品種に勝る技術なし。生産者の伝える努力と消費者の知る努力。|47キャラバン#22@岡山
見出し画像

品種に勝る技術なし。生産者の伝える努力と消費者の知る努力。|47キャラバン#22@岡山

みなさんこんにちは。
前回の島根県のキャラバンに引きつづき、岡山県のキャラバンのレポートを書かせていただきました、立命館大学食マネジメント学部の新崎真緒と申します。

REIWA47キャラバンとは
東日本大震災をきっかけに生産者と消費者のつながりが重要だと東北食べる通信を始め、生産者と消費者が直接やりとりができる産直SNS「ポケットマルシェ」を立ち上げた高橋博之さんが参加者の心に語りかけ、全国を行脚する「REIWA47キャラバン」。
車座という毎朝オンラインのZoomで朝6時から8時までの2時間話してくださる会があり、生産者や大学生、消費者などが20人ほどが集まり、誰でも参加できる会なのですが、このご縁で島根県と岡山県のキャラバンに同行させていただきました。車座は最近フェイスブックのライブ配信に変わったとか、、、?
詳しくは博之さんのツイッターを要チェック。

人と人との関係性

画像1

今回、私たちはキャラバンの講演会に行く前に「林ぶどう研究所」さんへ訪問しました。
林さんは、100種類もの品種のぶどうを育てるとともに、ぶどうの品種改良を独自に行っています。
実は、品種改良には膨大な時間がかかります。育てて実がなるまでに3年、種の選抜に3年、品種として登録しようとするとさらに3年と、だいたい1品種を形にするまでに最低でも10年もの年月がかかります。
林さんは農業を始めた頃、このままやっていてもいいのだろうかと、ぶどうの先行きに陰りや不安を感じ始めたそうです。そこで、様々な品種を導入し、これから起きうる様々な状況下でも対応できるような新たな品種を選ぼうと思われたそうですが、岡山にうまく産地化したり、農業者の所得をあげられるような品種がなく、だったら自分で品種改良しようと始めたのがきっかけでした。また、林さんはお客さんにも伝えることが重要だと感じていて、消費者に伝える機会を作られています。食べ物はただ食べるだけではなく、楽しむという価値を乗せていくことが重要で、畑に消費者入ってもらってぶどうの紹介をしたり、食べ方の紹介などをしています。消費者本人たちがぶどうを知って、感じてもらって、他の人にも伝えてもらうきっかけづくりをされていて、生産者と消費者との人としての関係性が構築されているんだなと感じました。
林さんのみんなに伝えたい一言はやっぱり

画像2

「畑に遊びに来てください!!」

この一言でした。
人と人との関係性は、お金だけではない、様々な意味や結果を生み出します。お金はそこに自然とついてくるものです。私は、この人と人の関係性というものに魅力を感じ、ただ上っ面の関係性だけでビジネスなどが成り立つのではなく、お互いにそのビジネス以外にも話をして、ともに何かを作り上げていく、そんな関係性が素敵だなと思っています。もちろん私もそうでありたいと思っています。

生産者と消費者のこれから

画像3

今回の47キャラバンの講演会には、たくさんの生産者が参加しており、生産者の言葉を聞く機会が設けられました。
みんなが声を揃えて言ったのは、近年の異常気象による影響で、今持っている技術だけではもうできなくなりつつあるということでした。今までの経験則が通じず、このままではもう作ることは困難になり、生産品種や品目をどんどん変えなきゃいけないと思っている人が全員でした。
「品種に勝る技術なし」という言葉が話の中であがりました。これはぶどう農家の林さんがおっしゃっている言葉で、人間の個性と同じく、野菜や果物も、できないことをさせるのは無理なことで、技術で無理やり育て上げようとしても、現状として不可能になってきています。だからこそ今、環境に適応できる品種を作っておくことが必要とされてきているそうです。技術で追いつかないところは品種でするしかないのです。

しかし、消費者はそのことを知りません。暑すぎてほうれん草が溶けるとか、梨の糖度が上がりすぎて中がグズグズになるとか、消費者は普通に暮らしていたら知らないものです。だから、なんで今年の野菜高いの?という声が上がっているのです。
でも、そこを伝える、生産者と消費者の関係性は非常に重要となってきます。今、気候などが変わりつつあり、常に安定させて供給することが難しくなっていて、不安定なブレがたくさん起きています。
しかし、それは現場を知らないからであって、常に同じものを作り続けることも大事かも知れませんが、現場を知ってもらう。そして知ってもらうことで許容や、その不安定なブレを楽しんでもらう。今年のぶどうはこんなんだよってその毎年の仕上がりを楽しむ、テロワール的な考え方になると生産者にとっても、消費者にとっても素敵な関係性が構築されるのです。

だからこそ、私はこのような公演内容や、生産者等の意見を聞き、感じたことは生産者は消費者に伝える努力を。消費者は生産者から知る努力というのが必要になって来るのではないかと感じました。私たち消費者が、毎日スーパーで食材を買うとしても、ちょっとした産地や価格帯しか見ません。でもそれだけだと、誰がどんな風に作ったかもあまりわからないし、「なんで今こんなに野菜が高いの?」という疑問を持ったりすることがあります。
しかし、生産者のことを消費者が知る機会があれば、「なるほど、こんな苦労があって作られているんだ。これが1個100円って安すぎるよね。」と感じたり、「この生産者が作ったぶどう本当に美味しいからまた食べたい。ちょっと親戚に送ろうかな」って思うこともあるかも知れません。生産者にとっても、自分が作ったものを直接知っている人に食べてもらって、「美味しい!」って言われたらとっても嬉しいと感じる人がほとんどだと思います。

これら全ては、私自身が感じたことです。今、全国の生産者の元を訪問し、話を聞いたり、実際に仕事を一緒に手伝わせていただいたりしています。だからこそ、一人の消費者として生産者のことを知ったり、生産者の目線から消費者の感想だったり、意見を知るということは、どっちにとっても素晴らしいことであり、必要なのではないかなと感じました。
そのためにポケットマルシェであったり、直接消費者と生産者が繋がれる場があるのです。

生産者は消費者に知ってもらう努力が必要で、消費者は生産者のことを知る努力が必要であると感じた日でした。

参加していただいた皆様。ありがとうございました!!!
素敵なご縁。またお会いしましょう!

画像4

今回、会場を提供してくださった小橋工業様、本当にありがとうございました。
会場となったビジョンオフィスには、部屋の中央に大きな地球のオブジェがあり、「地球を耕す」という理念に常に触れていられるような空間です。地球と人間の関係性をリデザインし、持続可能な社会を実現する新しい価値の共創に寄与したいという想いが込められているそうです。この壮大な地球を意識しながら聞く講演は、リアリティーがあり、想像が膨らむ素敵な空間となりました。
実は、この地球のオブジェはただのオブジェではなく、実用的な会議室になっているのだそうです!
詳しくはこちらをご覧ください。

その他リンク

REIWA47キャラバンはこちら。過去のレポートも公開されています。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
初めまして!滋賀県の大学生かつ京都の料理人修行中のまおです!🔪生産者の元を訪問し、一緒に仕事をすることを通して感じたことを発信して行きます!