お笑いニワカによる M-1グランプリ2020 敗者復活戦の感想

今年も面白かった。

M-1 グランプリ 2020、

めちゃくちゃ面白かった。

ということで敗者復活戦の感想を記しておこうかと思う。

まず、私は2020年4月頃まで、お笑い番組といえばM-1グランプリ決勝のみをテレビで見る程度のライト過ぎる人間だった。他のバラエティ番組はほとんど見たことがなかった。

そんな私だが、コロナウイルスの流行による自粛期間に急にお笑いに目覚めた。詳しくは以前書いた バラエティ知識ゼロの二次元オタクが有吉の壁からお笑いにハマった話 という記事にまとめているので、時間が余って余って仕方がない方は読んでみてください。

ちなみに上記記事を書いた後、私はNGKやよしもと漫才劇場に時々足を運んだりもしている。このあたりはまた記事を書くかもしれない。


敗者復活戦をリアルタイムで見るのは初めて、いや、久しぶりだった。

もう記憶もほとんど残っていないのだが、昔、オリエンタルラジオが出ていた敗者復活を見た覚えがある。私は確か当時小学生だった。子どもにも伝わりやすいオリラジの歌ネタは当時の私に刺さりまくり、それからしばらく武勇伝は我が家で大流行した。カッキーーーン

それが何年の敗者復活だったのかは知らないのだが、とにかく今年はそれ以来のリアルタイム敗者復活戦視聴でなぜか緊張した。


・・・・・・どうでもいい話だが、普段は「~だ」「~である」調で書こうとしているこのnote、ネタ感想は「~です」「~ます」調の方が書きやすいことに気が付いた。ということで以下ですますを織り交ぜてお送りします。

金属バット

金属バットがトップバッターとは。

ボケ数が多いとか勢いがあるとか、そういう加速系のコンビではないけどめちゃくちゃおもろいし、二人のしゃべくりだけで一気に会場があったまっててすごかった。準決勝でもやってた「結婚」のネタだったんですが、あの風貌の二人が結婚するか・しないかを真面目に議論してたり、友保さんの「えらいかぁいらしいやんけ」みたいな台詞ひとつとっても笑いを誘うような題材で好きですね。

金属バットのネタは他にもいくつか見たことがあるんですが、その中でもわかりやすいテーマのネタで聴きやすかったし、ウケるポイントもいっぱいあって面白かったです。お二人とも寒そうだったな~……


タイムキーパー

芸歴2年目の超フレッシュコンビ。なのに喋りも立ち姿も堂々としていて素晴らしい。準決勝の中でもかなり好きな方だったのでTwitterでパブサしてたんですが、2年目であることに驚かれてる方がやっぱり多かったですね。

敗者復活の出番順は準決勝と同じく2番目。まだ緊張感のある中、そして個性派の金属バット・コウテイに挟まれた出順でしたが本当に安定して面白かった。

今回の「保育士」のネタは準決勝、その後のNGK・マンゲキ等でも見たことがあって、たぶん流れやくだりを大きく変えているところはないと思うんですが、何回見ても同じところで同じように笑えてすごいなぁと思います。構成の美しさが好きなんですよね。お絵描き→粘土→歌、ときてアンパンマンのマーチでの見事な回収。でもなぜか安土さんの「ずっとこれ何してんねん!」という最後のツッコミがたまらなく好きです。

若くて正統派でこんなに面白くて、これからが楽しみですね。


コウテイ

爆発的にウケてて感動すら覚えました。ABCお笑いグランプリではよく分からんと言っていた母も一緒に見てめちゃくちゃ笑っていて、奇天烈感は変わらないけれど「伝わりやすさ」に大きな変化があったのだと感じました。

一度好きになるとズブズブハマっていく、まさに沼のようなコンビですよね。マイクパフォーマンスひとつとっても今までの漫才で見たことがない。下田さんがマイク前を離れると九条さんが自分の高さにマイクを上げ、下田さんが戻ってくる前に下げたり、マイクを抱くようにしながら突っ込んだり。ロックすぎる。

二人の声や喋り方もいちいち面白い。「ツッコミ受賞すなぁ~」「嫁ちっちゃあ~!」「3億かもねえ!?」とか、あのお二人が言うからこそあの大爆笑が起こるわけで。たぶんこれ有名なネタで私も何回か見たことあったんですけど、次にどういう展開になるかわかっててもフレーズの強さや迫力や声色で笑っちゃうんですよね。

会場トップクラスのウケだったのに決勝に上がれなかった理由として、スーマラ武智さんのnoteでも書かれていたのですが、お茶の間票を獲得するベタなネタではなかったから、というのが一番大きかったと思います。でもネタがどうとかでなく、コウテイという存在自体がもはやベタではなくてそこが魅力なので……ストレートで決勝上がるのがベストなんですよね。大舞台で爆発するコンビなので、来年が楽しみです。


カベポスター

大好きなネタ。めちゃくちゃ面白い。

ツカミの「確かにお前の言う通り~」のくだりだけで、このコンビのボケ・ツッコミのスタンスが伝わってくるのがいいなぁといつも思います。

劇場に行って、しっかり観るぞ!というモードに入って観ているときに一番面白いのは実はこのお二人なんじゃないかな~と思ったり。逆に、敗者復活ってたぶんぼーっとスマホ触りながら、何か食べながら……と「ながら」で見てるひともきっと多いので、そういう場では不利なのかなぁと感じてしまいました。決勝で東京ホテイソンも言われていたけど「難しい」というハードルに引っかかってしまうのか。テンポもとても良くて考えずに見れるネタだと私は思っているのですが(ツッコミが解説的な役割になってるし)、テレビ視聴者に引っかかりにくいんですかね。私は本当に面白いと思いました。


インディアンス

面白かった!田渕さんの突っ走っていくボケに、見ている側の気持ちを代弁するかのようなきむさんのツッコミ。敗者復活ではきむさんが笑いまくっていたこともあって決勝の方が好きだな~と思ったのですが、でも敗者復活を楽しんでいて余裕があるのも見て取れて良かったです。田渕さんの、お客さんだけでなく相方も笑かしたい、という気持ちが今年のM-1の雰囲気とも合っていたような……というのは全て終わってから感じたことですが。

欠場となってしまった祇園のツカミをやってたのも私は好きでした。出番順抽選で「祇園の分まで頑張るぞ!」と陣内さんが言ってはったのを形にしてくれたな~と。M-1って出場している芸人さんたちにとっては戦いですが、視聴者からしたらやっぱりとにかく面白いものが観たいので、お祭り感が増して最高でした。同時に、このコンビなら決勝に行っても素晴らしい漫才を見せてくれるんだろうなと思えました。去年田渕さんがネタを飛ばしてしまったことが少し話題になりましたが、それがフリにもなって今年の堂々とした姿が輝いて見えましたね。

もちろんネタもめちゃくちゃ面白かったです。


からし蓮根

私は基本的にしゃべくりが好きなんですが、からし蓮根の漫才コントはもう本当にたまらなく大好きです。どうしてなんですかね。コントに入ってるのにそれぞれの人間性がにじみ出ているからなのか、、、よく分かりませんが。

二回戦・準決勝でやってた居酒屋のネタも面白かったですが、今回のラーメン屋もめちゃくちゃ面白い!

ベタなボケと斬新なボケが織り交ぜられていて、どんな人でも笑ってしまう漫才だなぁと感じました。「フミエ?」「イオリ」からの「ゴンゾウ!!」とかもう、この二人じゃないとできない上にぱっと見で共感できて強いですね。「彦摩呂ラジオで育った」などのパワーワードを方言でさらに強化する感じ、からし蓮根の二人じゃないとできないセンスの良さがたまらなかったです。ボケもツッコミも存在感が強くて、どちらの台詞も楽しみで仕方がない。去年の決勝より確実に面白くなってるので、来年が楽しみです。


ぺこぱ

去年の決勝で見てからネタもキャラも面白くて好きで、でも敗者復活はちょっとよく分かりませんでした。「いろんなものが松陰寺さんだったら」的なネタだったと思うんですが、それに付随するテーマが散らかりすぎて、真面目に見てたのに話が飛びまくってるように感じたというか。シュウペイさんがそういうはちゃめちゃなキャラクターやってるので違和感はそこまでないんですが、漫才でやられるとまとまってない感が先行してしまった感じがありました。

準決勝でやってたネタはめちゃくちゃ面白かったと思います。あのネタで敗者復活戦うと思ってたから、強いネタ+知名度でぺこぱが決勝上がるんやろな~~と思い込んでた部分もありました。

普通にネタ選択間違えただけかなと思うので、ぺこぱ面白くない!というのは全然違う気がします。ただ、敗者復活の出来を見てぺこぱに投票した方は「ネタ」じゃなくて「存在」とか「キャラクター」が好きなんだろうなぁと思うと残念でした。

コアなファンの方にとっては嬉しいネタだったのかもしれませんが、私にはあまりよく分かりませんでした。何回も言うけど準決勝は面白かったです。


ランジャタイ

難しい!すみません!最初から最後まで真剣に見たんですけど、難しかったです!

面白い面白くないじゃなく、ただ好みではなかっただけで、こういうネタが好きな方がたくさんいるんだろうなってこともわかりました。あと平場は最強でした。国民最低~!!!!!!


滝音

たまらなく好き。ツボ過ぎる。一票は滝音に入れました。

バリッバリに強いワードセンスとのんびりしたボケのバランスが絶妙。声質の差もネタに合ってて良い。

ツカミらしいツカミはないけど「こんっちゃ~たっきおんで~す」と遅れてくる「こんにちは~滝音です」で滝音らしさが伝わってきていいですね。彼ららしい、一発目からめっちゃ笑えるようなツカミがあればもっと強くなるのかと思うとわくわくします。

滝音のことは二回戦動画を見て知ったんですが、一瞬にして大好きになって劇場でも何回も見させてもらいました。さすけさんが繰り出すパワーワード改めベイビーワードがまずすごい。敗者復活ネタでいうと「あなたの鼓膜の常連様」「ババアのハンプティダンプティ1ダース」「バンプとハンプのキモミルフィーユ」「ホルモンハイウェイドライブ」とか。4分でどんだけワードセンス披露するんやって感じでしたね。かと思えば「適当に喋んな!」とか「なんで会話できてんねん!」のシンプルツッコミで大爆笑を誘えるボケのクオリティもすごい。

二回戦用の短いバージョンでこのネタを知った私のような方ってたぶん多いと思うんですけど、4分尺になると後ろにナックルキャッチボールのくだりついてくるのめっちゃ強いですよね。ワードセンスをしっかりフリにしてるのが良すぎる。

それと、噛むと訳わからんくなるネタなので、これをするするっとできるまでの練習量とか考えると単純にすごいな~と思いました。それは他のコンビも同様なんですけど、、、


キュウ

ラブだな!

ぬるっと面白くて、4分尺なのがもったいないくらいでした。もっと聴きたい。「何で俺は……こんなにヨーグルトの話がしたいんだよ……」でめちゃくちゃウケました。

キュウみたいな、4分尺じゃもったいないよ-1グランプリとかやってくれんかな。10分くらいは聴きたい。ラブでした。


学天即

うっま~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ラストイヤーの人たちってことは知ってて、二回戦動画も見たんですけど、学天即めっちゃおもろい!!って思ったのはこのネタを直前のNGKで見たときでした。(二回戦動画大阪の音質の悪さどうかしてるよね)

喋り、特にツッコミが上手すぎるしネタが鮮やか。醤油とヤマハ音楽教室の伏線回収があざとすぎずナチュラルでめちゃくちゃ笑いました。

M-1終わってからのラジオを聞いたんですが、「僕らはセンスの芸人ではないので技術を見せるしかなかった」とのことで、劇場で勝負ネタをかける度に「てにをはまで拘って、どれが一番面白いか」を磨いていたというお話が響きました。確かに技術すごかったし、これまでの15年間をぎゅっと凝縮させたネタだったんだろうな……と、最近学天即を知ったばかりの私でも感じました。ネタが飛びぬけて面白かったと思ったので一票入れました。

学天即はこのあとテレビ千鳥でも取り上げられてて、なんかほんまに良かったなぁとしんみりしてしまいました。「ぺこぱよりウケてたやろ!」は良かった(笑) 毒気のある言葉も案外さらっと出せるし、ラストイヤーだけあって安定感の違いを感じます。これからもご活躍が楽しみです。


ゆにばーす

最高に面白かった……

抜群のネタ。はらちゃんの喋りが上手すぎる。川瀬名人のツッコミは巧くもありポップさも感じられて、どんな空気感の中でもウケそうだなと思いました。

ゆにばーす、初めて決勝進出したときもネタが面白かったけど、あれからさらに面白くできるのって単純にすごいですよね。コント漫才からしゃべくり寄りにシフトしたのも良かったし、二回目決勝出たときにはらちゃんの喋りを生かせって言われたからか、今年のネタにもちゃんとその見せ場を作ってて感動。「ホンッマに好きやってん」「ごめんなあ!!!!」のやり取りの声の張り方や抜き方がすっごい。ゆにばーすには一切迷わず一票入れました。

準決勝~決勝の間の選挙活動も面白すぎましたね。やっぱり私はただの視聴者として、娯楽としてM-1グランプリを見てるので、ゆにばーすが一番敗者復活戦を楽しませてくれたと思っています。選挙カーの動画最高すぎました。もちろんその活動に見合うだけのネタがないといけないわけですが、文句なしに面白かったと思います。準決勝このネタやったらストレートで上がってた気がするんやけどなぁ。

あとゆにばーすは二回戦のネタで声出るくらい笑ったので、そのうち生で見てみたいコンビの一つです。最高でした。ありがとうございました。来年期待しています。


ダイタク

あと15分くらい聴きたい。

「両親がすごい」って題材で4分喋って面白いってめちゃくちゃすっごい。どんどん「言うな!」「言うなぁ!」を期待している自分に気付いた瞬間ちょっと悔しかったのも含め本当に面白かったです。4分尺じゃもったいないよ-1グランプリがあれば絶対に出てもっとエピソード喋ってほしい。


ロングコートダディ

兎さんの「あっそうですか」でバカみたいに笑ってしまう。ちょっと活舌悪いところも含めてツボでした。

今回、滝音・ロングコートダディ・ニッポンの社長 と大阪からKOC決勝にも行ったコンビが3組いて、それぞれ漫才スタイルが違うのがめっちゃ面白いんですよね。
滝音はさすけさんと秋定さんがやってるしゃべくり漫才、ロングコートダディは誰かに憑依して漫才をしているようなスタイル(シソンヌがコントのキャラに入って漫才してたみたいな)、ニッポンの社長は漫才コント。

ロングコートダディの今回のネタって、兎さんの人間性を知ってればますます面白いみたいな部分もあるけど、そうじゃなくても「こういうマウント取ってくる奴」をいじってる感じも面白い。兎さんの表情の切り替え方とか堂前さんの困った風とか、コントもできる芸人ならではのリアリティがあって素晴らしかったです。


ニッポンの社長

最高


以上、M-1グランプリ2020 敗者復活戦の感想でした。たぶん決勝の感想は書かないと思いますがめっちゃ面白かったです!! マヂラブさんおめでとう!えみちゃんやめないで!

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