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#10 豆知識編 真珠のこと。

こんにちは。

MaoBissLupinデザイナーのナカムラマオです。

今日は真珠についてお話していきます。

宝飾品の中で、ダイヤモンドなどの石とは違った、独特の気品溢れる魅力があるのが真珠だと思います。

ダイヤモンドやその他の色石は海外から流通していますが、真珠は独自のビジネスとしても確率されており、日本で生産されたアコヤ真珠は有名かと思います。

■真珠とはどうやってつくられる?

貝殻の膜の間に異物が偶然入り込むことによって、その刺激により、異物の周りを貝殻の膜が覆い込み、貝殻と同じモノがつくられ(真珠膜:艶があるもの)、それが真珠となります。養殖する際に入れる”異物”は”核”と呼ばれる、貝殻を砕いたもの等を丸く固めて入れられます。ただし、丸い核を入れても必ずしも、丸くて綺麗な真珠が出来るとは限らないそうです。

また貝殻(巻き貝・二枚貝)を持つ貝なら、全ての貝から真珠を作ることは可能です。しかし、10万種類以上ある貝の内、宝石として使用できる美しい真珠をつくるのはアコヤ貝やシロチョウ貝、クロチョウ貝など限られた貝だけです。

■真珠の種類:安価な真珠

◇淡水パール

川や湖で作られたパールのことで、色合いが豊富。イケチョウ貝、ヒレイケチョウ貝から作られることが多く、中国で大量に安く養殖されています。

◇バロックパール

こちらは基本的に無核のものから作ることが多いため、丸くないものが多いです。

いずれも日本国内では淡水パールの養殖が少なく、国産品は入手が困難ですね。アクセサリーとして展開されていることが多く、ハンドメイドにもオススメです。イミテーションパールに比べると天然の風合いが感じられるのでカジュアルな洋服にサラッとつけられるところが良いところかと思います。

■真珠の種類:高価な真珠(本真珠)

◇アコヤ真珠(大きさ:7.5~8.5㎜)

世界的に有名のミキモトの創業者が成功させた日本独自の真珠で、アコヤ貝から作られた非常に価値が高い"本真珠"と呼べるものです。通常のアコヤ貝には2つ真珠が入れられますが、7㎜サイズ以上は1つのみなため、価値が高くなります。日本では三重県の伊勢、鳥羽、愛媛件の宇和島で養殖が盛んに行われています。

淡水パールと比較すると、艶が全く違います。本真珠はぽってりと重厚感があるので、冠婚葬祭に着ける場合はアコヤ真珠(本真珠)でないと恥ずかしいという風潮があるほどなのでご注意を。

■アコヤ真珠の品質

アコヤ真珠の中でも様々な品質があります。「花珠(はなだま)」と呼ばれるものが高く評価されており、さらに花珠の中でも”天女”と呼ばれるランクはさらに評価が高く、2014年から定められるようになりました。「真珠科研究所」という機関が、日本の宝飾業界では鑑定機関として最も多く使われており、その基準は主に、テリの良さ、大きさ、巻きの厚さ、キズや凹みの有無などで、鑑別書に記載されております。

■その他のパールについて

◇ケシパール

3~4㎜程度の米粒状の小さいパールのことを呼びます。主に淡水パールでとても安価です。こちらはハンドメイドなどでよく使われているパールのように思います。珠が小さいのでビーズのような感覚で、重ねづけできるようなデザインが多いでしょうか。

◇プラスチックパール

これはイミテーションパールと呼ばれるように、真珠ににたプラスチック製パールです。除光液などでこすると、コーティングが剥がれて白いプラスチックが見えてきます。本物と比べる全くテリや輝きが違いますが、あえてファッションとしてハイブランドの洋服に合わせるというのが流行していたような。

◇コットンパール

アクセサリー業界で人気を博したコットンパール。コットンを固めて作られた丸いパーツで、大きさや色も豊富に作られており、独特の艶感と風合いが人気ですね。リボンやストーン系と相性が良いため、ハンドメイドされる方も多いですよね。カジュアルな洋服をキレイめに着こなしたい時のお洒落アイテムとして若い世代に浸透しているお洒落アイテム化してるように思います。

■その他海外のパール

◇タヒチパール(大きさ:10㎜を超えるものもある)

こちらは、タヒチで育てられたクロチョウ貝から育てられた養殖真珠のことです。10㎜を超えるサイズと赤・青・黄色の三原色が混ざった魅力的な黒色が特徴。ただし、黒真珠がこの全てではありません。”タヒチのクロチョウ貝”からとれた”養殖真珠”をタヒチパールと呼びます。

また、基本的に黒真珠は黒い色素を持つクロチョウ貝から作られます。しかし、黒い真珠の中には、染料や照射による青変処理などの化学的な薬品を使って黒くされている場合もあるようです。

◇南洋パール(シロチョウパール/大きさ:11~18㎜)

オーストラリアで養殖されており、アコヤ貝と同じ黄色い色素を持ったシロチョウ貝から作られます。そのため、ホワイトだけでなく、シルバーやゴールド色をしたパールもあり、サイズも大きいものが多く存在するのが特徴です。南洋のクロチョウ貝からはブラックもとれます。

◇コンクパール(最も貴重な真珠)

カリブ海付近に生息するピンク貝(大巻貝)から作られる真珠です。非常に貴重なパールで、他のパールのように丸い形は出来ず、楕円系。ピンク色の色素をもっていることから、珊瑚のようなハッキリとしたピンク色がとても魅力的で人気が高い。火焔模様が見え、薄らと深いオレンジ色のような模様も特徴的です。

■真珠のお手入れ、保管方法

使用したら、専用の布(柔らかい布)で拭くのが基本です。日常使いしていると、汗やヘアスプレー、除光液が付着してしまった場合でも、すぐに拭き、ケアすれば問題はないです。

また、大量の汗や汚れが付いてしまった場合も、一度真水やぬるま湯で水洗いしても大丈夫です。その後、柔らかい布で拭いて乾燥させましょう。

ただし、真珠は乾燥には弱いため、冷暖房が直接当たるような場所は避けることをオススメします。水の近くに置くことが理想で、お店などでは、ディスプレイの際は近くに水を入れたグラスなどが設置されているところもあります。


真珠について、いかがだったでしょうか。

他にもマベ真珠や、アワビ真珠などの種類も合わせると、本当にたくさんの種類がありますね。

日本では、女性の肌の色に一番似合うとされる、ピンクがかった白真珠が特に好まれていると思います。

真珠は海が産んだ宝石です。養殖の真珠であっても約2年もの歳月をかけて作られ、その後宝飾品として加工され、多くの人に愛用されます。

私も母から譲ってもらった本真珠のネックレスを持っていますが、代々受け継ぐことのできる宝物だと思って、大切にしていきたいと思います。



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