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1月に最速152㌔を記録 高校時代の挫折乗り越えNPB目指す!

VOL1. 投手 ピダーソン和紀(ぴだーそん かずき)背番号16・新入団

Profile
2000/7/24生まれ 22歳 183㎝/88㎏  右投/右打 東京都出身 
クラーク記念国際高~長崎国際大

 カナダ人の父と日本人の母を持ち、妹が1人いる。東京で生まれ、小学2年生から熊本に住んだ。父親のピダ―ソンスタンリクレランスさんは現在、熊本大の准教授を務め、英語教育が専門。ピダ―ソン少年はそんな家庭ですくすくと育ち、頭脳明晰にして何よりも野球好きの快活な子供だった。

 彼は小学1年から野球を始め、熊本の鎮西高時代から投手に専念した。しかし、1年時に右肩を故障したのを機に環境を変えて高見を目指そうと、転校を決意。限られた選択肢の中から野球に理解が深く、学年を変えずに編入できる北海道のクラーク記念国際高に自ら電話を入れ、北国の地に自分を賭けた。同校は創部僅か3年目に甲子園出場を果たした北海道の強豪校。彼はクラークに転入後、高野連規定で1年間公式戦に登板できなかったため「筋トレを中心に体をじっくりと鍛えました」。それが奏功した。フォームもそれまでのオーバーハンドからスリークォーターに変えた。フォーム修正は「YouTubeの動画を参考にした」独学だったというから驚きだ。そんな自助努力によりストレートのMAXは125㌔から145㌔にアップした。選抜準優勝校の智辯和歌山高との練習試合では自責点1の好投を見せるまでに成長した。それにつれてNPBのスカウトの視察も増えてきたが、「調子がよくて投げ過ぎた」ことが響き、高校3年の春に肘の手術を経験することになる。

緊張のなか今季開幕投手務める

4月1日のマドンナスタジアムで力投

 高校時代に経験した2度の故障を指し、「正直辛かったですね」とポツリ。だが、野球を辞めることはしなかった。むしろ「僕の目標はNPBで投げること」と、その志は強まり、両親も彼の意思を尊重。「父も母も僕が決めた道に反対することはなく、頑張れと背中を押してくれました」。それだけに「今秋のドラフトで指名を受け、NPBで活躍し両親に恩返しする」という決意は人一倍強い。

 彼は長崎国際大を経てマンダリンパイレーツの門戸を叩いた。ストレートの最速は昨年10月の練習で151㌔、今年1月には152㌔を記録し、「まだまだ上がると思います。力強さも増しました」ときっぱり。入団後はフォームをオーバースローに戻していて、長いリーチをゆったりと生かした独特のフォームから投げ込むストレートを軸に、その軌道に乗せてカットボール、スライダー、スプリットを操り打者を打ち取る。遠投110mの地肩の強さも武器だ。大学時代はクローザーを務めていたが、パイレーツでは先発陣の一角を担うのは間違いないだろう。4月1日の高知FD戦では栄えある開幕投手に抜擢され、3イニング2失点の熱投。試合後彼は「開幕先発は緊張しましたが、粘れたと思います。次はもっといい投球をしたいです」と、力強く話した。

試合後は両親に囲まれた

ひとくちメモ
趣味:音楽(ヒップホップ)
血液型:B型
愛称:ピダ
好きなタレント:天竺鼠の川原克己
好きな食べ物:海鮮
苦手な食べ物:なし