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美術館に行きたい ブルーピリオド 2巻 感想
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美術館に行きたい ブルーピリオド 2巻 感想

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こんばんは。9巻までのネタバレが含まれている可能性がありますので、未読の方はご注意ください。

【感想】

 まず、母親を説得し、藝大受験を決めるシーンが特に印象的でした。絵では、「見る」以上に「知れて」、「描く」以上に「わかる」。母の絵を描く中で母のことをさらに知り、改めて愛情を理解した上で気持ちを伝えた場面はジンときました。 
 また、予備校に入ったため新しく橋田や桑名さんが登場します。この巻では、橋田と世田介と美術館に行くシーンがあるのですが、いまいち美術館に慣れず楽しめていない八虎に対し、橋田が美術館の楽しみ方についての持論を語る場面も好きです。「値段の高い料理(権威ある作品)が口に合うとは限らない」し、「産地や製法(絵の背景)を知って美味しく感じることもある」、「テーブルマナーは大事だけど縛られすぎるのも変」など、美術は高尚な場所で敷居が高いというイメージを変えてくれるセリフですね。 
 予備校では、絵の技術についても教えてくれる場面があり、構図についての話はとても勉強になりました。その技術とは、乱暴に言えば、名画は5つの幾何学体(○・△・✖️・S・□)で構成されるというものです。最近読んだ『いちばん優しい美術鑑賞』という本の中で紹介されていた話ですが、セザンヌの《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》という作品は、作品中央に菱形を形成するような構図で描かれているそうです。幾何学体での構成の応用のようなものですが、発想力と構図の美しさに感動しました。

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【刺さったセリフ・場面】

「勉強ならどんなに遠くても目指すところがちゃんと見えてた でも美術は」
 自分の現在地点がはっきりわかるわけでもなく、才能やセンスがないかもしれないと不安を抱きながら努力し続けることは相当タフなことだと思います。それがストレートに実感できた一文でした。黒背景で先が見えない雰囲気の演出、コマ割りも好きです。

「技術や知識は強力な武器だけど欲張ったり使い所を間違えると曖昧な絵になる。割り切って武器を使ったから明瞭な絵になった」
 技術も大事ですが、使い所の判断力も同時に重要。忘れないようにしたいです。

【雑談】

 以上、2巻の感想でした。
 先ほど触れた『いちばん優しい美術鑑賞』でピカソの話も取り上げられており、ピカソは画風をどんどん変えていく作家であり、最初は「青の時代」とされていることを知りました。
「青の時代」…ブルー…?…ピリオドって和訳すると…という思考からこの段階でようやくタイトルの意味に気づきました。「青の時代」の作品には、ピカソの親友が自殺したことが大きな影響を与えているとのことだったので、登場人物自殺するのは嫌だな…などと不要な勘ぐりをしてしまいました、龍二も世田介も色々不安定ですし。
 しかし、少し調べたところ山口つばささんのインタビューでタイトルの理由について触れられており、あっという間に不安は解消されました。


──ブルーピリオドというタイトルの秘密は?

ピカソの青の時代ってあるじゃないですか。それが一番わかりやすいかなと思って採ったのと、青春時代の意味と、あと1話が渋谷が青いみたいな話だったので、それを掛けている感じです。


お付き合いいただき、ありがとうございました。



mapl
オードリーとハライチが好き