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2012.08.18 スタイル

(2011.12.27 スポーツナビより)

聖和学園、異彩を放つドリブル集団

■最終ラインからでもドリブルで攻め上がる

スタイルへのこだわりは、参加48校の中でもナンバーワンだろう。聖和学園の特徴はドリブル。すべての選手がドリブルを得意とし、どのポジションからでも果敢に相手を抜きにかかる。聖和学園のスタイルを象徴するのが、センターバックを務めるキャプテンの斉藤健だ。最終ラインで相手からボールを奪うと、チャンスと見るやドリブルで攻め上がっていく。

トーナメントを勝ち上がるため、守備の選手に“セーフティファースト(安全第一)”を求めるチームが多い高校サッカーにおいて、斉藤を含む聖和学園のプレーは異質なものに映る。事実、高円宮杯プレミアリーグ参入決定戦では、GKが最終ラインから足元でつなごうとしてボールを奪われ、失点を喫して敗れた。それでもなお、彼らはGKがパスをつなぐプレーも、最終ラインの選手がドリブルで攻め上がるプレーもやめようとはしない。「おれたちはこのやり方で勝つんだ」という、加見成司監督以下、選手たちが持つ“聖和スタイル”へのプライドが強烈ににじむ。

加見監督のドリブルへのこだわりは、女子サッカー部のコーチを務めていたときの経験が元になっている。「聖和の女子サッカー部と神奈川にあるエスポルチ藤沢というジュニアユースのクラブが試合をしたのですが、エスポルチの選手たちがとにかくうまかったんです。ボールコントロール、ドリブルのうまさになんだこれは! と衝撃を受けましてね」(加見監督)

その経験がきっかけで、エスポルチ藤沢の代表を務める広山晴士氏(かつて東京ヴェルディなどでプレー)に教えを請い、徹底してボールコントロール、リフティングのメニューを練習に取り入れるようになった。それから数カ月後、女子サッカー部はそれまで培ってきたパスサッカーに個人技を織りまぜた新たなスタイルで、全国優勝を果たすことになる。

その後、学校の男女共学化とともに、加見監督は男子サッカー部の監督に就任。チームのスタイルはもう決まっていた。「僕は名古屋グランパスでプレーしていたのですが、技術がなくて、長く現役を続けられなかった。そこで、やっぱりサッカー選手は技術がないとダメだなと再確認したんです。指導の道に入ってからは、自分が選手時代に経験したことは全部捨てました。選手時代にやってきた練習メニューを与えて、トレーニングさせることはいくらでもできるんでしょうけど、目の前の選手に合った練習は何だろうって考えたら、変わってくるじゃないですか。指導者になってからは、イチから学ぶために、プライドは捨てたんです」(加見監督)

■娯楽性は大会屈指

ジュニアユース年代ではドリブルやボールコントロールを中心に、徹底的に個人技を磨く指導をしているクラブが全国にある。そのクラブに通う選手たちが「聖和のサッカーがしたい」という気持ちを胸に入学し、今では宮城県内の選手と、ほかの地域の選手が切磋琢磨する環境ができあがっている。

聖和学園の初戦は12月31日、柏の葉で行われる香川西戦だ。おそらく、試合を見た人の中には、「もっとパスを出して、サイドを広く使えばいいのに」と感想を持つ人も多いだろう。それは監督以下、選手たちは百も承知なのである。その上で、中央の狭いスペースをドリブルやスイッチプレーなどを使って攻略し、ゴールを決めることにこだわりを持っているのだ。

スタイルへのこだわりは48校中ナンバーワンだが、選手が見せるプレー、娯楽性も大会屈指だろう。10番を背負う高橋孝冴、147センチと小柄な体格を生かして、ゴール前の密集地帯に割って入る高橋奏太。突貫ドリブラーの石原煕季。そしてなんといっても、対人プレーに強く、足元の技術に優れた斉藤と池田リアンジョフィ。この2人は大会トップレベルのセンターバックコンビである。

彼らが貫く、清々しいまでの攻撃精神と磨きに磨いたドリブル、ボールコントロールのテクニックは一見の価値がある。サッカーとは楽しいもの。そんなサッカーの原点を思い出させてくれるチームだ。




金太郎飴のような選手・チームが量産され続けているこの国では、独自のスタイルやこだわりを持つ者が「異彩」「異端」などと言われる。


「十人十色」という言葉はどうした?笑


先日、明八らしいサッカーとは?という話し合いの中で、「テクニック」「遊び心」「魅せる」「突破」「芸術」などの言葉が幾度となく出ていた。

明八生たちにも「らしさ」を追求する雰囲気が出てきた。
「らしさ」のあるサッカーで、勝ちたいと。
スタイルにこだわって勝つのは、本当に難しい。
だからこそやりがいがある。
「負けない」より「曲げない」を選ぶ。

明八生、ともに頑張ろう!
紫の遊び心を出すには、まだまだ修行が必要だ。

「明八スタイル」の追求に終わりはない。




サッカーは勝敗も大事だけど、プレーを通じて、見る人に感動を与えるもの。
そして、見る人を楽しませるには、僕自身がプレーを楽しまなくては。
その延長線上に勝利があれば、喜びは何倍にもなる。
そんなサッカーを追い求めたい。
(ロナウジーニョ)




熱病フットボーラー OMA

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