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むさぼるように人の本心を知りたがって飲み歩いた20代(カウンセリングルームを開業した個人的な話7)

※カウンセリングルームの経営に役立つ普遍的な話は、個人的な話の後に書く予定です。

目次に沿って書いています。

今日は、社会人になって、自分としては「脂ののった」時期だった頃のことを書きたいと思います。

約30年前の話です(驚き!)。
20代の前半から後半に差し掛かる年代だったのですが、好きな業務内容だったこともあり仕事は充実していたし、体力もあったので、プライベートでも趣味や交友関係で楽しく生活していたと思います。

職場は、公務員という性質上か、いろいろなことがきちんと組織化されていました。
まず、役職、年齢層、男女比などが、大体その職場に合った形で設定されていて、転勤で誰かが異動しても、同じような年代の方、適職と思われる方が転入してきました。

そして時代の背景もあったのかもしれませんが、「飲み会」と言われるものが多くありました。
もちろん、自腹です(念のため)。
「歓迎会」(全体、係ごと、組合、などそれぞれ)、「お花見」、「暑気払い」、「厄払い」、「旅行」、「芋煮会」、「忘年会」、「新年会」、「送別会」などですかね。
他にも、職場を越えての宿泊を伴う研修会があれば、夜は「懇親会」です。

最初はわからなかったけれど、入職後、少しずつ先輩に慣習を教えてもらいました。
まず、一通りのオープニングが終わったら、さっと何口かお膳に手をつけて、あとは、いかに早く動き出して、全員にお酌して回るか、という流れです。逆に、お酌していただくこともあります。その時は、ご返杯といって、注がれた飲み物を飲み干して、その入れ物を相手に渡し、その入れ物に「どうぞ」、とお酌をするのです。男女年齢関係なく、でした。
今ではいろんな意味でありえないですね。
ちなみに、最近はフードロスの問題があるので、最初と最後の30分は、自席に座って、しっかりとお膳をいただくというルールができたようです。

そして、二次会、三次会、と進むに連れ、人数が減っていきます。さすがにトップクラスの方は、一次会でお姿が見えなくなるのですが、係長クラスの方は、部下を引きつれ、行きつけのスナックなどいろんなお店に連れて行ってくれました。
古き良き時代。
今の若い人は、そもそも最初から出ないのこともあるのでしょうか。

もちろん、当時も、そういった「飲み会」が得意な人も苦手な人もいたわけで、なんとかスルーしたりもできたのでしょうが、私の印象では、大抵の方は、二次会くらいまでは参加している印象でした。
同年代だけの飲み会と違って、当時の私にとっては、とても大人に見えた40代の方々、時に50代の方もいる飲み会は、歌に合わせてダンスをしたり…なんだか、おもしろ体験でしたが、好奇心でいっぱいでした。
普段、難しい顔をして座っているおじさま方の別の顔が見られる!
そして、お酒が深くなると、しっぽりしたお店に連れて行ってくれて、普段は聞けない本心に近い話をしてくれる。
それが目的で、私は結構どこまでもついて行きました。

狭い狭いスナックで、おばあちゃんママにお酒を注がれながら人事の話をしてるのか!
超隠れ家的な日本酒の店で、その人の仕事にかける熱い想いを聴けるのか!

そして、普段見ることのない、お店、そこで働く人たち。
本来は女性客が入らないようなお店にもついて行って、こんなママさんたちにおじさまたちは癒されるんだ、フィリピンからきた男性が、女性の格好をしてこんなふうにもてなしてくれるんだ…。ホステスさんて、こんな接客をするんだ。薄暗い、おしゃれなカクテルのお店のマスターは、店に合わない酔っぱらいにこんなふうに対処するんだ…。

もう、思い出が数珠つなぎになって出てきてしまうので、この辺にしておきますが、こうして、「普段聴けないこと」を大人の男性から聞き出したり、大人同士の話を聞くのが、私にとっては、とても大切な時間だったのです。

「社会」というものを、ほぼわかったような気になりかけていたけれど、きっとまだまだ若かったのだな、と思います。

ある時、冷静に、自分自身の収支を整理してみると、エンゲル係数ならぬ、<飲み代/給料>が以上に高く、飲み歩かない人に比べると大分お金が貯まらないのだろうなあ、ということに気がつきました。
その後も、多少の糸目はつめるものの、私は、飲まない人に比べて絶対に損はしていない、と確信を持ち続けていました。この経験は、そのお金に見合うかそれ以上の価値があると思っていたのですね。

さて、あれから30年くらい経ちました。
どうかな。
今、胸に手を当ててみますね。

役に立ったかどうかはわかりませんが、やはりよかったと思います。
それを知らずに家庭に入ったりすると、家庭のある男性の、外で仕事を終えた後の顔など見る機会がなかったでしょう。
飲み会も仕事のうちだ、とは思いませんし、うちに帰って子どもの面倒を見た方がいいのかもしれないと思わないことはありません。
というか、別に見なくてもいいのかもしれません。

でも、あの頃の私は、仕事に夢を描いていたのです。
そして、中堅以上の男性たちの志を知りたいと当然のように思っていたのです。
男性たちは、飲んだくれても、「社会で働く」という自分の中にある芯の部分はは全く崩れませんでした。
あくまでも、その時の私の周囲にいた人の話ではありますが……。

「大人の男性の本心を知りたい」というのは、一例です。
その頃は、とにかく「自分以外の人」がどんな人なのか、何を考えているのかを知り、それによって多くのことが学べると信じてやまない、懐かしい私の「よかった時代」だったのです。

ちなみに、さすがに今はそこまで意欲的ではありません(お察しください)。


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