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新サクラ大戦を再プレイした感想(辛口)

新サクラ大戦の感想、まさかの第2弾です。

前にけっこうな長文で書いたから十分じゃないの? と思われるでしょう。確かにたくさん書きました。ですが舞台を観たあとに再プレイをして、改めて気になることがいっぱい出てきたのでもっと書きたくなったのです。

ただ、今回はゲームの触り心地に関するもの…それも不満点がほとんどです。それ以外のことについては特に触れません。文句だらけなので気を悪くされる方も多いかもしれませんが、そこはご覚悟を。

開発スタッフがこれを読んで次回作の参考にしていただければ幸いですが…まあそう都合よく見てるとは限りませんね。もし見てたらラッキー程度で。

ちなみに前回の感想記事はこちら。


■アドベンチャーパート

・キャラクターの操作がしづらい

本作は帝劇などいろんなマップを走り回ることが出来ますが、まずその移動に難ありです。R2トリガーを押しながらスティックを傾けるとダッシュしますが、加速や減速にワンテンポ挟まったり、曲がるときも即座に曲がらずクセがあったり、決して快適に操作出来るとは言えません。自分はこういった触り心地をかなり気にするタチなので、クセのある動きにイライラしながら我慢して遊んでいました。おそらくムービーシーンなどでリアルな挙動を表現したくてそう作られたのかなと思いますが、キャラクターの操作に関しては遊びやすさを優先してほしかったですね。

具体的に操作性や触り心地の良かったゲームを挙げると、ファイアーエムブレム 風花雪月の学内探索パートです。あれはスピーディーかつ非常に快適な操作感でストレスなく探索することが出来ました。

・カメラが使いにくい

本作のカメラは場所によって視点操作に制限がかかります。大帝国劇場では神山の真後ろから見る視点になっているのですが、スティックを上下に倒しても神山とカメラの距離は変わらずアングルが動くだけです。つまり、周囲を広く見渡すことが出来ないのです。このせいもあってか、初めて遊んだころはちょっと酔いそうになりました。

とは言え、室内…特に天井の低い廊下なども多い本作では見下ろしや自由なカメラ操作にしづらいというのはあったと思うので、難しいところではあります。ただ、もう少しいじることが出来てほしかったですね。

また、帝劇以外の街や公園などでは視点操作が出来ず、自動的にカメラが引いたり寄ったりしますが、あれも場所によっては見づらく感じることがありました。

そして主観視点に出来ないことも残念でした。本作は広大な空間となっているだけでなく、家具や飾り物まで細かく作り込まれています。例えばすみれがいる支配人室にはかつてすみれが使っていたであろう薙刀やカチューシャなどが飾られています。そういうのを発見したら往年のファンなら特に見回したくなりますよね。しかしこのゲームは主観視点が無いため、キャラを近づけてある程度の距離から眺めたり、キャラを壁に近づけて強引にカメラを寄せて横から見ることしか出来ません。せっかくここまでいろいろと作り込まれているのに、細かく観察することが出来ないのは非常にもったいないです。これは帝劇以外のマップでも同じことが言えます。帝劇周辺を走る路面電車やデパート屋上の観覧車など、たくさんのオブジェクトが用意されてるのにムービーのワンシーンなどでしか見られないのはあまりにももったいないです。

・移動のスキップが出来ない

先ほども書いたように帝劇は広大なマップになっています。探索のしがいがある一方で、移動が面倒に感じることも多いです。特にこのゲームはあちこちにキャラクターがいてますし、中にはお使いのようなことを頼まれたりも。そういったことで何度も行き来するのは大変なので、行き先に直接飛べる機能が欲しかったですね。

・メッセージとボイス

本作のセリフやメッセージはほとんどのシーンで自動送りになっているため、落ち着いて読むことが出来ません。せめて自動送りにするかしないかを選べるようにしてほしかったです。

また、シーンによってはセリフやメッセージを飛ばせたり飛ばせなかったりするのも気になりました。通常のセリフ(ボイス無し、あり)は飛ばせるけどコミュニケーションモードのは飛ばせない、しかしコミュニケーションモード中の神山のボイス無しセリフは飛ばせる、などごちゃごちゃしてたので統一してほしかったですね。

そしてボイスの有無が中途半端なことも気になりました。ゲームによってはフルボイスではなくセリフのあたまに一言ボイスが入るものもありますが、それとも違うので違和感がありました。ただ、後にPS2版サクラ1を遊んだときに「ああ、一部のセリフだけボイス付きなのは元々そうだったからなんだな」と納得は出来ました。時代や容量の制限によるものだろうとも思いました。しかし今の時代はフルボイスのゲームも珍しくありません。せっかく力を入れてるゲームなんだから、頑張ってフルボイスにしてほしかったですね。

あとこれは近年のゲームほとんどに共通することと、もしかしたら自分だけかもしれませんが、セリフやメッセージの文字サイズが小さ過ぎて見づらく、画面にかなり近寄らないと読めないのが辛いです…。ただ、旧作のようにウインドウで囲って大きめの文字を表示するのではキャラの動きをしっかり見せられないんだろうと思うので、しょうがない部分はあるのかな、とも。もどかしいですね…。

・その他細かい不満点

話しかける際にキャラが振り向いてから会話が始まりますが、振り向くのが遅かったり、会話終了後に再度話しかけようとしたら元の向きに直るまで話しかけられないのもイライラしました。RPGなどで何度も話しかけてセリフが変わってないか確かめる人はけっこういてると思います。自分もそのタチなので、このテンポの悪さは気になりましたね。

LIPSなど選択肢を選ぶ際のカーソル移動が若干重いのも気になりました。もっとサクサク動くようにしてほしいです。

LIPSで一度選んだ選択肢にはチェックマークが付いていてほしかったですね。いろんな会話を楽しむために何度も遊ぶ(遊びたくなる)ゲームの性質上、周回するときに便利な機能は入れておくべきだと思います。「何か訊きたいことはある?」というシーンでは一度訊いた選択肢にチェックマークが付けられてたので、LIPSでもその仕様に出来るはずです。

また、帝劇内の話しかけることが出来る(会話が発生する)人と話しかけられない(会話が発生しない)人を、遠くから見たときやマップ表示で見分けられないのも不便な点でしたね。

・バグ

スマァトロンでキャラクターの位置を確認しようとすると、たまに同じキャラのアイコンが2つ同時に表示されていることがありました。実際に現地に向かうとそのキャラは片方にしか存在しません。単なるチェック不足ですが、一度修正アプデをしてるのに気づけなかったのは問題ではないかと思いました。

・ブロマイド

入手済みのブロマイドはスマァトロンで確認出来ますが、拾ったときやこまちの売店で購入する際には入手済みかどうかが分かりません。せめてブロマイドの端に「済」とかマークを入れてほしかったですね。

また、ブロマイドを見るときに周囲の画面表示を消すことは出来ますが、肝心のブロマイドの大きさはそのままなので、表示を消す意味があんまり無いです。ここはしっかり眺められるようフルスクリーン表示してほしかったです。


■アクションパート(バトルパート)

アドベンチャーパートだけでもかなりの不満を挙げましたが、アクションパートに関してもたくさんあります。

・自機の操作感

ジャンプが異常に速くて高いことに違和感がありました。空中の敵を攻撃するためとは言え、こんなに速くなくてもいいんじゃないか? と。段差のある箇所なんかは一気に越えてしまえるから段差の必要性が疑わしいし、あとは谷を簡単に越えられてリスクも少なく、アクションゲームとしてこれはどうなんだ? と思いました。

・爽快感がない

ザコ敵を攻撃しても大きくのけぞることが無く、ある程度攻撃を当ててやっと吹っ飛ぶので、1発1発の攻撃を当てたときの気持ち良さが無いです。この辺りは無双シリーズを参考にして作り直してもらいたいですね。

そしてザコ敵がこちらの攻撃を耐えながら反撃してくるので、攻撃を中断させられてイライラします。大型の敵であれば強敵だからある程度耐えられることに納得出来ますが、ザコ敵までそんな性能だとどっちが強いんだか分からなくなります。弱い敵と強い敵のメリハリをつけてほしかったですね。

・ロックオンが不便

初期のころは敵をロックオンすることが出来ず、そのせいで空中の敵を攻撃するのが難しくて非常にストレスが溜まりました。発売から3ヶ月ほど経ってからようやく修正アプデが入ってロックオン出来るようになり、かなり楽に戦えるようになりました。おそらく本作の評価はこのアプデの前に遊んだか後に遊んだかでけっこう変わるんじゃないかと思います。アプデ前に遊んだ人や、これが嫌で投げ出した人はまた改めて触ってみることをオススメします。

ただ、ロックオン出来るようになったものの、使いにくいのもまた問題でした。ロックオンする敵を切り替える際にスティックを倒すのですが、その反応が良すぎて目当ての敵を上手く狙えないことが多かったです。もう少し感度を悪く(鈍く)するか、これも無双シリーズみたいに、大型の敵(と空中の敵)だけロックオン出来るなどの仕様にしてほしかったですね。

・敵が弱い、配置にひねりが無い

ザコ敵はともかく、大型の敵まで動きが単調でバリエーションが少ないです。基本棒立ちで、ときどき溜め攻撃を仕掛けて大きく吹っ飛ばす、これだけ。もっと特殊な動きをする敵がいても良かったし、工夫しないで敵を倒せるのは張り合いが無いし、達成感もありません。

そして敵の配置やマップも単調で、何のひねりもありません。通路にちょっと敵がいるけど倒すメリットは特に無し、大部屋に来たら敵がたくさん出現、それを倒して先へ進む…の繰り返しで、作業的になってしまうのはつまらなかったです。

・キャラクターバランスが悪い

せっかく6人もいて武器もバラバラなのに、キャラを使い分ける意味が薄いのも残念でした。以下、キャラクターそれぞれに言及します。

・神山とさくら

同じ剣キャラですが、どう違うのかよくわかりませんでした。二刀流だから手数が多いのかと思いきやそうでも無さそうで、じゃあパワーがあるのかというと、そうでも無さそうで…。結局必殺技が違う程度にしか感じられませんでしたね。ストーリーを進めるとさくらの機体が途中で変わりますが、それもどう変わったのか、強くなったのか、よく分からないままでした。

・初穂

パワーキャラなので攻撃の隙がでかいけど与えるダメージもでかい…のかと思いきや、大して変わらず。大きなハンマーを使う割に攻撃範囲が広いわけでも無かったですし、使う理由が特に無かったですね…。

・あざみ

イメージ的にリーチが短くて攻撃範囲が狭いけど手数が多くて素早い…1対1のときなんかに強いのかな? と思いきや、攻撃範囲が狭いだけで他のキャラとあまり違いが見られませんでした。じゃあこれも微妙な性能なのかというとそうでもなく、必殺技が広範囲に大ダメージを与えられてめちゃくちゃ強く、大勢の敵がいる場所では大活躍します。しかしそれも考えもので、必殺技で倒した敵から必殺ゲージ回復アイテムを回収して、半分ぐらいゲージを回復出来たりするので、状況次第で連打出来るのは強すぎるんじゃないかと思いました。まあ、通常攻撃が弱いけど必殺技が強い、ということでバランスを取ってるのかもしれませんけど…。

・クラリス

遠距離攻撃が出来るので、遠くから攻撃ボタンを連打してるだけで敵を倒せます。攻撃中に敵が近寄ってきても即死するほどではないですし、ササっと逃げてまた遠くから攻撃してればいいのでリスクも低いです。

後述するアナスタシアもそうですが、遠距離攻撃キャラは近接攻撃キャラの存在をほぼ潰していて、特にロックオン実装後に遊んだときは空中の敵をロックオンして倒せたので、よりお手軽で強力となっていました。この辺りはもう少しバランス調整をしてほしかったですね。

・アナスタシア

クラリスと同じく遠距離攻撃キャラ。しかしクラリスの魔法弾よりアナスタシアの銃弾の方が敵に早く到達するので、殲滅速度はこちらの方が上。必殺技も強力で、最終話の朧を瞬殺したときは「さすがに強すぎでしょ!w」と笑ってしまいました…w たぶんアナスタシアが最強キャラなんじゃないでしょうか。

あと、終盤にアナスタシアで落下傘をさせられるシーンがありますが、あまりにも勢いが落ちすぎて拍子抜けするし、横移動が遅くてイライラしました。あの挙動もどうにかしてほしかったですね。

・その他

壁走りとそれを使わせる箇所の必要性が全く無い。余計な操作をさせてるだけなので、いっそムービーシーンにしてしまっても良かったんじゃないかと思います。

絆を溜めて強力な連携必殺技が出来るようですが、絆が溜まりきらないので使う機会が全く無い。たぶん一度も見ていないです。

このようにアクションパートが全然面白くないので、いくさちゃんで達成すべき目標(ブロマイドやPS4の実績システムなど)がたくさんあっても、やる気になれませんでした。


■最後に

このように、「新サクラ大戦」はアクションゲームとしては決して「良作」とは言えない内容でした。

そして個人的に残念に思ったのは、これをセガが作っているということ。より具体的に言えば、あの「ソニック」や「龍が如く」など3Dアクションゲームを長年開発してきた実績のあるセガが作って、この程度の出来であることに失望しました。はっきり言って、無双シリーズのω-force(オメガフォース)やTeam NINJA(チームニンジャ)に協力してもらうべきだったんじゃないかと思いますね。

でもこれは冗談でもなくて。「FE無双」や「ゼルダ無双 厄災の黙示録」は言わずもがな、多数の敵が一気に登場します。サクラでも降魔が一度にいっぱい登場するシーンがありますよね。そして近年の無双シリーズでは操作キャラを切り替えたり、キャラの行動を指示することが出来ます。これを新サクラ大戦に置き換えると…神山を操作しつつ、ときどき初穂を操作したりとか。また、「アナスタシアとあざみは俺についてこい!」「さくらは中央から攻めろ!」「クラリスはさくらと共に行動し、さくらを援護しろ!」とかまさにピッタリじゃないですか? セガは本気でコーエーテクモに打診してみてもいいと思います。というか、お願いするべきだと思います。

まあ先方の開発スケジュールの都合もあるので難しいところはあると思います。ただ、だからと言って「次もセガが作るんなら、これに懲りてアクションゲームのサクラ大戦は やめろ!」というわけではなく、こういったさまざまな問題点を修正して、「新サクラ大戦」の悪評を大きく覆す「新サクラ大戦2」をぜひ作ってもらいたいです。

過去の記事やツイッターなどで何回も言っていますが、世界観、キャラクター、音楽は本当に素晴らしいと思っています。あとはゲームプレイの部分が良くなってくれれば、かなり評価が変わります。開発スタッフの皆さんにはそこをしっかり認識していただき、更なるシリーズ展開をしてもらえればと願っています。

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