2018年2月の記事一覧
夢は畦道を駆け抜ける
幾年月かが過ぎていたが、それに気付くようなものがないと分からないようだ。浦上は浪々の身のまま十年以上経つ。今ではそれが当たり前のことだとは思わないものの、日々、思うようなことではなくなっていた。慣れたのだろう。
浪人であっても武士は武士、武家としての身分はあるが、浪人では何ともならない。それに最近は二本差しの侍を見ることも少なく、接することも殆どない。そのためか、丸腰、つまり刀を差していな
幾年月かが過ぎていたが、それに気付くようなものがないと分からないようだ。浦上は浪々の身のまま十年以上経つ。今ではそれが当たり前のことだとは思わないものの、日々、思うようなことではなくなっていた。慣れたのだろう。
浪人であっても武士は武士、武家としての身分はあるが、浪人では何ともならない。それに最近は二本差しの侍を見ることも少なく、接することも殆どない。そのためか、丸腰、つまり刀を差していな