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米国SECへの提出書類

本日は米国の上場企業がSEC(Securities and Exchange Commission)に提出する必要がある書類について簡潔に紹介します。

米国は世界一金融が発達していることもあり、上場企業がSECに提出しなければならない書類も多岐にわたり、自分でEDGAR(SECのオンライン公開データベース、日本のEDINETのモデル)を触ってみないと違いが分かりにくいため、ここで纏めてみます。

10-K

日本の有価証券報告書に相当します。年度末の90日以内にSECに提出する必要があります。企業に関する最も詳細な情報が載っているのは10-Kと言えるでしょう。

10-Q

日本の四半期報告書に相当します。

8-K

10-K、10-Qのタイミングには間に合わない、重要な情報をタイムリーに開示するための書類で、重要な情報とは:

・倒産に関する情報

・減損

・合併や買収の公表、完了

・重要な資産売却

・取締役やExecutiveの辞任

などが挙げられます。

S-1

日本での目論見書に相当します。企業が新規上場を行うときや公募増資を行うときに提出されます。なお、公募価格が何度か修正され、最終的にFixされたものをForm424B4と言います。

Schedule 13D

日本での大量保有報告書に相当します。大量保有報告書の提出が5%を超える/下回る時から5営業日以内であるのに対し、13Dは10日以内での提出が義務付けられています。

Proxy Statement

取締役の選任や被買収の株主総会など、株主の投票を必要とする際に、提出が必要となる書類です。

Form 3, 4, 5

Restricted Share Unitsなどで、Executivesがどの程度の株式を有しているかを明らかにするために提出する書類です。

20-F/6-K

米国において証券を発行する外国企業が提出する10-K相当が20-Fであり、10-Q相当が6-Kです。

F-6EF

外国企業が米国でADR(American Depository Receipts)を上場させるために必要な書類です。

M&A関連のFilings

Merger Press Release

合併を公表した企業の8-KのExhibitとして合併の公表日に提出されます。

Definitive Agreement

いわゆる合併契約で合併の経緯や理由など詳細に記載されています。合併の公表日に提出される8-KのExhibitとされることが多いです。

Merger Proxy(DEFM14A / PREM14A)

合併や買収に際して株主の投票が求められる際に、提出される書類で、合併や買収の公表日ではなく、株主総会の前に提出されます。

Schedule TO

TOB/エクスチェンジオファーで買収する場合に、買手が提出する日本での公開買付届出書に相当します。

Schedule 14D-9

TOB/エクスチェンジオファーの対象会社が提出する、日本での意見表明報告書に相当します。

Prospectus(S-4)

合併やエクスチェンジオファーの際に買手が新株を発行する際、必要となる提出書類です。merger proxyと同様の情報が記載されます。

Form 425

Merger Press ReleaseやDefinitive Agreementの公表後、合併に関して起きたイベント等について株主に報告する書類です。8-Kで代用することも可能です。

以上になります。上述した各Filingsの詳細はInvespedia等に詳しいです。

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