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読んだ本

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読んだ本の感想です。基本、ネタバレはありません。
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2020年10月の記事一覧

セレンディピティを学びに活かそう

1.はじめに今日は勉強の仕方というか、学ぶ際の姿勢について書いてみます。 生徒、特に受験生を見ていると、「必要のないもの」「役に立たないもの」を排除しすぎだと思うことがあります。受験科目と関係のない授業では内職をするとか、寝るとか。 でも学ぶ上で、「必要のないもの」「役に立たないもの」なんてないのです。一見何の関係もないところに、思いがけない学びの種があるかもしれませんよ。 2.セレンディピティとはセレンディピティという言葉をご存じでしょうか。イギリスの政治家・小説家で

人生が、ちょっとだけ変わるかも~『禅が教えてくれる 美しい人をつくる「所作」の基本』(枡野俊明)~

少し前にやっていたEテレの「デザイントークス+」にこの本の著者の枡野俊明さんが出ていて、その考えにちょっと興味を持ったため、読んでみました。 ↑kindle版 内容はというと、題名そのままです。時々禅の言葉を引用しつつ、「美しい人」になるための考え方の基本から、実際の行動の仕方に至るまで書かれています。1章が大抵2~3ページなので、気軽に読めるのが良いです。 とても共感でき、ぜひ実践したいと思えるものも、実践したくてもなかなか難しいものも、時にちょっと首をかしげるような

「完結編」が一番良かった~『RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと』~

文句を言いつつ読んできた「レッドデータガール」シリーズですが、「完結編」が一番良かったです。まぁこの後、短編集の『RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』がありますが。 ↑kindle版 とはいえ実は、最後まで読んで初めて「良かった」と思えたのであり、読んでいる最中は、結構イライラしました。俗世間から切り離されて育ち、浮世離れしたヒロインの泉水子は、「普通の女の子」になりたいわけですが、その「普通」があまりに俗っぽく、かつその俗っぽさの程度が、巻を追うごとに増して

もっと面白くなったはずなのに~『RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日』(荻原規子)~

今巻は、2日間にわたる「戦国学園祭」の話です。 ↑kindle版 学園祭の準備の話だった前巻よりテンポが良く、最初のうちはすらすら読めました。 ただ、途中から恋愛ものの要素を無理に取り入れようとしているように思え、だんだん辟易してきました。もちろん高校生の話なのだから、一般的には恋愛を話にからめるのは自然なのでしょうが、「人間の世界遺産候補」という突飛ともいえる題材を扱っているのだから、逆に恋愛要素なしで話を進めても良かった気がします。 何か全体的に今巻は、もったいな

中弛みかな~『RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女』~

前巻でちょっと可愛くなってきたかなと思った主人公の泉水子ですが、極度の引っ込み思案が解消されてきたのは良いけれど、今巻は変な自己主張が出てきて、最初の頃とは違う意味で可愛くなかったです。 ↑kindle版 「普通の女の子」のようになりたい、「普通の女の子」のようなことをしたいというのが1巻からの泉水子の願いなわけですが、自分が思い込んでいる「普通」を目指しているだけにしか思えず、結構辟易しました。 今巻は、次巻のメイントピックである学園祭に向けての準備が描かれるのですが

人類は果たして進歩しているのか~『プリニウス 10巻』(ヤマザキマリ、とり・みき)~

買ってから1ヶ月して、ようやく『プリニウス 10巻』を読み終わりました。 ↑kindle版 購入後、一度は読み始めたものの、9巻を復習しないと、よく分からないなと思い中断しているうちに、時間が経ってしまったのです。マンガ、しかも電子書籍で買ったマンガを、あやうく「積ん読」してしまうところでした。 ようやく思い立って、9巻10巻を立て続けに読みましたが、いろいろ衝撃でした。ずっと怪しい動きをしていたティゲリヌスの思惑が、ついに明らかになります。そして9巻を復習していたから