リサーチレポート20200119s

ポンドドル相場をエリオット波動で分析・予想【2020/01/19】リサーチレポート創刊号

このnoteでは、ポンドドル(GBP/USD)を主にエリオット波動を用いて分析、今後のシナリオを予想していきます。
基本的にドル円相場分析・予想(サンデーレポート)と同じ方法や考え方で分析をしていきます。

今回は、ポンドドル分析・予想の第一回ということで超長期(1950年代~2020年)も分析対象に入れます。
普段は月足・日足・4時間足(+1時間足)でマルチタイムフレーム分析を行っています。

超長期足:1950年代~2020年まで

【注意】超長期チャートでは情報量・できる波形カウントが少なく、今回の波形カウントが正しいとは限りません。
正解・不正解を判断するにも答えが出るのは数年後、数十年後となる可能性もあるので。以降はあくまで、仮説となります。

ポンドル超長期

上の図は1950年~2020年までのポンドドル相場のチャートです。
1969年からポンドドルの下落が始まりまっていることが分かります。

波形カウントをすると緑線のような推進波と修正波を考えることができます。また、それぞれの副次波は赤線のようにカウントでき、推進波・修正波のすべてがa~cの3カウントであることが分かります。

副次波が3カウントであることから以下の3つの可能性が考えられます。
(現時点で「直近のc波が終了している」と仮定する)

①トライアングルの途中である可能性
⇒ 緑矢印のように今後も3波動で進行(残り2カウント)
②ダブルジグザグ(フェイラー)が完成
⇒オレンジ矢印のように5波動で進行(直近高値に迫る)
③トリプルスリーのY波を形成中
⇒緑矢印のように3波動で進行(残り4カウント)

画像6

①~③の候補は全て修正波の波形パターンであり、本来はその波形の前にトレンドが存在します。しかし、1969年以前のトレンドがどちらの方向なのか判断が付かないため、違う捉え方もできるかもしれませんね。

また、②のダブルジグザグは基本的には価格的な修正が大きな波形であり、Y波はW波の終点を割ることが多いとされます。よって、②の可能性は小さいと考えます。

①と③の優位性が高い場合、1.30000~1.90000の価格帯をレンジかつ収束していくような値動きをしていくことが予想されます。
もしも、直近のc波が完成しているならば、ここ数年は2.10000を越えない程度の上昇トレンドを作る可能性があります。

月足以下では、①or③の可能性を前提として分析・予想をしていきます。
直近では上昇トレンドを考えています。
一方で、直近のc波終点を割ることがあれば一旦、上昇トレンドシナリオは崩れることになります。

チャート引用先

月足:「ダブルボトム」候補を観測

月足レベルで見ると、下図の赤丸のような「ダブルボトム」となる可能性があるパターンを観測できます。
超長期チャートで「直近のc波が終了していると仮定する」としたのは、この「ダブルボトム」候補が現われているからです。

画像6

超長期で「上昇トレンド」という前提から、月足でもこの「ダブルボトム」を起点として「月足レベルでの上昇トレンド」を形成する可能性が考えられます。

ざっくりですが、上図のように「A~Cの3波構成の上昇トレンド」をメインシナリオとして考えています。
現時点のA波の上値候補としては、1.50000ラインのサポレジ転換や単純移動平均線SMA(200)のレジスタンスが有力ではないでしょうか。

一方で、今後の値動きで1.20000の下値ラインを割り込むとこのメインシナリオは崩れることになります。

日足:A波の副次1波は完成、副次2波形成中

「A~Cの3波構成の上昇トレンド」を前提に日足を波形カウントを考えると現在はA波の副次1波が完成し、副次2波を形成している途中であると考えられます。副次2波が完成すると副次3波の形成に入り、日足レベルの上昇トレンドが作られていくと予想しています。

画像3

すでに完成している副次1波は「インパルス」と捉えることができます。
・2波は1波を割り込まない
・3波が最小にならない
・4波は1波と重ならない

すべての「インパルス」のルールを満たしているほか、ほぼ平行なチャネルラインを引くこともできますね。

そして、形成途中である副次2波は「ジグザグ」である可能性が高いと考えます。b波が5波終点まで到達せずに、再び下落(c波を形成)していることが1つの理由です。

さらに「ジグザグ」の副次波の構成は「5-3-5」です。

a波とb波の細かな副次波は読み取りにくく、個人的な感覚になりますがa波が「5-インパルス」系・b波が「3-ジグザグ」系統の値動きをしているように見えます。
また、比較的c波は副次波がはっきりとしており、「5-インパルス」を形成している途中なのではないかと考えられます。(4時間足参照)

よって、ジグザグの副次波構成に近い値動きをしていると現時点では考えることができます。

4時間足:「ジグザグ」のc波(5波動)は最終段階

画像4

c波の副次波をカウントすると上図のような黄色線のように捉えることができます。「ジグザグ」形成中という仮定から考えると、c波は5波動形成で完成すると予想できます。

現在は①~④までの4カウントまで完成しており、⑤の波が始まった段階と見れます。①~④の値幅から考えると⑤の下値候補は以下の通りです。
・1.29100ライン:チャネルライン下限がサポ-ト、a波終点と同値
・1.28650ライン:推進1波のフィボナッチ61.8%
・1.28000ライン:推進1波副次4波の下限サポート

もちろん1.28000よりも下値を拡大させる可能性はあります。
下落の勢いがかなり強い場合は、日足のSMA(200)とフィボナッチ50%が重なっている1.27000も候補として考えられますね。

特に1.29100ラインで反発すると「ジグザグ」のフェイラーかつ「ダブルボトム」を形成することになるので、個人的にはこのラインでの値動きに注目しています。

まとめ

超長期足で波形カウントをしたときには「トライアングル」or「トリプルスリー」の仮説が有力であると考えます。その次に「ダブルジグザグのフェイラー」。

2020年1月19日時点の月足では、
「ダブルボトム」の形成途中が観測されており、否定されることがない限り月足レベルの上昇トレンドがメインシナリオとなります。
そして、日足で見るとA波の副次1波と仮定する「インパルス」が完成。副次2波が形成途中と捉えることができます。副次2波が完成すると副次3波で再び上昇トレンドを形成していくと予想できます。


テクニカル分析では長期目線で上昇に分があると考えています。短期的には修正波(下落)がどこまで行くかに注目しています。
ファンダメンタル的には「ブレグジッド」や「直近の利下げ」に関する要注意すべきニュースがあるので、やはり慎重に取引をしていくべきですね。

来週は21日22日「カーニーBOE総裁の発言」のほか経済指標(特に24日PMI)があるので「利下げ期待」が進展するか後退するかに注目です。


以上、2020年1月19日時点でのポンドドルのシナリオ分析レポートでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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