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JAPAN⇄CANADA 5-4

この頃毎日が充実していたせいか、学校の進学について考えることをあまりしていませんでした。前年一応合格していたので、英語の成績以外での心配をしていなかったからかもしれません。ポートフォリオも1度作ったしきっと簡単にできるだろう過信していました。それでも、もしも何かあったらと思い学校に問い合わせをしました。するとポートフォリオは前の応募の時と同じ作品を使ってよいと言われ、だったら大丈夫だろうという確信に近い感情がさらに湧き上がりました。今思うととても危険な思考なのですが、20歳当時の自分はとても物事を前向きに考えていたからこのような結論に至ったんじゃないかなと、振り返ると思います。実際は黄色信号が青ではなく、黄色の点滅信号になったくらいの変化なので、そのあとちゃんと思い直して念のためにポートフォリオを少しアップデートすることにしました。この頃私はペンタブレットで描くことがカッコいいと思っていたので、ポートフォリオにもデジタル作品を入れることを考えました。少しずつペンと画面の感覚に慣れてきた頃でもあり、初めて背景込みの作品に挑戦することにしました。取り組むにあたって写真を撮って角度を構図を見たり、資料写真をネットで漁ったりしました。当時は何も考えずにこの工程をしたのですが、今はこの工程の重要さが身に染みてわかります。しっかり計画立てて描いた作品は当時1番の出来になりました(今見ると下手なのですが、それでもあの時にしては出来た方だなと思います)。


ポートフォリオを早々に準備したおかげで英語のオンライン授業にも集中して取り組むことができました。自分のスピードで進めることが出来るコースを受けていたので自己管理がとても重要でした。私は自分でタイムラインを決めて、できる限り早く全課程を終わらせることを心がけました。夏休みの宿題しかり、先に終わらせることで他のことに全力投球できると考えてたのです。ランチのお仕事や吹奏楽の練習の合間をぬって毎日コツコツと頑張った記憶があります。びっくりしたのは高校で取った上級クラスと比べて格段に楽だったことです。オンラインでは普通クラスを受講したのですが、扱う内容も文章も段違いに簡単で成績も自分の中では高い数字でした。また難しい英語を読まないといけないと思っていた私はいい意味で拍子抜けしました。ありがたい誤算のおかげかスピードよく進めることができ、早い段階で全課程を終わらせることができました。


ポートフォリオを早く作ったのも、オンライン授業をあっという間に終わらせたのも、実は12月から1月にかけて日本に帰省する計画を立てていたからなんです。20歳ということは、成人式があるということです。私は幼少期からずっとウエディングドレスよりも振袖を着ることに強い憧れを感じていたので(今はどっちも着たいですが笑)何がなんでもその時期に帰ってやると決めていたし、早い段階で親に話をつけていました。引越してから過去2年日本に帰省した時期が夏だったので、久しぶりに年末年始を日本で過ごせることにとてもワクワクしていました。神社へ行って参拝することが大好きだし、家族で毎年行っていた知り合いのお寺で除夜の鐘付きをするのも楽しみにしていました。私の家族はとてもアクティブでアウトドアなので、0時前にお寺へ行き2時過ぎに家に帰宅するにもかかわらず、朝6時前に起き近くの山を登り初日の出を拝むというハードなスケジュールを毎年こなしていました。小学生の頃は夜更かしができる数限りない日の1日だったので、毎年クリスマスからお正月にかけてのお休みが大好きでした。あと興奮によるアドレナリンと子供の底なしの体力があったからできたのかもしれません(そう考えると親凄いなと思います。)

そんなこんなで年末年始の予定が少しずつ埋まっていくのを見ながら過ごす毎日は、学校に行かずともとても充実していて好きでした。大学に進学できなくなった事を知った瞬間はもう人生のどん底のように落ち込んだのですが、おかげで日本への帰省期間をたっぷり確保できたし、自分の好きなだけ描く事や遊ぶ事に時間を注力できたので、不本意ではあったもののギャップイヤー(高校卒業から大学進学までの学校に通わない期間のこと)が出来てよかったなと思うようになりました。


-つづく-

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