リサーチレポート0126

ポンドドル相場をエリオット波動で分析・予想【2020/01/26】リサーチレポートvol.2

今週のポンドドル相場は、週前半に上昇したものの後半は息切れの下落となりました。1.29600~1.31500まで上昇したのち、1.30550まで戻したのでだいたい半値戻しですね。
週の終値は1.30750と若干の上昇戻しが入っています。

経済指標に関しては予想通りか予想よりも良いものが多く、「利下げ期待」が後退によって急上昇する場面も見られました。個人的に警戒していた「BOEカーニー総裁の発言」に関しては、利下げに関する手掛かりはなく無風でした。
来週30日は「BOE政策金利発表」があるのでこれは要注意・要注目です。
また、31日(日本時間2月1日AM8時)にイギリスのEU離脱が予定されています(承認採決は29日)。織り込み済みかもしれませんが、これについても要注意しておくべきでしょう。

それでは、2020年1月26日時点でのポンドドル相場分析・今後のシナリオを考えていきます。

月足:ダブルボトムを意識した上昇シナリオ

月足レベルでは、
・赤丸のような「ダブルボトム」候補あり
・直近のC波が完成していると仮定

の2点から「月足レベルでの上昇トレンド」をメインシナリオを想定しています。(詳しくはこちらのnote

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1月第3週は週前半に1.29600台から1.31500台まで上昇したのち、週後半は1.30600台まで下落しました。終値は1.30750台と直近下値付近。

「カーニーBOE総裁の発言」については個人的に警戒していましたが、結果的には大した材料は出ませんでした。

一方で、経済指標は予想よりも悪いものは少なく、週前半では利下げ期待の後退によって大きく上昇する場面もありました。
週後半では指標結果(PMI)が良かったものの、上下のストップロスを狩る荒い動きをして、結果的に下落に転じました。

30日のBOE政策金利発表を前にして、売り買い慎重なようですね。
来週30日のポンド系の値動きには要注意。

テクニカル的には、「週明けに上昇するシナリオ」も「下落が続くシナリオ」も考えることができます。
以下では、2つのシナリオについて考えていきます。
・シナリオ1:修正2波「ジグザグ」が完成→上昇に転じる
・シナリオ2:修正2波「トライアングル」が継続→下落継続

シナリオ1:修正2波完成→週明け上昇シナリオ

シナリオ1では、修正2波が「ジグザグ」系であると考えて分析します。

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上図のように、1~5波の「インパルス」が推進1波、a~c波の「ジグザグ」を修正2波と考えます。

修正2波のc波はa波の終点を超えられなかったことから「フェイラー」と考えられます。また、aとc波の終点が近い価格であることから「ダブルボトム」候補として捉えることもできます。

この「フェイラー」「ダブルボトム」を起点とした反発上昇が期待でき、直近の上昇が打ち消されない限り「推進3波が始まった」と考えることができます。

つまり、週明けにc波終点1.29620台まで下落しない限りは「推進3波の上昇シナリオ」が有力であると考えます。

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4時間足で見ると、ジグザグc波は黄線のような①~⑤の5波動が完成していると考えられます。

⑤波は③波の下値を超えられなかったことから「フェイラー」かつ「ダブルボトム」であると考えることができます。
この「フェイラー」「ダブルボトム」は日足の事象と合わせて「フラクタルである」とも捉えることが可能ですね。

現在は推進3波の副次1波のさらに副次波である①波が終了しており、②波を形成中であると見れます。

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週明けに
・4時間足の単純移動平均線SMA75
・1時間足のSMA200
・①波のフィボナッチ38.2~50%

がレジスタンスとして働くことが期待でき、③のような上昇波が予想できます。

③の上値予想は、以下の2点から1.32750ラインであると考えています。
・「ダブルボトム」という観点からb波の始点を意識(赤点線)
・①波のフィボナッチ161.8%

一方で週明けにフィボナッチ23.6%(1.30050)に近づくような下落を見せるとこの上昇シナリオの優位性は失われます。
その場合は次に考えるシナリオ2の優位性が高いと考えます。

シナリオ2:修正2波継続→下落継続シナリオ

シナリオ2では、修正2波を「トライアングル」系と考えて分析します。

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上図のように、a~dのように波形カウントをして上下のチャネルラインを引くと修正2波を「トライアングル」系として捉えることができます。

この場合、週明けはe波を形成するような下落が考えられます。
30日BOE政策金利発表があることを踏まえると、積極的なポンドの買いが控えられて、じりじりと下げる値動きがe波となるかもしれませんね。

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「トライアングル」のe波はしばしばチャネルラインスローオーバーすることがあるので、一時的に1.30000を割る可能性もあります。
加えて、下落の勢いが強い場合はc波の始点である1.29600あたりまで押す可能性も考慮しておくことも必要です。

e波完成後は、推進3波が始まるので上昇トレンドが形成されていくでしょう。緑矢印のように勢いよく上昇することも考えられます。(例えば、BOE政策金利発表で利下げ期待の後退などがあると)

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「トライアングル」の副次波はa~c波の3波動構成であるため、e波も図のようなa~cの3カウントで下落していくことが予想できます。

副次a波は完成していると仮定すると、週明けはb波を形成するように上昇します。戻り売りポイントとしては副次a波のフィボナッチ38.2~61.8%内いずれも考えらます。

b波完成後は、c波がフィボナッチ161.8%付近の1.30000を目指して下落するのではないかと予想します。

一方で、週明けに上限のチャネルラインを超える + e波始点(1.31500)付近まで価格を戻すとシナリオ2の優位性はなくなると考えています。

まとめ

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修正2波が「ジグザグ」であると解釈するのであれば、週明けからは上昇トレンドに転じると予想できます。
1.31500を超えていくとシナリオ1の優位性が上がります。

一方で修正2波が「トライアル」であると解釈すると、引き続き下落基調な値動きをしそうですね。
1.30050側に価格が引き寄せられていくとシナリオ2の優位性が上がります。
「トライアングル」e波のスローオーバーには注意です。

現時点でレートは1.30750台であり、1.31500~1.30050のほぼ真ん中に位置します。週明け、特に欧州時間からどちらのシナリオに近い値動きをするかに注目ですね。

以上、2020年1月26日時点でのポンドドルのシナリオ分析レポートでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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