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貧乏性

親と同居しているので、普通に話をする。
他愛ない会話なのだが、親について、しょっちゅう思うのは、「貧乏が板についてるな・・・、こういうのを貧乏性って言うのかしら・・・?」である。

お金って、大切ですよね。
それが無ければ、困りますよね。
だから当然節約。良い事だよね。
でも、行き過ぎると、「セコイ」とか、「ケチ」とか思う。

家の父も、「ケチ」で「セコイ」タイプだ。ま、この場で、自分の親を馬鹿にするつもりはないけれど、何かと言うと、すぐお金に繋がる。

僕「スクーター、売ってきてん。」
父「なんぼで売れた?」
僕「いや、ボロイし、近くのバイク屋で、1,000円くらい。」
父「アホやな、そんなんネットで売ればもっと高く売れるで。せめて、5,000円くらいしなアカン。」

そんな父は、PCの使い方も、フリマアプリの使い方もよく分かっていない。
そんな情報どこで仕入れたか知らないが、よく分からないなら、黙っといて欲しい。

軽のバンを買った。その時も、言われたな。

父「この軽、いくらで買ったんや?」
僕「大体、50万くらい。」
父「え~、高いわ、もっと安いのあるで。軽なんて10万で買わな。」

父は、退職している。多分、あっちに行ったり、こっちに行く時間が有るだろうし、いろんな車屋さんに行くことも有るだろうが、僕は違う。
時間が無い中、近くの中古車屋で、たまたま見つけたのを、「ま、時間もないし、これでいいか?」と、ほぼ即決で買ったのだ。

そうなのだ、父と僕とでは、「実情が違うんですよ。」と思ったが、この人こんな感じで、ずっと来てるから、今更言っても変わらないと思い、スルーした。

が、ある日家に変えると、見たことない3ナンバーの車が置いてある。なんのことは無い、父が買ったのだ。
よりによって3ナンバー。
でも、ほとんど動いてるところを見たこと無い。
僕は、「そんな金あるなら、いちいち人の金の使い方に文句つけるな。」と思った。

さらに父は、もったいないとガラクタを集めてくる。
でも片付けないから、荷物が増えるタイプだ。もったいないと思うのは確かに良いことだ。
でも、なんでも置いとけば良いと言うものでもない。
冷蔵庫には食べさしにカビが生える迄放置されてる総菜や、野菜や果物がカサカサになるまで放置されていることが少なくない。
それに、家族が少ないにも関わらず、いろんな食材を買ってくる。
で、それがまた傷む。

僕は、逆にそれの方がもったいないと感じるが、「ボケ」が始まりだしたのか、何も考えないのか、とにかく物が増える一方だ。

父は、人の事について、とやかく言うのが好きらしいが、自分のことを顧みることができない。

そういう父みたいな人が、日本には多いのだろうか、いろんな会社に行っても、この会社、もっと細かいところをしっかりしていけば、もっと楽に仕事できるし、ちょっとづつでも利益が増えるんじゃないかなぁと感じることが多い。

別に僕はコンサルじゃないので、会社に言わないけど、多くの会社で力を入れる場所が違うのじゃないかと思う。

僕は、設備を管理していた経験もあるので、思うのかもしれないが、オーナーというか設置者が設備に対する考えが足りないと思う。設備は何年かごとに更新や改修をするものがあるし、突発的に修理をしなければいけない物もある。

で、いざそれをしようとすると、「いや予算が。」とか、「もっと安くならないのか?」と言う。(でも、だいぶん前から言ってるんですけど・・・。)

設備の中には緊急のときに役立つ物が多く、それらが緊急時に、上手く動作するように、更新や改修をしなければならない。
予算が足りないなら、「そのコストを製品などに上乗せすれば良いんじゃないの?」と思うし、上乗せできないのなら、「役員の給料減らせばいいじゃない。」と言いたい。

なんでもそうだろうけど、使っていくうちに、損耗したり、くたびれてくるのが物なのだから、はじめから製品などの値段に含めておくべきだと思うが、どうもそういうことは考えられない様だ。
そのくせ、役員とかの給料はべらぼうだ。
中小企業なら、上位会社からの圧力と言うか要請で、安い値段でしなければいけないのだろうが、「その値段、適正ですか?」。
一時、フェアトレードって言葉が流行っていたが、あれから世間に根付いたのだろうか?そうは、思えない。

何と言うか、目下の者には、清貧だと説くが、自分達だけ贅沢するような根性の悪い、貧乏性の人ばかりが上流にいるのだろうか?

例えば、日本でレジ袋の有料化やプラスチックストローの使用禁止、デジタルDXへの取り組みなどが遅いのも、そういうのが関係しているのでなかろうか?

大体、そういうのが世の中に悪い影響ありますと分かっていても、世界が始めなければ、日本政府が動かない。日本政府が動かないと、企業が動かない。企業が動かないと個人も動かない。で、世界から遅れてくる、悪循環。

僕としては、もっと企業がイニシアチブをとって、活動していけばいいのになと思うが、ここでも、目先の利に惑わされて、企業が動かない。それは何かというと、「増えたコストを製品に転嫁すると、お客さんが逃げる。」と言う考えだろう。

確かに、お客さんは減るかもしれないが、これが人に、自然に、世の中に良い事なら続ければいいし、たとえモノの値段が高くなっても、そういうことを支持する人はいるはずだ。で、続ければ、住みよい世界に変わっていくだろう。

日本は「お客様は神様的」な発想が有り、クレームに対して敏感過ぎるので、難しいかもしれない。
例えば、前述した、レジ袋の有料化もお客の誰かが、大きな声で反対したのだろう。でも、そこで怯んでたらダメだ。
だから、貧乏性で、世界から遅れをとるのだ。

早く、日本人の貧乏性を治さなければならない。




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