眠りは足のしびれから

 眠るのに時間がかかる方だ。

ここ数年は子どもと一緒に寝てしまう。
子どもは自分が寝つくまで私を呼ぶ。意識を手放すのが怖いのか、目蓋が降りるたび「寝てはいかぬ」と目をかっ開くその姿をほぼ毎日見ている。
「ママ、爪伸びてるね」、このあいだは寝入る直前にそう呟いていた。

子どもが寝入ったのを見届けてから私も眠りにつく。
「あ、そろそろ寝るな」と分かるのは、足先が重くなるから。
しびれにもちょっと似ており、足の指からじょじょに電気が消えていき、最後に頭のなかの明かりが消えて真っ暗になる。
足先から眠りに落ちると言ってもいい。

最近どういうわけか、感情が足に現れる。
正確には、ふくらはぎから膝裏、太腿の裏にかけてがゾワゾワッとする。
「なんかイヤな感じ」も「良いことを思いついた!」も足裏がなにかを駆け上がっていくような感覚に襲われる。
風邪をひきかけの時の悪寒ともちょっと似ているが、犬が時折ブルブルッと体を震わせる姿が近いような気がする。

感情が足に直結しているという話は聞いたことがないけれど、最近その気(け)が強いので、ふと思い立って記録してみた。

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