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record of tokyo 4

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#エッセイ

ある街の夜の風景の記録

この街のちょっとした商店街は、バーや食堂が軒を連ねる。そして、とびとびに美容室や○○商事が並ぶので、20時現在のこの商店街は、シャッター、店の灯り、シャッター、店の灯り…といった繰り返しが無限に続く。 平日の夜に一人でイタリアンレストラン。賑わう店内、カウンターの席に着く、女ひとり。アルコールは避けた。愛想のいい夫婦が好きで最近よく通っている。 最近の趣味は、家族とのLINE。注文してから社会情勢について、赤の他人には言えないドスの効いた辛辣な会話を楽しむ。インターネット

贅沢な東京

written by: mao nakazawa 2017年の3月から、私はnoteで「record of tokyo」と銘打ってブログを書いている。東京生まれ東京育ち東京在住の私が、東京の写真を撮り東京を記録するというコンセプトで書き綴っている。 さて今日はどこへ行こうかしら、そう言えば東京駅ってあまり降りたことがない。そうだ、東京へ行こう。東京駅はまだだったか、これぞまさに灯台下暗し。 その日、私は誰とも会う約束をしていないのに、下ろしたてのワンピースで東京駅に舞い

大切なもの

大昔からの言い伝えのような事実、お米のとぎ汁がお肌に良いということ、私はついこの間、身を以て知った。化粧水や乳液やクリーム、一通り持ってはいるものの、お風呂に入ってやっとドライヤーで髪を乾かしたら、それきりすぐに寝てしまう。面倒臭くて、結婚式とか、誰かと会うとか、明日特別なことがある時にしか使わない。本当は毎日やりたいけれど、どうしてもすぐに寝てしまう。 それで、その伝説のようなお米のとぎ汁、試しに使ってみたら、手にあったシミは消えるし、首に出来たイボも減って、肌が少し明る

ニューヨーク?いいえ、ここは東京

朝起きて、寝ながらニュースやSNSやらを思う存分チェックして、パジャマのまま歯を磨いていたら撮影の連絡。出版社に顔を出してそのまま取材先へ。帰り道は編集さんに、カフェラテを買ってもらった。編集さん、ライターさんと話しながら駅で別れ、カフェラテ片手に電車に乗って飲んでいると、今度は別日の連絡が来て、騒々しいホームで折り返しの電話をする。帰って来てデータ処理後にコーヒー飲んでから映画館。明日の準備を始める前に、ブログを書いているところ。 こんな忙しい日々は、まるでニューヨークで

ある夏の日

喫茶店に来た。人の話し声とBGMの良さと机の広さ。そして美味いハムエッグのホットサンド。落ち着く。本も読む気になるし、字も書きたくなるし、写真も撮りたくなる。ついでに向かいの客の会話も良い環境音楽。 メロンクリームソーダ、窓際に並べられたサンドイッチ、お盆で人の少ない街、夫婦がゆったり営業中、くぅ〜たまんねえ。 明日は雨が80パーセントの予報なのに、作品撮影、果たして。私、曇り女だから、撮影出来る気がする。晴れはしないんだけど、雨もギリギリ降らない。ネオパンssが好きなの

なんて幸せな愚か者

流行に乗り遅れるタイプだ。90年代のJpopに今更ハマったり、映画もだいぶ後になって見てしまったり、一年前の写真展の情報を知り悔しい思いを何度もしたり。 気が乗らないと見る気がしない。それ見るなら家でブログ書きたい、そこ行くなら写真撮りに行きたい、となってしまう。ああ、なんて多くのものを見逃してきたことだろう。 見に行かなきゃ勿体ないと思いながら、インプットしなければアウトプットも出来ないと分かりながら、寝巻きのまま夕方になってしまう。 気は乗らないが、外に出た日に買っ

まるで別世界

先日、原美術館へ小瀬村真美さんの展示を見に行く途中、京王のビルを撮っていた。忘れていたけど撮ってた。 contax T3の中身がneopanSSということをすっかり忘れていて、青色の空とビルの感じがよかったのでカラーのつもりで撮ったと思っていた。 さて、小瀬村真美さんの展示は非常に興味深かった。「Veil」のシリーズが素敵。カーテンや布を撮影するのが好きな私は、少しだけ揺れるヴェールが何かを予感させるような雰囲気があって目を引いた。ポール・オースターの詩集の抜粋も気になっ

やってみなけりゃ分からない

制作中のマガジン一服、自分で作りながら「ああ〜こりゃ面白いわ〜」と唸っております。9月上旬発売は厳しいですが、9月から少しずつ情報公開して行こうと思います。 なにごとも、やってみなけりゃ分からない。写真も撮ってみなければ分からない。 私はこういう壁とか地面とか無機質なものをたまに撮ってしまうのですが、撮影中、周りから「何してるんだろう、この人?」と一瞬見られている気がします。私だって普通に歩いていた人が急に立ち止まって、壁の前で撮影していたら見てしまうかも。それは反射的に

夏に見る夢

過去の思い出の夢を見て、あのときこうしてれば!とまんまと思って目が覚めた。かなり前、十代の頃。 あの時こうしていればなんて、最悪の思考だと分かっている。分かってはいるけれど、少しだけ後悔している自分も間違いなくいる。これはタイムパラドクスに似てない?だって、今の状況を選んだのは間違いなく私で、もしあの時、一つでも違う方を選んでいたら、今までのこと何一つ経験出来なかった。だとしたら、それはまるで別の人生で、私の人生ではないとさえ思う。 そもそも人は自分で道を選べるようで選べ

月曜日のマオ

昨日はなんやかんやで、作業が1日かかってしまい、全て終わらせたあと、いつのまにか寝て朝になっていた。ちなみにお風呂も入ったし、化粧も落としてコンタクトも外してから寝た。ただし、やはり蛍光灯は消せない。 朝、むくりと起き上がると、ごみ出しをして、また部屋に戻って一眠り。パッとまた起きると工事現場の人たちが働き始めていて、機械が大きな音を出していた。 パンが食べたい、と心の中で強く思って、近くのお店でパンを買いに行く。近くだからと、簡単に着られる花柄のワンピースを着て行った。

セラピー

夏は暑いから外に出ないし、心地良い天気の日はぐっすりと眠ってしまい、結局外に出ない。 まだ読んでない本が家に沢山あるのに、立ち読みで「こりゃあいい本だ!」と思ってすぐさま買ってしまう。 それと同じく、欲しいレコードを見つけたら、いくらであっても買ってしまうし、疲れたらすぐに休憩がてらカフェに入ってしまう。 「今日はよく頑張った!」と毎日自分に感謝感激し、外で飲みたいだけ酒を飲んでしまう。そして、お風呂に入らず蛍光灯つけたまま、コンタクトも外さずに床で気持ちよく寝てしまう

汗や涙でドロドロキラキラ

バリバリの体育会系の環境に子供の頃から馴染んでいるけれど、思考回路が完全に文化部の私はインドア、割と出不精。それでも夏は毎年、海やらBBQやら行っていたような気がするけど、今年はまだレジャーらしいことをしていない。 これは東京キッテ。キラキラ光って綺麗だった。今年のレジャーらしいことと言えば、これが一番かもしれない。次いで、昨日の早朝海鮮丼at新宿が2018夏のイベントとして華やいでいる。まだ夏は続くので、そろそろどこかに出かけよう。そしてキラキラ光る東京に帰ってくるのが楽

写ってしまう

「何も初めから決めてかかることはないんじゃない?」と、以前私の写真を見てくださった方に言われた。それは、「自分の生まれた環境を撮影することで自分自身の追求になるから、この撮影は今後もライフワークにしていきたい。人生通してやりたい。」と話したことからだった。 その時私は「確かにそうかもしれない。」とその意見を聞きつつも、今も続けている。 人って変わるのだろうか、環境が変わっていくのだろうか、私って昔と今は違うのだろうか、街の変化ってなんなんだろうか。変わらないものが見たい。

オーバーラップ

人の家の子供が遊ぶ車。2台並んで可愛かったので撮った。しかしながら玄関がごちゃついていたので、ピントは外した。 ウィリアムエグルストンの写真集の表紙になっている、緑の三輪車を思い出しながら撮影した。william eggleston's guideってやつ。ほとんど似てないんだけど、「あ、これは」と頭に浮かんできたのは、あの写真だった。 これも撮影しながら、エグルストンの同じ写真を思い出していた。緑色が繋がる。ちなみにこっちの台車の写真の方が、先に撮った。 後からこうし