秋楽を迎えられました。役者の皆様やスタッフの皆様はもちろん、劇場関係者全ての皆様の努力の賜物だと思います。本当におめでとうございました。

久しぶりの客席は、前述の様に静まりかえっておりましたが、やはりお客様はとっても嬉しそうで、ソワソワと開演を待っていらっしゃいました。

かくいうまりちゃんもワクワクそわそわ。何回も足を運んでいる場所なのに、初めて訪れた様な気分になりました。

幕が開いた時のあの興奮。

血が震える様な音楽の響き。役者の皆様の息遣い。

目には見えない「気合」の波動が、客席に大きく打ち寄せては引いていく。

舞台と客席・・・その時間、その場所に偶然集まった人々の集まり。そんな全ての人々の間で、純度の高いエネルギーの交換がなされている、という痺れる様な感覚。

当たり前ですが、その時間は日常のことを忘れ、目の前で繰り広げられる作品の世界にのみ対峙し、舞台の世界に自らの心を遊ばせる状態にあります。

改めて、「自分の足を使って劇場に赴く」という行為自体にとても大切な意味があるのだと感じました。劇場という「遊ぶことのみを目的とした非日常空間」に身を置くこと、それ自体が大事なのだと。

もちろん、自宅で様々なエンターテインメントが拝見できるようになったのは素晴らしいことです。この時代だからこそ発展した方向性であり、これからどんどんテクノロジーと芸術は親和性が高くなっていくと思います。

しかし、だからといって劇場が世界からなくなることはないと思いますし、「劇場で公演をやること」と「リモートで公演をやること」へのそれぞれの意義づけと住み分けができれば、エンターテインメント業界はコロナ禍に負けることなく、これからも発展していくと思います。

歌舞伎をはじめとする伝統芸能はもちろん、日本の素晴らしいエンターテインメント界・芸術界の未来が明るい事を祈って。

その末端の世界の一員として、ほんの僅かですが自分にできることはなんだろうと考える日々です。そして、恐れる事なく、実際に行動しなくてはと思います。

いろいろな形で皆様にお会いできるといいな…。
くれぐれもお身体大切にお過ごし下さい！

まり草

☆★まり草のSNSはこちら★☆

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？