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JAPAN⇄CANADA 3-6

この年のクリスマスはちょっとワクワクしていました。なぜかというと、おじいちゃんおばあちゃんの所で過ごすことになっていたからです。カナダのクリスマスといえば、ターキーの丸焼き!ターキーを今まで食べたことなかったし、さらにクリスマスをターキーで祝ったことがなかったので楽しみにしていました(もしかしたら赤ちゃんの時に経験したかもしれませんが、物心なかったのでカウントしません)。久しぶりにいとこに会うのも楽しみでしたが、早く会いたかった1番の理由は元気になった姿を見て欲しかったからです。引っ越した当初は暗い陰湿な姿しか見せていなかったので、ようやく機会ができて嬉しかったのを覚えています。


同じカナダに住んでいるとはいえ、私たちは遠くに住んでいたので移動にかなり時間が必要でした。カナダの国内線飛行機は格安でもそんなに安くなく、ましてや5人家族がたかだか1週間程度の滞在のために高額な渡航費を出してまで飛行機には乗りません。私たち家族の家があるカルガリーから、お父さんの実家は車で12時間のところにあります。何キロ?と思うかもしれませんが、カナダでは距離を時間で計算するので正確な距離が分かりません。半日かけてだでぃーとまみーが運転しながら家族で向かいました。


冬なので、もちろんどこ行っても寒いのですが、だでぃーの実家は周りに何もなく、土地柄さらに寒かったです。車から出てすぐにお家に入りました。日本からカナダに遊びに行っていた頃はキャンピングカーで寝泊りしていましたが、流石に寒いので今回はお家の中です。今までは夏に来るのが定番だったので冬の雪まみれの景色がとても不思議でした。ついてから早速おばあちゃんが手作りのお菓子を出してくれました。おばあちゃんはよくお菓子作りをする人で、いつも美味しいデザートがありました。


ちょっと挨拶をしてから荷物を取りに車へ戻り、それぞれの部屋に入り荷ほどきをしてリビング、キッチン、ダイニングとそれぞれ各々が行きたい部屋へ行き落ち着きました。当たり前だけれど、お家はクリスマス仕様になっていて、ツリーやリースを含めいろんな飾りが出ていました。初めて見る光景にやっぱり慣れず、でもクリスマスにだでぃーの実家に居ることになんだかほっこりもしました。


滞在はクリスマスを挟んで、1週間程度だったと思います。到着した次の日には近所に住んでいる叔母さん家族がやってきて、その日の夜は11人で食事を取りました。いろいろ話しているうちに、スキーが話題に上がり、その流れでみんなでスキーに行くことになりました。人生の初雪スキーです。初めてだったのでワクワクしました。小中学生の頃、地元の近くにある人工草スキーは何度もしたことがあったので、なんとなくできるんじゃないかな?という変な自信がありました。スキーウェアは叔母やいとこの以前使っていたものを借りて行きました。ついて最初は基本的なことを教えてもらって初心者コースを滑りました。少しずつゆっくり進んでいき、徐々にスピードを上げて行きました。人工草スキーとは桁違いに滑るし、体も思うように動かせずなかなか苦労しました。お昼ごはんを食べ、午後は少しレベルを上げ中級コースにもチャレンジしましたがなかなかの怖さでした。その日の夜も確かいとこたちとご飯を食べて、次の日筋肉痛になるかもねなんて笑いながら1日が過ぎて行きました。


いよいよクリスマスの日です!ターキーの丸焼きに目を丸くしながらいっぱいある料理の中から食べたい分だけ自分のお皿によそい席につきました。私は子どもテーブルにつき、はじめてのターキーを口にしました。…普通でした。むしろチキンよりパサパサでグレイビーソースなしでは食べられませんでした。でもスタッフィング(ローストするときに中に詰める食べ物)はとても美味しくて、おかわりしたくらいです。デザートまで食べ終わり、そのあとはみんなでカードゲームをして盛り上がりました。ウィザード(魔法使い)というカードゲームで、私が10歳の時カナダで初めてしたゲームです。52枚のトランプカードと4枚のウィザードカードで行う頭脳戦です。これが大好きで、人が集まる時や家族で少しだけ豪勢な食事を取ったあとよくしてました。


この年に祖父母のところでクリスマスが過ごせて本当に良かったと思いました。おじいちゃんにトランペットを学校のジャズバンドで使いはじめたことや、マーチングバンドの楽しいあれこれがいっぱい話せてとても幸せでした。さらにこの年は、親戚が集まって毎年行うクリスマススケートパーティーにも参加して、久々に滑ったり親戚と話したりもして、これからもこうやってクリスマスを過ごすのかな、なんてのんびりと思えた素敵な冬休みになりました。そしてあっという間に季節は巡っていくのでした。

つづく

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