スノーマン

まちますか

「はるになります」


ダブル低気圧のせいで全国的にぐずつき模様。
この季節の雨は、憂鬱より春の足音だと思えばウェルカムです。

長らく、バレンタインフェアをやっていたコーナーのBGMは、
前日までのことは無かったことのように ♪ 灯りをつけましょ… に。

もう暖かくなるだろう、なんて油断していると、関東地方ではもう一回くら大雪が降ったりするんですよね。

ところで、立春の頃になると、思い出す話があります。

ある地方の小学校のテストで出題された
「雪が溶けたら(   )になる」という問題。

(   )に入る言葉で、正解とされたのは「水」。

しかし、一人の児童は「春」と答えて、不正解になったといいます。

発端は、1980年に新聞のコラムで取り上げられたこと。

この話は、その後、別の新聞でも様々な考察が展開され、やがて「そもそも、気の利いた答えをする児童なんていたのか?」などと、徐々に都市伝説化していきました。

見方によっては、とんちも利いていて、日本人が大好きそうな話です。

自分が教師だったら、二重丸どころか、他の問題に関係なく、満点。
それも1万点あげたくなります。期末の通信簿も「5」決定。

こういった視点を持つことは大事で、日本の未来は、様々な視点を持つ子どもが(大人も)どれだけ増えるかにかかっていると思います。


黒板の前で先生が板書しながら説明して、児童生徒が聴きながらノートをとる。この構図は明治時代の教室と変わっていません。

しかも、教えられるのは、決まった答えまで辿るプロセスを「暗記」すること。

もっとも最近は、授業スタイルも少しずつ工夫されているとも聴きますが
依然として向かい合いの対面形式が多いでしょう。

では、どうすればいいのでしょうか? ひとつヒントがあります。

こちら、全米でトップ3に入る高校で行われている授業の風景です。


よく見ると、テーブルが楕円形だったり(2分34秒付近)… 細部を含めこのメソッドは特許申請されています。

事前に出された課題に対して自分の意見をアウトプットするスタイル。


勉強のプロセスで最も学びになるのは「人に説明する」フェーズです。

聴いたり、読んだりしたこと、頭では「わかった」つもりになっていても、
いざ人に説明しようとすると、しどろもどろになった経験がある人もいると思います。

クラスメートと一緒に勉強している時、一番伸びるのは、友達に教えてあげている子です。


頭にインプットした情報で残り続けるのは10~15%くらいと言われています。

人は、インプットしたら、考えて「そうなのか」という感動を覚え、さらにノートに書く、人に言う、Twitterでつぶやく、ブログに綴るというアウトプットをして、ようやく「学んだ」と言える段階に達します。

中から外へ出す際、自分のフィルターを通過しているので、独自の視点が加わります。この「視点が加わる」というのが大切です。

言い換えると、自分のフィルターを通すプロセスによって「視点」も増えていきます。


で、「氷が溶けたら(  )になる」問題。

理科の問題だと推測しますが、「春になる」だって、自然科学として十分正解ですよね。

そもそもそんな児童はいたのか?の件ですが、最初に新聞で取り上げられてから30年後に決着しました。実在していたのです。

氷

(朝日新聞2010年2月20日掲載)


同じ問題を令和の小学生に出したら、春と答える児童はいるのでしょうか?

もし、これ読まれた方の中に小学校の先生がいらっしゃったら… 🙏


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