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「哲学」を感じるシャンパーニュ

「スタンダード・キュヴェ」とはメゾンの基本スタイルのシャンパーニュ。対して「プレスティージュ・キュヴェ」は、メゾンがまさに〝プレスティージュ(威信)〟をかけてつくる特別な一本です。

なかでも、シャンパーニュの代表格《ローランペリエ》のプレティージュは圧巻です。スタンダードは、メゾンの三原則「フレッシュ」「エレガンス」「バランスのよさ」がそろった《ラ・キュヴェ》。くわえて、経年変化でも揺るがない「力づよさ」をかねそなえたのが、プレスティージュ《グラン・シエクル》。

特筆すべきは、グラン・シエクルが〝ノン(マルチ)・ヴィンテージ〟であるということ。通常、プレスティージュ・キュヴェは単一年のぶどうでつくる〝ヴィンテージもの〟が圧倒的多数。そんななか、特質的なスリーヴィンテージを厳選・ブレンドするローランペリは、〝型破り〟ともいえる生産者。はちみつ、ローストナッツ、クロワッサンなどのゆたかな芳香に、熟成してもなお維持されるフレッシュ感。シャルドネ由来のフィネスとエレガンスを、力づよさと厚みあるコクが支えています。この完璧ともいえるバランスこそ、マルチ・ヴィンテージの偉力。メゾン三原則で均衡をたもつ《ラ・キュヴェ》が、それを証しているかのようです。

〝鮨シャン〟における、ローランペリエと平目はわたしのお気に入り。ただ、《グラン・シエクル》だとシャンパーニュのインパクトがつよすぎるので、平目の「えんがわ」の方がよくあいます。こりこりとした食感で、かむたびに滲み出る魚の旨味と脂の甘み。グラン・シエクルの厚みあるコクとみごとに融合します。

「アッサンブラージュ(ブレンド)こそ、シャンパーニュの本質」、がローランペリの哲学。まさに《グラン・シエクル》そのものです。生産者の〝哲学〟を五感で感じる。これこそ、プレスティージュ・キュヴェの真価ではないでしょうか🥂✨

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