寄りかかっておやすみ🌙
友人と飲んだあと、なんだかしっくり来なかったので、一人でバーに飲みに行った。バーテンダーもお客さんも女性だけ。女性しかいないバーに初めて入った。同性だけがいるというのは、なんだか居心地が良かった。優しい気持ちになるし、女ひとりで知らないバーに入るのも勇気がいるもので、扉を開けたときホッとした。
どこにでも一人で行ってしまうような私は、男なんか要らなくて、強い人で、誰にも頼らず好きに自由に生きていると思われることが多いかもしれないし、実際に自分自身をそんな風に思う時がある。
最初はジントニックをお願いして、日頃の愚痴をバーテンダーさんに吐き出してしまっていた。自分がすごく嫌なつまらない奴のように思った。優しく聞いてくれる人に甘える自分をあまり好きになれないのに、水道をひねったら水が流れ出すように、ベラベラと話していた。
最後に優しいカクテルが欲しいと、自然に頼んでいた。出してもらったカクテルは、これ以上ないほど今の私に必要なものだった。涙が出そうになった。美味しいと思ったから、一人でバーに来てしまったから、ストレスが溜まっていたから、理由がたくさんある。気付けばお喋りが止まっていて、私は黙って、心の中でも黙って、ただカクテルに集中していた。
しっかり者なんてこの世にいない、みんな少しずつ誰かや何かに寄りかかってる。
今夜はよく眠れそう。
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