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ジョーとミア

俺は先月26歳になった。

あの頃、そう、まだ幼かったあの頃、俺は男なのに母さんをしっかり守れなかった不甲斐なさ、口惜しさでいっぱいだった。

心底憎い悪魔から母さんを守ってやる事が出来なかった。俺はただ、母さんに抱きつき、泣く事しかできない、小さく無力な幼児で、大人から片手で捻り潰される程弱かった。

おい、オマエの事だよ上松隼人、よくも俺の大事な母親に散々酷い事をしやがったな!これはトラウマなんかじゃない、お前に恐怖心なんて微塵もない!お前に対しては怒りや憎しみ、恨みしかないんだよ!
今ならお前を捻り潰してやる自信があるのに、今ならお前を思い切り殴って蹴って、ボッコボコにしてやれるのに!俺がベルギーに住んでいた17歳の頃、勝手にさっさと死にやがって!

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10,595字
自伝的小説としては、この『新月の雫』で完結となります。 舞台は日本とアメリカになります。 to be continued・・・ という現在進行形なマガジンとなり、今のところ61話ですが、記事は随時追加予定です。 私にとってこのマガジンはとても大切な宝物となり、自分自身の心の整理の為書かせて頂いたという部分もあり、そんな宝物をご縁のある方だけにそっとシェアさせて頂きたい為、価格を可也高めに設定致しました。 ご理解の程宜しくお願い致します☆

新月の雫

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『緋色の三日月』マガジンの続編。自伝的小説。 東京へ一人旅立ったマリアの22歳~33歳迄の話です。『はじめに』『あとがき』『ソウルメイト(…

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