見出し画像

点と線の戯れ

「子どもたちは思考がまだ育っていないので、ほぼすべて『点』で動いている。
今この瞬間に感じていることがすべて」

とある方から聞いて、はたとした。
たしかに我が子を見ていると
「今これで遊んだら、寝るまえに本を読む体力は残ってない」
とかって考えてない。
「もう寝るってときに何で300ピースのパズルやろうとか言うんだ!!」
という訳のわからない行動に、むしろ白目をむいている。

経験から学んだり、時間を「過去・現在・未来」という線でとらえて「思考」を獲得した大人は、子どもの安全を第一に考え奔走する。
子どもが危ない目に遭いそうだと思えば捨て身で手をのばし、歯磨きをしたくないとわめけば虫歯の怖さをこんこんと説く。
要はなにごとにも「今」ではなく「数年先」をみて保険をかける。

躾の言葉もあるし、導くのはおとなの役目と思われている。
道を誤らぬように、「貸して」と「ください」ができるように。
お友達に「ありがとう」と「ごめんなさい」が言えるように。
七転八倒しながら子どもと二人三脚で歩む。
その実、子どもに教えを乞う機会は山のようにあるのだ。

点の子どもと線のおとな。点と線の戯れ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?